ありきたりな言葉ですが

 成田康子『高校図書館デイズ 生徒と司書の本をめぐる語らい』読了、★★★。等身大の高校生(とは言っても、読書量の多さと表現欲求とがかなり高い部類の生徒ばかりですが)の文章をパッケージングで、まさに高校生のための本。現在の高2は、読書の習慣が身についた生徒が(文理関係なく)多いような気がしています。

 通知表担任所見に異変、文体の真面目化が止まらず。昨年度、外進高1Aの生徒の場合は、私がどんなことを書こうが「この学校ってこういうもんなんだ」と思ってもらえただろうから気にせず自分の文体を貫けたんですが、今年度そこへ合流した内進(F中出身)生については初めてだからこんなもんと思ってね作戦が使えず、必然的に「型」通りの文章に近づくんですね。で、私の場合、思ったまますらすらと書くほうが速度にして2倍は早い。いや~、今回は大変かも、と思いつつとりあえず10人ほど書いてみました。
 だって、「個性的切り口のコメントでクラス内を活性化させます」という型通りだと24文字ですけど、これを我流で「高田純次的適当発言絶好調」と書いたら半分の12文字で済む。型通りって、字数ばっかり食って情報量を減らすんですよねぇ。

 本日は高2現代文の授業が一つ。後は、会議・担任業務(通知表コメントその他)・授業準備。

 夜は「もりき」で。最近は素麺ばっかり注文してます。冷やしはやった、にゅうめんもやった、ぶっかけもやった、サラダ仕立てにもした、鍋焼きもやった……「で、新しいやり方出来ます?」と聞いたら、今夜はチャンプルーが出てきました。いよいよ打ち止めかな。

女はチョイトだめなんて言わねえさ

 今夜、国語科の夏季慰労会が開催されます。で、国語科の人間の内訳を見ると「常勤9(内女性3)・非常勤3(内女性3)・旧非常勤1(内女性1)」で、昨年度を以て結婚退職なさった旧非常勤先生を合わせた13人の内女性が7人と既に半数を超えておりまして、これだけでも私が就職した14年前から考えたらまさかそんなことがF校で起こるなんてという事態。
 さて、今夜の参加者は「常勤7(内女性2)、非常勤3(内女性3)、旧非常勤1(内女性1)」ということになっていたのですが、当日になって常勤の先生お二人(男性)が体調不良でドタキャンなさることになり。結果、参加者は「常勤5(内女性2)、非常勤3(内女性3)、旧非常勤1(内女性1)」の9人で男女で分けたら男性3名、女性6名で。
 私「これ、最早女会の様相じゃねーか!」
 先輩「どうしよ、俺らとって食われるんやなかろうか」
 後輩「緊張しますね……」
 と、男3人寄よればいじらしい。

 5時入りの職員室で高3添削・授業準備・担任業務。学級日誌の日直感想に某くんが「②定期が数学がとてもよかったので、調子を崩さないよう尚一層気を引き締めて、夏休みはスプラトゥーン2を頑張ります!」と書いてきたので「ドラクエ11をやれやクソたわけっ!」と叱りつけておきました。勿論、お先生は自宅最寄(っつっても徒歩20分)のTSUTAYAで購入予約です。課外最終日(29日)に発売なんて出来過ぎた話です。
 授業は高3のみでのんびりした一日。午後は授業準備その他の仕事を色々。

 神田桂一・菊地良『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』読了、★★★。あとがきの『文体練習』は僭称。この本も『文体練習』も学級文庫の中ですが、比べて読めば差は瞭然です。
 小林カツ代小林カツ代の日常茶飯 食の思想』読了、★★★。評伝が面白かったので購入。散逸諸短文の寄せ集めですが、その分休み休み気楽に読めたのが良かった。先日読んだ評伝でも再三書かれていましたが、かなり感情の起伏が激しい(熱い)人だというのは、こういう余所行きの文章(講演書き起こし含む)からでも伝わってきますね。

 夜の飲み会は、男子3人で個室の端っこの方に固まってました。私、飲みながら多分ぶるぶると震えていたんじゃないかと思います。飲みながら震えていたのは、アル中ではないという証拠なのではないでしょうか。

ニッポンの男達よ Are you happy?

