歓声よりも長く 興奮よりも速く 走ろうとしていた あなたを少しでも

 5時入りで昨日の校内模試作成の続きをやりつつ、空が一日持ちこたえそうな様子を見て安心。本日はクラスマッチの日。3年前までなら全く興味なしで見にも行かない行事でしたが(今でもスポーツ自体には全く興味はありません)、担任を持ったら自分のクラスが勝つかどうかは気になる。文系男子44人、数では圧倒的に負けているものの、文系なのに体育会系のお祭り人たちが多いこのクラス、さてどうなることやら。

 あ、予想通り、褌禁止A組vsスク水禁止B組、ドッジボールのユニフォーム対決はB組に完敗しました。彼らがスク水に代わってドンキで買い揃えたユニフォームは、勝俣風短パン・アンダー用白Tシャツ・ルフィ風麦藁。首には虫取り籠、右手に虫取り網。180センチ超の「ぼくの夏休み」に見る人見る人爆笑。こんなん、絶対に勝てっこない。スク水・褌禁止を決定したB組担任の体育先生、その格好を一目見るなり大感動で「これよ、これ! F校らしい遊びはこういうの、俺はこれを待ってた!」と大笑いしながら絶賛しておられました。
 この場合、前日まで褌の扱いをどうするかなんて会議を繰り広げてたA組に(悪いけれども)勝てる要素はない。A組は結局、普通の体操服に落ち着きました(というか、上記「ぼくの夏休み」ユニフォームを見て完敗を悟ったんじゃないかな)。秋には、Bに負けないノンセクハラ爆笑ユニフォームを考えて下さい。
 さて、ここからはA組担任の仕事。B組首謀者をお呼びして、Q「ドッジボールです。虫取り網があります。麦藁帽子もあります。さて問題です、ボールはどうやってキャッチするべきでしょうか?」→A「虫取り網で掬うようにキャッチ! 若しくは、麦藁帽子の頭部へこみにスポッとはめるようにキャッチ!」 A組担任「正解! そこまで揃えたんですから、こうなったら徹底的にネタに走って輝け、夏! って感じで。頑張ってね~」とネタ煽りしつつ……あいつらのノリなら絶対に網と帽子を使おうとする筈だ。勝ち負けよりもネタに走る。これで、「B組ドッジの勝利は消えた! A組の学年優勝にまず一歩!」

 地味に暑い中、体育館にグラウンドに卓球場にバレー・テニスコートにとぐるぐる回りながら、自分のクラスの試合だけ観戦。
 先ず驚いたのは、高2の保護者(お母様)が何人か見学にいらしてあったこと。体育祭とか文化祭と違って保護者見学を想定していない(そもそも許可とか禁止とか議題に上がってない)行事ですから、何故と理由が分からず教員もたじろぐ。お母様方のご来校の目的は、夏の地区保護者会の打ち合わせ(クラスマッチ中心学年の高2生徒の保護者が、地区保護者会の幹事学年でもあるという偶然)だということですので、まぁそういうことにしておいていいんじゃないでしょうか(にっこり)。お母様を見つけた生徒は露骨に嫌そうな顔をしておりましたが(恥ずかしいですもんね)。
 ついで驚いたのは、やっぱりバスケットボールとサッカーの「歓声」かな。前回もそうでしたけれども、共学化の変化を如実に感じるのがこの女子歓声。「きゃ~っ!」「かっこい~っ!」という例のあれ。オネエ的感性で捉えたらあれ全て「きゃ~っ!(って言ってる私はここにいるわ~っ!)」「かっこい~っ!(って言ってる私のことを見て~っ!)」としか聞こえない例のあれです。っていうか、男女混クラB組の応援が黄色すぎて男子クラス(A&C&D組)の嫉妬がすげぇの。

 さて、ウチのクラスです。A組、バスケ部4人揃えたチームで全体優勝したし(高3は部活引退してから随分経ってるというハンデがあるのでしょうか)、サッカーは高2Bに敗れたものの準優勝だったし。バレーの3位入賞ってのも効いて、あらら学年優勝しちゃってますよ他のクラスの皆さんごめ~んね。

 銀メダルの悲劇。優勝も3位も、最後の試合に勝利して得られる結果なのですが、準優勝だけは最後の試合で敗北をするという経験をします。サッカー決勝は、メンバー全身全霊で惜しくも1点差。試合終了後にはサッカー部のA氏は勿論、失礼ながらお前が? って思ってしまったB氏やC氏が涕泣してて、全然関係ないバレー部D氏まで「B・C見てたら止まんなくなった」と滂沱だったり。
 私には無かった青春ですね。涙涙の負けん気は、秋のクラスマッチでもいいし、勉強その他の活動でもいいし、忘れなかったらどっかで生きると思いますよ。

 さて、放課後、担任団でカンパのジュースで全クラス乾杯をした後、クラス中心人物の2人が担任を教室の隅に呼び出して曰く、「シャンパンファイトをしたい」と。ほぅ、それは面白い発想。成る程確かに優勝したクラスにはその権利があるし、優勝したら担任からご褒美って口約束もありましたし、泣いてた子を励ますのには思い切って全員濡れちゃうのが一番だし(木を隠すなら森ってね)、あぁ運動場横の「憩いの森」なんて、それにぴったりの場もありますし。
 ってことで、片づけが終わったら全員憩いの森に集合! 有志買い出しにゴー!

 数人の生徒を連れて、タクシーで学校近くの量販店往復。先ずはシャンパンとビール……ってわけにはいかないので、炭酸水の500mlペットボトルを70~80本ごっそり買い込み(ダンボール買いで)。それから、おやつも差し入れちゃえ、で大人気「きのこの山」の抹茶味が安売りしてたんでクラス人数分購入、したところ買い出し手伝いE氏が「俺抹茶喰えん」と仰ったので、そういう人用に4つだけ普通のチョコレート味のものと交換。

 後日、クラス生徒F氏が「炭酸ファイト」のタイトルでYouTubeに画像をアップしていました。
 制服可、ユニフォーム可、レインコート可、ここでは特別に褌も可、全員が思い思いの格好で「点呼!」「いち!」「にぃ」「さん」……「よんじゅ~にっ!」「よんじゅうさん」「よんじゅよん」 で、大歓声。
 テンカウントで炭酸ファイト! まぁ飛ぶわ飛ぶわぶっしゅぶしゅ、大盛り上がりで泡を掛け合い。賑やか嫌い一匹狼の生徒C氏が「秋のマッチは絶対勝ちます!」と宣言したのは格好良かったし嬉しかった。

 ……授業以外の仕事が楽し過ぎると、何か芯がぶれそうで困っちゃうんですけれども、今日は「非日常」ってことで自分を許そう。あ、そうそう炭酸ファイト狂乱のノリでぶっ込んで行った職員有志飲み会で私だいぶお茶目さんだったけれども、「非日常」ってことで許しててへぺろ

 スク水B組大将談:いや、こっそり着たんすよ。そしたら、股っていうか玉のところが擦れて擦れて、とてもじゃないけどやってられない、っていうことに気づいた。
 褌A組大将談:炭酸かけたら分かったけど、褌って脱げるのよりも透けるのがヤバいね。これはセクハラじゃない、犯罪。