ああ 束の間 彼女はツバメになった

 昨夜の飲み会で「圭子の夢は夜ひらく」を歌ったとTwitterで呟いたら、オツカル様から「ひらいて脳漿出たみたいな」って返信が来て、余りの不謹慎に10秒絶句する。落ち着けイケノト、この人は「風立ちぬ」で泣いた人、「風立ちぬ」で泣いた人。

 学校には通常出勤して、月曜日に出題する高2課題テスト(現代文)の問題を作成する。藤田省三「『安楽』への全体主義」より。
 設問は、藤田氏本文の論理を『ドラえもん』の例を用いて説明するというもの。「不快」の経験(超克・我慢・回避)こそ個々人に必要なものなのに、それを失くすべく「不快の源」の一斉除去を願うというのが、藤田氏の批判する「安楽」。例えば、草野球惨敗に怒り狂いバットを振り回すジャイアンは「不快の源」に相当します。
 そこで、怒りにまかせバットを振り回すジャイアンが登場する2作品「ジャイアン台風接近中」と「どくさいスイッチ」を具体例に使用。前者、「怒りエネルギー観測チャート」を用いてジャイアンを「回避」しつつやり過ごそうとするのび太、後者、野球の練習をしてジャイアンの怒りを「超克」することを提案するドラえもん、この2者は藤田流「経験」に相当します。しかし、後者ドラえもんの提案に、「問題はジャイアン」であり「ジャイアン消えろ」という「不快の源」の除去を望むのび太の返事は、そのまま藤田流の「安楽」になるのです。
 導入設問で、ジャイアンを「不快の源」と定義する(漫画の剛田武を説明した4字の表現を藤田本文から抜き出せ)。次いで、「怒りエネルギー観測チャート(回避という経験)」「どくさいスイッチ(不快の源の除去という安楽)」、両者の差を説明する。

 スミス・マガジン編集『Six-Words たった6語の物語』読了、★★★。アメリカで大流行、自分の人生を英単語6語で表す。ベタで下手ですけど、私なら【play with myself of the childhood】となりましょうか。学校英語とは全然違うので、生徒が読んだら混乱するかも。国語科の分際を考慮したら、資料配付を迷うところ。