 スージー鈴木『サザンオールスターズ1978-1985』読了、★★★。筆者自身が認める主観押し出し感にやや気圧される箇所は散見ですが、そこまで熱狂的なファンでもない(1980年生まれで90年代以降のサザンしか知らない)ながら「国民の義務」として全作を聴いている、程度のぬるいスタンスの私でも十分面白かったです。ただ、還暦超の桑田さんはもう枯れていい(下ネタ系の歌は作らないでいい)というのは見解の相違で私はどんどん作ってほしい派です(「ヨシ子さん」がつまんないという点では筆者に同調)。

 8月上京、5日(土)のオツカル様とのデートは本厚木まで出て「鮎まつり」という地元イベントのステージで絵恋ちゃんを観るそうです。いよいよ水域に入ってきたな、という感じ。ってことは、新宿でランチからカラオケ、本厚木まで往復して(絵恋ちゃんのライブは16時半~17時)、新宿に戻ってがっ様と3人で飲み会……あぁ、久しぶりにパティシエ・ザ・パイナップルこと北白川くんも誘ってみるか。

 非日常の予定を立てながら「日常性の維持」。
 始業前の担任業務……例えば、学級通信コメント。生徒会長副会長にして応援団長の某くん、席替え最前列になった日の日直感想「背中を見られるのがイヤなので早く席替えしたい」に担任返して曰く「馬鹿なこと言うんじゃない。生徒会・応援団と背中で魅せる人間でしょうが」 これは池ノ都先生のちょっとした本気コメントで、立場・責任への意識には常に気を張らないとね、と。周りからそれだけ信任されてるんですから。
 1限は高3文系Ⅱコースの漢文。今日から、高3文系漢文の授業はⅠコース(東大受験)、Ⅱコース(東大「以外」受験)に別れ、2つのコースでは全く別の教材を扱います。具体的に言えば、Ⅰコースでは東大の過去問だけ、Ⅱコースでは毎回同じテーマの漢文・近代文語文という2種類の問題を準備して生徒は好きな方を(自分の受験大学に合った方……例えば一橋大学なら漢文ではなく近代文語文を)解くという形式です。東大受験者だけ贔屓をするのかと詰問されたら、まぁ面倒くさいから「はい」と答えてもいいんですけど、この分類をすると人数が毎年ほぼ半々に別れるというのと、何より東大の問題が(解答欄が)他大学に比べて変わっているという理由の方が大きいんですね。言ってしまえば、Ⅱコースが「通常」で、Ⅰコースが「異常」。
 授業のない2限は、本日4限の学年集会で話す内容(定期考査の「教務部より」講評)を学年通信用の文章として打ち出す作業。
 3限は高2現代文授業(高野公彦)。
 4限は学年集会。進路指導部長からの話、私(教務)からの定期考査講評、英語パイセン(進路)からの「進学ガイド」説明……の、パイセン解説が怖い怖い。今年卒業した65回生の高2の定期成績と大学入試の合否の相関を説明するんですけれども、要は高2の定期の成績で出口の合否はほぼ見えているという現実があるんですね(例外はありますし、そもそも志望大学が人によって違うという細かい条件はあるにせよ、ざっくりと見ればそりゃそうなります)。で、パイセン、「定期テストの平均で80点を取りなさい。それ以下は論外、怠慢。嫌なら今の自分の成績に近い先輩たちを見なさい。不合格ばっかりでしょう? それがあなたの未来です」
 帰りのSHRにて、私、「『それがあなたの未来』って、もう少し感動的に歌われる歌詞じゃなかったかね? あんな邪悪なKiroro聴いたことあります?」

