私は優しい宮崎美子

 宮﨑美子「だからDESIRE」の音源がYouTubeにアップされていることを知って狂喜の朝。近田春夫の仕事で1987年に発売されたシングル、サビこそ歌謡曲ですがそれ以外のメロディは完全にHIP-HOPで宮﨑美子が(自身をイメージした作詞で)ラップを披露。一説に拠ればシングルでラップを披露した日本の女性の草分けが宮﨑美子だとのこと(因みにB面の曲は「タカラ本みりん」というタイトルでCMソングを繋げたもの。宮﨑美子はたしかCMキャラクターだったはず)。この曲はCD化されていないそうなのですが、いつか近田春夫の仕事をまとめたコンピレーションとかが出たりするのかなぁ。

 本日は授業無し、ですが放課後に特講(京大文系現代文)はあって、本来ならこの添削は未明の書斎でやるのですが本日は終了後の職員室でガシガシ。今夜はガッツリ飲み会だから、未明に起き出す体力は残さないつもりです。赤青2本のボールペンを駆使して一気に(文字通り一秒も休みなく)添削採点。神速も神速、10枚の答案を2時間弱で終わらせる荒技で、その時間を見越して学校前に予約していたタクシーを走らせてフランス酒場「L」に駆け込んだら、他の3人(同窓同僚数学・英語科パイセン・事務嬢さん)から「「「早っ!」」」と驚かれました。乾杯!

私とあなたと 彼女と彼とで 笑ったカフェテリア

 内田樹池田清彦井上智洋・小田嶋隆姜尚中隈研吾高橋博之・平川克美平田オリザブレイディみかこ・藻谷浩介『人口減少社会の未来学』読了、★★★★。筆者を並べるだけで若干疲れます、今回も玉石混淆。個人的には、小田嶋隆のキレと、隈研吾の大胆な比喩とに「ほう」となりました。

 入浴、朝食後に出勤。本日は定期テスト最終日で監督は2限、テスト返却時に一緒に配布する解答例(上位者一覧を添付)のプリントを作成する仕事を中心に。定期テストの期間は流石に特講がないのですが(だから昨日と今日との文理東大現代文は休止)、終了後は即座に始まります(明日・明後日の文理京大現代文は開講)。
 その金曜の夜、奥様(若手体育育休中)がご実家にお子様と一緒に戻られるということで旦那数学を囲む飲み会を開くことになったとの連絡。英語パイセン、事務嬢さんの同年代4人が揃って飲む……のは本当に久しぶり(1年ぶりとか?)ですね。ただ、私は特講があって答案の翌朝返却がマストなので、終了後に添削を終わらせてから学校を飛び出すことになりますから大幅に遅れるのは必至。高3担当はつらいよぅ。

 今日は半ドンきっちりで仕事を切り上げ、自宅まで歩いて帰る途中に大幅な寄り道をしてTSUTAYA経由、椎名林檎のトリビュートアルバムを購入するなど。
 夜は西鉄近くに出て居酒屋「S」で軽く飲んだ後、久しぶりに餃子「G」へ。志村けんがTVで「日本一」と言ったK市を代表する老舗。15年前、まだ職員室宴会の二次会が文化街のスナックだったような昔、一次会からの移動中に10分立ち寄る「餃子1.5次会」があるあるでした。ご無沙汰の間に焼き場に若者2人が入ってて驚きましたが、半面パリパリ半面もちもちの美味は健在です。

もうすぐ笛が鳴る 白い駅を汽車は動き出す

 母君は外に出られるご様子がなく食料は私が買い出しで、朝の動き(朝食の準備)も徐々に徐々に緩慢になってきました(足腰に加えて握力の衰えが。絵筆を持つ分には良いのですが)。これは、ちょっといよいよ考えないといけないかもなぁ。