 夜、自宅徒歩2分の居酒屋「S」に、約10数年ぶりの訪問。名古屋の手羽先屋がなぜかK市に2店舗の支店を出してるうちの1店。嘗ては常連だったんですけれども、51回生Oくんが教育実習に来たときの飲み会で盛大にぶっつぶれて以降足が遠のいてました。今夜、雪解け。
 今後はたまに使ってもいいかなぁ、という感想。美味しかったし安かったし。でも、10年前にぶっ潰れたきっかけになったメニュー「ロシアンルーレットたこ焼き」がまだあったのはネックだなぁ。私、飲み会で不機嫌になった(結果限度を超えて飲んで倒れた)のは就職以来あれ1回だけ。激辛ルーレットかなんか知らんけど、食べ物で遊ぶのも30代40代のいい大人がイッキ強制するみたいに辛い(っつか不味い)もんこっちに強要して来るのも駄目、あの日の卒業生・教員は仲良しながら醜悪だったな、と。ってまぁ、今なら「あぁ、この流れは機嫌を悪くしそう」と思ったらその場で帰ります(帰れる程度の歳になりました)けどね。 

Go! Go! 家電男子

 超拍子抜けしたのですが、母君は必ずしもiPadを自分で購入することに拘っておいでなのではなく、Androidタブレットで構わないそうで、そうと聞くまで存在さえ忘れていた私のタブレットを差し上げれば良いということで決着。何度断っても食い下がるショップの店員氏に根負けして持たされたまま放置していたあれがまさかこんな形でお役に立つとは。

 というわけで、午前中は学校で仕事(学級通信作成・学級文庫整理・高3特講準備)。その後母君と2人でリハビリステーション近くのauショップで手続き。午後いっぱいを空けていたのですが用件はほぼ瞬殺に近い片付き方をしたので、母君とお別れの後は自分用の買い物をすることに決め、血痰ネーミングショッピングモール「You Meタウン」でジーンズを2本購入しました。ここ5年で体型が若干変わってしまい、愛用品の腰回りが余るようになって来たのですね。愛用し続けるために太るのと新しいのを買うのとを天秤にかけて後者を選択したら、店員さんに「お客様の体型ならSサイズがぴったりですね」と言われてしまいました。183cmでSサイズて。腰回りはぴったりなのですが、長さが少し足りないように思えます(買いましたけど)。4年前に、一番のお気に入りを63回生Eくんに送ったのですが、あれは結果的に正しい選択だったみたいですね。

 松居大悟氏の話題は時々職員室でも出るのですが、一部界隈では氏より人気の谷口崇氏(←歌手ではなくて、アニメ作家の方です)の名前は全く聞かず。お二人はF高時代は漫才コンビを組まれていたそう(F高「ウケメン」のみならず「M-1」まで!)。これって、後輩にとっては目茶目茶凄い伝説なんじゃないかと思うんですが……(お二人の在学期間は、私が卒業してから教員として戻って来るまでの空白期間と重なっており、私は全く存じ上げないのです)。

世界のみなさんいよいよ出ました お待たせ 一発ガツンとやったるぜ~!

 昨日は1学期の始業式だったのですが、今日からは夏休みの課外授業、要するに生徒の生活は7月いっぱいは変わらないわけでして(但し正規の授業は4限までで、5・6限は参加者限定の補習・特講が行われます)。
 私も「日常性の維持」で5時半学校入り、授業準備・担任業務。1~3限が授業(高2現代文)でした。午後にちょっとした会議と面談とが入ってしまったので、母君のiPad関係のお約束は今日午後の予定を明日午後に回していただきました。

 寮生の親御さんが「週末に帰宅した息子が全然勉強しなくて!」と愚痴を溢されるたびに、微苦笑で「それは困りましたね」と返す36歳の私なんですが、その私の中で「そんなん当たり前じゃ~!」と17歳の私が言います。今はスマホがあれば寮生でもテレビが観られるでしょうし、そもそもテレビから離れてゲームに熱中なのかも知れませんが、我々の時代は家族に頼んで録画してもらった番組を週末に消化する、土曜の夜のテレビ番組に釘づけになる、という形でした。
 何の話かというと、16年ぶりに復活した『LOVE LOVE 愛してる』の話。「篠原ともえのプリプリプリティ」(vs菅田将暉)が素晴らしかった!

そもそもものを選ぶことのできる生き物か鏡を見て考えろこの糞袋。

 昨日の高3担任団慰労会でいちばん面白かったのは、高3A組(文系クラス)担任の世界史先生からクレームを受けたこと。世界史先生、模試や定期の出題者講評が厳しいことで知られておりまして。
 その校内模試の講評ときたら毎回よくぞと言うべき長文、委曲微細の観察・該博碩儒の語彙・客気苛烈の狂熱という三拍子で受験生に痛棒、輝く悪態万華鏡は読めば痙攣必至の最早芸術……なんですけれども。
 世界史「きみが授業で言った『講評芸人』って渾名が定着した!」
 池ノ都「事実じゃん。褒めるときは『まぁ良かろう』しか言わんのに」

 8月上京の店選びを徐々に。
 7日(月)の63回生Eくんの「おいしいピザ」の予約は永福町「マッシモッタヴィオ」に。この日は、就職して以降生徒として出会った卒業生(53回生以下の年代)の中で唯一「お友達」と言って良い関係の55回生Tくんも合流。私47回生の8才下と、さらにその8才下という3世代交流になりますね。私がTくんと「お友達」だという証拠は私が卒業生のtwitterアカウントの中では唯一フォローしているという事実、「お友達」になれた理由は授業でも担任団でも一切関わっていない上に酒の飲み方の相性が異常に良かったというものでしょうね。
 8日(火)は56回生Yくんとさし飲み(初めて?)で場所は五反田「立呑みとだか」。これはこないだ『孤独のグルメ』最終回に登場した「とだか」本店の真正面にある2号店です。

 佐藤剛美輪明宏と「ヨイトマケの唄」 天才たちはいかにして出会ったのか』読了、★★★★★。美輪様の評伝を書くというのは相当の覚悟と労力で果たして傑作。三島由紀夫・中村八大・寺山修司の3人との関係を主軸に、神武以来の美少年が平成現在において神格化されるに至る過程を、膨大な資料と関係者証言を元に解き明かして大功。評伝に必須の「不即不離(つかずはなれず)」の筆致が守られており、美輪様ご自身も出来具合に満足しておられる旨を語られています(但し、飽くまで一視点を通して捉えた「物語」として、と付言)。
 即座に学級文庫に入れたんですけれども、これを読みたい高校2年生って居るんですかね。

 さて、本日は1学期の終業式。式とSHRとだけのノルマでお生徒さんたちは10時過ぎには下校可(体育祭の練習や部活等、種々活動はありますが)。高2担任団は、10時から第2回定期テストの成績検討会をじっくりと。その中で、学年主任地理先生からの質問に答える。
 地「今の高2の勉強に対する構えってさ、中学の時から見てる僕らと違う(高校から担当の)池ノ都先生から見たらどんな風に見えるの?」
 私「えっとね、回転寿司が好きで流れて来るのを何皿でも食べられるんだけどカウンターの寿司屋に入って板前さんから『何にしましょう?』って聞かれたら何でそんなことを聞かれるのかが分かんなくて絶句する客みたいな感じ」
 地「それな」
 高校3年生になったら、自分の受験する大学の過去問をひたすらやって、大学の型を「身分け」する。与えられた既存のノルマをこなして終わりとする勉強に終始するんじゃなくて(←これはこれで受験勉強の「前提」として必須なんですが)、自分用の勉強内容・計画を「カスタマイズ」する必要も出てきます(これは、志望と能力とに応じて自分で作り上げる作業です)。

 お昼に、63回生卒業生のお母様4人がご来校。主任化学先生と私とでお迎えして歓談。文系A組Nくん、理系B組Nくん、理系C組Kくん・Kくん、みんな大学で元気に過ごしているようで何より。お土産に、ヱビスビールの缶6本(華みやび)と専用のグラスを頂きました(缶もグラスも、自宅の冷蔵庫で冷やしています)。
 私はこれを中座させていただき、市内某所で行われる国語科研究会へ出張。校長先生の講演(90分)を聴講しました。これは、先日の保護者会の内容を更に更に専門的にした内容。相手が国語教師なのだから当然と言えば当然なのですが、但し「国語学者」と「国語教師」とでは、それぞれで使われている「国語」の意味は異なっています。