 入浴・朝食後に出勤。定期監督と採点(終了)とで半ドン。昼過ぎに一旦自宅に戻って入浴や買物など。学校に戻って仕事の後、夜は肉料理「I」で独酌読書。

 藤栄道彦『妖怪の飼育員さん(4)』読了、★★★。

罵詈雑言のレッドカーペットをさーせん Walk 試練の道行く思い込んだら

 出勤までの流れは昨日と同じ、定期テスト中は少しゆっくりと時間が流れます。本日最初の仕事は定期テスト採点……の前に、66回生浪人(文系東大志望)某くんから頼まれた東大漢文過去問プリントの準備。昨年度66回生の授業・特講で扱った過去問、準備はしたけれども扱わなかった過去問、及びセンター授業で扱っていないであろう共通一次の古い過去問等々、昔の授業プリントを印刷して実に300枚超。添付の絵葉書は水木翁「妖怪道五十三次」のデザインで、絵柄は当然日本橋です。
 定期テストの監督・採点の業務。

 半ドンの午後に一旦帰宅して、アメフト問題の加害学生の会見を観ました。今日まで全く興味が無かった話題なのですが、会見が始まった途端に目が離せなくなってしまい。あれをスポーツだと呼んで良いのなら、スポーツ関係の画面にここまで集中したのは初めてのことです。試合の3日前に監督から試合中の傷害(って言って良いですよね?)を指示された直後に、丸坊主にするよう命じられたというのが聞いてていちばん辛かった。その界隈では、指導力って、人間の尊厳の巧い踏みにじり方を指すんでしょうか。

 行きつけの美容室「G」で散髪。同じ年の店長Kさんのワンオペ店舗は予約が大変。Kさんは先程の会見は仕事中でご覧になっていないでしょうし、そもそもわざわざ話題にするほど明るいニュースではないのでその話は無し。K市の飲み屋事情の話だとか、絵恋ちゃんさんの話だとかで盛り上がり(絵恋ちゃんさんが最前で携帯覗いていた客からそれを奪って投げ捨てた動画を観てKさん爆笑でした)。
 「折角西鉄K駅近くに来たんですから、今日はどっかへ行くんでしょう?」とKさんですが、こういう時にこそさっさと帰るわけですよ。「もりき」の奥様から、「あら、さっぱりしたわね」と言われました。ただいま。

忘れまじや若き日に 抱きし大志をば

 6時過ぎまで寝だめして、入浴後に母君の朝食をご相伴してから出勤。本日は第1回定期テストの初日で、私は早速高3現代文の出題を。昨日、完全なる突貫工事で作った問題には、1箇所タイプミスがありました(質問を受けつける教室巡回中に生徒から指摘、全クラスに訂正の板書)。出題後は採点をガシガシとやるのが恒例なのですが、今日は午後に重めの会議があったため本格的な採点は明日以降に後回し。今日の会議は、まぁ「勝ち」でいいんじゃないかな。夜は二日市に出て「月空」。

 とあるベテランの先生(文系)に「『社畜』って何?」と訊かれて驚く。そう言えば、この俗語の出典は知らないなぁ、とwikiを見たら安土敏という小説家(寡聞にしてで申し訳ないのですが、映画『スーパーの女』の原作者だとか)が考案したという説が有力なのだとか。1990年の流行語とのこと。
 F校職員室に「社畜」が居るのかは分かりませんが、言葉の意味を説明した後に「我々は『舎畜』なんですよ」とお話ししたら「巧いこと言う!」とベテラン先生から褒めていただいたので、先生にはそういう自覚があるのか知らん、と一瞬思ってしまいました(或いは、そうなってはならないという自制心をお持ちなのかも知れません)。

 向田邦子『霊長類ヒト科動物図鑑』読了、★★★★★。巧すぎる。また一冊、読んだことのない向田邦子の本を減らしてしまいました。悲しい。
 伊藤静『山田飯』読了、★★★。

歌 いねむり ふたりのテニス お茶 生け花 ちょっぴりお酒

 調査書・推薦書を書く担任が、「正直に書けねぇ~!」「もう褒めるとこねぇ~!」「具体的に書けば書くほどあいつが不利になる~!」と悩むのは学校あるある。皆言ってるんですけれど、入力した悪口を褒め言葉に変換するソフトとかないんですかね。「我が儘で空気読まない」って打ったら「天衣無縫で独創性があり周囲に一目置かれている」とかに変わるの。
 「合格体験記」の原稿(66回生現役、65回生1浪)が続々。その中で、某くんが京大理各部を首席で合格していたとありました。私は某くんについては校内模試の採点を一度だけやった以外全く接点を持たないのですが、力量の程は噂で聞いており、学年団の評価は「然もありなん」。首席合格なんて聞くの、60回生の圧倒的才女・Sさんの九医以来ですね。