 夜は近所の肉料理「I」で独酌読書。ついでに、8月12日の予約(63回生文系Eくんと)もお願いしました。

イロトリドリ ノ セカイ

 今までは、保健室超ベテラン先生(ご退職後も、部活関係でF校とご縁が)からご自宅農園の果物・野菜を頂いても、全て「もりき」かK市の母・Hさんにお渡しするしかありませんでしたが、今の私はファビュラス。例えば本日頂いた立派な桃は、ヨーグルト・牛乳・蜂蜜・バニラアイス・氷と混ぜてスムージーなんぞに。毎回、事務嬢さんに恒例の「ファメ(ファビュラスな写メ)」を送っています。
 上からお世話になったら下に返す。8月上京中にリクエストの「美味しいピザ」に連れて行く63回生文系Eくんが、その「美味しいピザ」を食わせる前から「福岡帰省中の12日に肉が食いたい」といういけずうずうしいおねだりを。これは自宅徒歩5分の肉料理「I」に連れて行くしかないな。
 下から返ってくることもある。上記とは別の卒業生某くんから「親に先生の電話番号を教えてもいいですか?」と聞かれて「いっすよ~」と応えたものの何の用件で息子の元担当(not担任)に連絡を? と訝しんでいたら、普通にヤマト運輸でのお中元だったようで。普通万歳。

 本日は授業なし。明日行われる第2回定期テスト成績検討会に向けて、定期テストのデータをまとめる(上位者表・度数分布)仕事を中心に、授業・特講の準備、担任業務その他色々。放課後は職員会議も。

 夜は、夏の恒例(準公式)行事、高3担任団慰労会。校長先生を始め30人超の大所帯で、市内焼き鳥3傑「Y」の広間を貸しきって。これは公式行事ではないし、終業式前後の公務多忙の時期に行われるので、参加は(変な柵は一切なしで)完全に自由なんですが、それでも30人超というのは多いですよね。進路指導に関係の深い先生の間で実しやかに言われているのが、この会の参加人数とその年の東大合格者とがほぼ同じ人数になるという話なんですが……?
 私は一次会で帰宅しましたが、幹事の高3体育先生、二次会の店に焼き鳥「T」を選んだそう。焼き鳥から焼き鳥て。どんだけ腕白なんだ。

明日常しえに つなぎ続く 私は

 定期テストの結果データをまとめている最中。前回はクラス別順位で我らB組がまさかの1位でした……から今回も行けたらいいなぁ、と守株待兎(←やや誤用気味)は流石に通じず、今回は別のクラスにほんのゼロコンマ数点の惜敗。③定期は……ってのはまぁ置いといて、自腹の祝勝餌付けーしょんが消滅したのは喜んでいいのか悲しんでいいのか。
 授業は高2現代文が5コマ、普通に仕事をして、普通の「もりき」で独酌。普通万歳。

定型があってこそおもしろい

 母君からの電話で、ノートPCかiPadタブレットか、何かその手のを購入したいという旨。電気店に行くなら仕事半ドンの土曜午後が私としては都合が良いので、数日お待ちいただくようお願い。徐々に日常生活回復の母君は、2ヶ月前の歩行不能が今や自転車です。預けた鍵で時折自宅マンションを訪問し、今では管理人さんとも仲良しだそうで。

 授業4コマは高2現代文(高野公彦)、普通に仕事をして、普通に「もりき」で独酌。普通万歳。

大人のための国語授業

 本日海の日、は一日仕事のK市地区保護者会講演。K市地区は、去年の国語科恩師先生のご講演を(呼ばれてもないのに無理にお願いして臨席の上で)聴かせていただいたという大恩がありますので、今年度の講演依頼は万難を排しての気概でお受けいたしました。K市地区は必ず校長先生もお呼びすることになっており、今年度は校長先生が初年度ですので、毎年2人の講演は校長先生と私の2人で行うんですね。名古屋大学教授でメディア露出も多数の言語学者が先に講演をなさり、アルコールも出る会食を挟んで(飲まされた状態で)私が講演をするという、若造を完全に殺しにかかったプログラムなんですけれども、去年の大恩がありますので……。

 朝イチの西鉄ミスドでコーヒー読書。講演メモも作成しました(我ながらこれ程とはの悪筆なんですが、これを読める程度の素面で壇に上がらせてもらえるのかが心配ですが)。プロ中のプロであられる言語学者の前で「入試国語力のつけ方、教えます」だって。やっちまったなぁ。
 タクシーで会場のホテル「S」に出向き、幹事である我らが高2のお父様お母様にご挨拶。