 午前中は自宅で作業。母君に昼食を外で、と水を向けたのですが気乗りのしないご様子。一昨日の木曜の絵画教室(自宅徒歩5分)にはお出になったし翌日の通院(タクシー移動)は無事に果たしたのですが、それ以外(ちょっとした買物などの用件で)は外に出る気が起こらないご様子。まぁ、倒れて救急搬送など経験したら恐怖心が出てくるのは仕方ないのかな。大体一日に一度は外へ出ておられたのですが、このまま引きこもられても困るから、ちょっと様子見ですね。
 昼からは出勤して学校で定期テスト(高3現代文、明日出題)を作成。文理で問題が違う2種類を6時間掛けて印刷・折り込みまで。63回生・64回生とほぼ同じ試験範囲(センター過去問)なので、問題の重複を回避するのに工夫が必要でした。他に学級通信の作成など。

 夜は先日プレオープンが美味しかった魚料理「I」へ。隣の肉料理「I」のお料理を運んでもらったりも出来るそうです。一人でカウンター飲みなら肉料理の店の方が良いかな(椅子が身体にフィットするので)、という印象。

町までやってきた ヒューン ヒューン

 久しぶりにチェックしたら、食べログの「もりき」にKさんという(K市内では)ちょっと有名な食べロガーさんが鴨コースについての口コミを投稿されていました。割とうるさ型(失礼!)の方なので基本的には高評価をしてくれているのが嬉しい。今度、マスターに教えて差し上げよう。

 3時起床、書斎で添削を2時間。母君の朝食をご相伴後に出勤、2~3限がセンターの授業で、これをもって定期テスト(月曜初日で現代文は初日出題)の試験範囲が全て終了したので、明日学校で問題を作ります(文理別問題なので、2種類作らなければなりません。多分、半日仕事でしょう)。4限は200人分の平常点の計算。半ドン後に一旦自宅に戻り、買い物をしてから入浴、着替えて再び学校へ行き、昨日と同じ問題を使った京大現代文理系特講を15時半~17時半。

 今日は、しょっちゅう飲んでる58回生Fくん(「S」病院研修医として社会人1年目)と飲みに行く約束。初任給が出て以降会うのは初めてなので、曰く「今日は割り勘で行きます!」 おおっ、カッコいい!
 一次会からいきなり文化街で、Fくんから常々日本酒バーの開拓依頼を受けていたのに応える格好のお店は筑後の酒蔵のお酒がずらりの「O」というお店。珍味や牛タン、湯葉豆腐などしっとりとしたおつまみを肴に90分ほど。珍しく、Fくんが焼きおにぎり茶漬けなど炭水化物を注文しています(彼は食が細いイメージなのでちょっと意外でした)。さて、彼が働いている「S」病院は母君も通院中。主治医のY先生は、Fくん曰く「強面だけど優しい人」だそう(私の印象もそれです)。その「S」病院から初任給を貰ったというFくん、月給からご家族に毎月10万円を支払う約束だそうで(大学時代に一年寄り道した分の借金)、「マジ金欠、やってらんねぇ」んだそうですが、10万円を引かれる前の手取り月給を聞いたら今の私より多かったんでこっちが「マジやってらんねぇ」だわっつーか奢れや、ってなもんです。

 一次会が文化外街なら二軒目は絶対にライブバー「A」ですね。我々がカウンターに並んだ直後に6人組の年若い女性が入店。マスター曰く初めてのお客さんだそうで、「一体何をやってる人たちなんだろう」と。私は職業柄直ぐに保母さんだと解ったので(仕事で子どもに接している人たちだろうというのが直感でわかったら、あとは年齢だとかや子どもたちを「ちゃん」付けで呼んでいる様子から大体わかります)。Fくんが疑わしそうな表情だったので、「じゃあ、実験してみようか」と、童謡「北風小僧の寒太郎」をカラオケ予約。
 私「北風~ 小僧の 寒太郎~♪」
 女性たち「「「「「「かんたろー!」」」」」」
 F「ほんとだ」

 1軒目は私が出して、2軒目はFくんが出してくれました。23時に店を出た後は、これから友達と合流するというFくんと別れて帰宅、就寝。 

それなら一体 何の為に世の中へ出てくるのかと

 3時起床、書斎で添削を3時間。母君の朝食を準備した後で自宅を出発。本日は午前中を年休にして母君の病院健診に付き添うのですが、特講の答案は朝のSHRで返すのが基本なので、一度学校に行く必要があるのです。担任の先生方の机上に返却答案を置き、直ぐに学校を出て自宅に戻り、タクシーでこないだ救急搬送されたばかりの「S」病院へ。3日前の全身検査で異常なしだった訳だからあまり心配していなかったのですが、果たして異常なし継続治療という結果でした。病院近くのミスドでお茶をしてからタクシーで自宅経由、母君を下ろしてから学校へ行き、10時半から通常業務と相成りました。
 4限は文系二次記述授業、昼休みの生徒面談の後、5限の時間を使って根性で(これは我ながら「神速」でした)添削を終わらせ、6限は会議。SHR・掃除の後、7・8限は京大文系現代文特講。今日の教材は11年の長田弘『失われた時代』。これは難しい問題ですが、高1の最初に現代文で扱ったものなので敢えてノーヒントで出題。レオーノフの帽子屋を巡る随想、99年の鈴木忠志「過疎村のこと」の内容と通底する名文です。吉田寮だったり森見登美彦だったりというイメージの強い京大ですが、入試国語の高潔にはいつも唸らされます。

 夜は、ちょっと遠出して西鉄近くの居酒屋「T」で読書独酌。松田奈緒子重版出来!(11)』を読み終えたので、これは明日担任団関西数学先生(あ、そういえば京大出身でいらっしゃいます)にお貸しします。

忙しさがすっかり あなたを

 3時起床、書斎で3時間添削。入浴後、起き出してきた母君と朝食を準備して私もご相伴。オキアミと納豆とを混ぜて白米にかけたら美味。
 7時30分に出勤、担任業務、8時から生徒面談。1限に板書準備、2・3限に浪人生の添削(昨日と同様に郵便局にも)、4限が文系記述授業、昼休みが生徒面談。5・6限で4限の答案を添削して帰りのSHRで返却、7・8限が東大理系現代文特講(粟津則雄)。自宅に戻って少しだけ添削、母君がお休みになった後で「もりき」独酌。就寝は21時で起床は9時。「日常性の維持」ですね。

 そう言えば、来週の月曜から4日間は第1回定期テストです。生徒には、特講(二次向け)が始まったからといって授業・定期(センター向け)を疎かにするな、と口を酸っぱくしていますが、かく言う私の方が特講とその添削とに忙殺されてて定期のことが頭をちらりとも過ぎらない状態です。土曜日に試験範囲である授業が2コマあるので、それが終わってからしか問題を作れず、月曜(初日)出題なのに作問は結局日曜ということになりそう。校正する暇、あるかなぁ。

でも、笑ってるわ でも、ちゃかしてるわ

 「男く祭」の食品バザーは純利益の2割を寄付する決まりになっていましたが、それに関してとある店舗の不正が発覚しました。純利益が申告制だったことを良いことに、寄付で自分たちの取り分が減ることを厭ったメンバーが、かなりの金額の利益があったにも関わらず赤字申請をしていたことが解ったのです。「男く祭」の監督激務に学校泊の日もあったほど力を尽くされながら鉄の気力体力でそれに耐え、更に生徒にそれと気づかせないよう振る舞われるご配慮をお見せになった担任団世界史先生が、メンバー説諭の場でついに「裏切られた」と涙をお見せになり。私は「男く祭」に何の貢献もしておらず(せいぜいが体験授業程度)、はっきり言って彼らを(B組の生徒も数名以上います)叱る権利もつもりもありませんでしたから呼び出し・説諭の場では臨席だけで無言でしたが、帰りのSHRで急遽3分間スピーチを行うことにはしました。