 保護者会、先ずは校長先生の講演。日本語概説、「は」と「が」の話から語用論まで、大学時代の「概論」を思い出しながら聴講。これはまさに「講義」で、がっつり専門的な話(時に、レジュメプリントのどこを見ればよいかお母様方が混乱される程の)を力技で聴かせたという感じで、場数をこなした方ならではですね。

 さて、校長先生による乾杯の音頭でランチコース歓談。私、保護者会の経験はたくさんあるんで知ってる。講演(仕事)が終わったあとに注がれるお酒って、滅茶苦茶美味しいんですよ。安堵感が肴ですから。でもですね、この後40分の講演を控えて注がれるビールなんてのは……あ、やっぱ美味しいわ。関係ないわ。何だったらお気遣いの幹事団が私のために冷酒なんて準備して下さっててこれがまた洋風のコース料理にも合うわ。
 隣の校長先生は歓談世間話が高尚、というかこれが専門家という話題は博多弁の「たい」と「ばい」との違いは何か。「山笠があるけん博多ばい」に違和感はありやなしや。私は博多人ではないので機微が解りません。いずれにしても、「ばり」は「very」の訛りとかいう嘘で県外人を騙して遊んでる私なんかとは構えが違います。

 で、結論から言いますと、講演40分は(お聴きになった方の感想は解りませんが)何とか想定通りのことを時間に収めて話せたかな、という感じ。やっぱり若干脳に酒霧がかかってたので、小ネタの2つ3つはすっ飛ばしてしまったかも知れませんが、幹は大丈夫だったかなぁ、と。
 2週間で3箇所の保護者会、同じ話を(時間を伸縮させながら)3回やったのですが、その中で私が驚いたこと。事前に自己紹介文を提出するわけですが、その原稿に「趣味=読書・作問」と書いたら皆さんが「作問?」と片付かない顔。講演では、出題予定のない模試・入試の問題を作るのが好きだという話をしました。例えば、今読んでる青木奈緒『幸田家のことば』(好著)。読みながら、校内模試(文系専用随筆)に使えそうな文章が2、3箇所あって、それとは別に祖母・幸田文の「おふゆさんの鯖」に言及の箇所はそれを出題した京大過去問を扱う時の資料になるし、同「藤」に言及の箇所はそれを出題した東大過去問を扱う時の資料にもなる、等々を考えながら読むのです……という例を挙げて、出題しないままになっている問題は数々あるという話をしたんですが、それに「どよめき」と表現して良い程の感嘆の声が起こったんですね。とりあえず「クイズ研究会の延長ですね」という一笑いで収めましたが、どよめくほど驚くことなのかと逆にこちらが驚き。或いは「趣味=読書」で想定したような「純粋な」本の読み方をしていないように聞こえて意外だったのかも知れませんね。私としては普通の読書のつもりです。それどころか、作問は読書が面白かった故の「シェアの欲求」なんですから。
 さて、最後。会の後で校長先生に声をかけられ。長「先生は青木奈緒ばすいとうと?」 私「はい。長く読んでいます」 長「よう会うとよ」 私「あっ、NHK!」 長「そうそう、よう着物ば着てきとんしゃあよ」 校長先生も青木氏もNHKで放送用語委員会の委員を務めておいでなのでした。やっぱり交流が凄いなぁ。

 保護者会終了後は、パートナーの出張を送り出した事務嬢さんをお呼び出しして、飲み会からカラオケ。ヱビス瓶ビールを含む2時間飲み放題が1200円という昼酒万歳アル中ホイホイみたいな居酒屋で、初手から「ラッキーヱビス」を引き当てテンションマックスです。FKC(F校カラオケ倶楽部)番外編のカラオケボックスでも、8月オツカル様との曲目(中森明菜和田アキ子・KIRINJI等々)を練習出来たし。
 ただ、保護者会から(一旦帰宅入浴した時間を挟んで)10時間っつーのは飲みすぎ遊びすぎ太りすぎで、前回の福岡の反省はどこへ行ったのかと自らに問い、答えられず。