 以下、要約的に。
 【最高気温が30℃になる日に、中学時代の人脈で最も客を集めるであろう外進高1A食品バザーの横の店舗で、原価何%だよみたいなボロもうけ商品であるところのディッピンドッツ(粒々アイス)を売って、赤字になりましたなんて申請する方も申請する方だし受け取る方も受け取る方です。私は63回生で同じ商品のバザー顧問をやったことがあるからどんだけ儲かるかは知ってる。学年主任地理先生は彼らに「X円で信用を地に墜とした」と仰いましたが、正確に言うと、彼らは純利益X円の2割であるところの0.2X円、それを店員の人数分で割った500円程度で信用を叩き売ったと言うべきでしょう。さて、彼らが濡れ手で粟みたいに手に入れようとしたその0.2X円という金額について考えてみます。0.2X円というのは、実は私が水・木・金・土曜の放課後に2時間ずつ行っている現代文特講、あの4回分の給料、つまり一週間の特講手当とほぼ同じ金額です。各特講につき、プリント準備で2時間、板書準備で1時間、授業を2時間、添削を4時間、合計が9時間。それを4回だからつまり36時間。私が36時間ノンストップで働いて手に入れることが出来る金額を、彼らは濡れ手で粟で手に入れようと考えた訳です。別に怒っている訳ではありません。というか、実は叱る必要もない。なぜなら彼らがはかられるべき尺度は善悪ではなくて精神年齢の高低、偏に「大人」か「子ども」かというものだからです。ここでは大人の定義は、自分で自分が生きるための金を誰かの為になる仕事を通じて稼ぐ人、だと考えて下さい。手前味噌ですが、先の36時間の私の労働は、若しかしたら67回生の役に立っているかも知れない。仕事をしている時のモチベーションは、この可能性に思いをはせることで高まります。お金じゃないとまでは言いませんが、為他への思いの方がモチベーションの駆動力としては遙かに高い。そして、誰かの役に立つかも知れないと思える仕事で得た報酬の喜びを一度でも知ったら、もう濡れ手で粟でなんて考えは頭の片隅にも過ぎらなくなります。大人は、後続を育てるのが仕事なんです。くり返します。行為に為他の可能性を感じられる仕事を通じて報酬を得る喜びを知っているのが大人です。大人なら、濡れ手で粟なんて絶対に考えません。だからこそ、教員ノータッチで渉外まで含めた全てを生徒が運営する、即ち生徒が大人として作り上げる「男く祭」において、バザーの純利益も申告制でいいんです。今回の件は善悪の問題ではありません。大人向けに制度設計されていたその制度の意味が、子どもには分からなかったというだけです。だから私は彼らを叱らずに、その代わり徹底的にからかいます。なぜなら、F高の3年生が子どもであるということは「悪い」ことなのではなく、「恥ずかしい」ことだからです。とは言え、からかうだけでは「大人」の務めとしてやや弱いので、子どもには大人になるための方法を教えなければなりません。そこで一言、「徹底的に勉強して下さい」。結局それかよ受験脳かよと思う勿れ、これが大人になるいちばんの近道です。徹底的に勉強していると、その内に必ず「いつかこれが何かの形で誰かの役に立つ道に繋がるのかも知れない」という予感を得る時が来ます。徹底した理知は必ず人間的なものになる。だから勉強して下さい。社会に出る前の子どもが大人の感覚を先取りする方法はそれしかありません】
 喋るからには笑わせるがモットーですので、前半はくすぐりを投入してますね。目が合うと感情的になりそうだったので生徒の顔は一切見ずに(草稿メモを読んでるふりして)喋りましたが、笑わせた後でどのくらいしんとするかの落差で内容の伝わり具合は想像できます。

 朝、母君はいつも通りの時間にいつも通りのご様子で起きてこられました。食事も(少しの白米とサラダ、それに卵程度というのがデフォルトですが)召し上がって、私が通常通りの出勤をしても問題が無さそうだったので、何かあったら携帯で電話をするようお願いして7時に出勤。
 授業は1・5・6限。空いてる時限には卒業した浪人生や転校した67回生(元高1A)からの依頼添削をこなして郵便局で郵送手続き。後は前述の「説諭」とか。放課後は粟津則雄を使った東大現代文特講を17時30分まで。すぐに帰宅をして、自宅書斎で添削を少しだけ。母君がお食事の後でお休みになるのを見届けてから、自宅徒歩5分の肉料理「I」で独酌読書。