変わらぬものは 古代文字

 5時起床で部屋風呂入浴、本部になっている部屋で7時に部屋長点呼。最終日、全員疲れ倒してますね。
 ったら、思い出すのは中3の修学旅行。この学年にいきなり担任として放り込まれて全力で右往左往してたあの秋の京都、最終日の朝の旅館廊下絨毯が朝陽の中でキラッキラに輝いてるのが何かとしゃがみこんで見たら粉々に砕けた卵の殻、前日部屋食すき焼きパーチーの二次会が季節外れの節分ってどういうこっちゃねん! と生徒部屋に飛び込んだら真面目っ子ちゃんたちの顔がアバターみたいに(当時すでに公開済みでしたっけ?)青緑に塗られててそういうのは大学のサークル新歓合宿でやれっつーの、とゲンナリした記憶があります。
 で、それも今は昔、腕力で言うことをきかせたことなど一回もないのに、よくもまぁこんなに良い子ちゃんたちになっちゃって。体育「ほんっとに問題のないやつらよね。勉強はせんけど」 国語「6年分の遊びを3年くらいで凝縮してやったんですよ。それに飽きただけ」 体育「そういうもんなん?」 国語「言っときますけど、遊びに飽きたって理由では人は勉強なんてしませんからねっ! スキー旅行が終わったらモードを切り替えるぞ、って切り替わった先が文化祭ってどないなこっちゃねん、と。勉強しろよっ!」 体育「元気やな」

 朝食・点呼・掃除・荷物搬入。バスは、行き同様世界史しりとりでやたら「ラーム・モーハン・ローイ」に拘る国語教員率いるA組一同を乗せて空港へ、流石にお疲れモードのお生徒さんたちは静かなもんで。さて、向かう先の空港がどうなってるのかさっぱり予想もつかない状態で、福岡への飛行機は飛ぶらしいですけど本州は軒並みアウトだということは……案の定、空港全混み、飛ばなくなった飛行機に乗るはずだった人々でロビー待合はバッテラのシャリみたいにぎゅうぎゅうになってます。我々が乗る飛行機が30分ほど遅れるということを確認した後は、各自自由行動解散。
 時は昨秋まで遡り、スキー旅行について初めての説明集会が行われた時。スキー三昧観光無し、という説明を受けた生徒からの一斉ブーイングに体育先生「北海道は帰りの空港で満喫できるっ!」と堂々宣言。その時「んなことあるかっ!」「雪祭り~!」とブーたれてた人たちも、いざスキーを始めたらもっとスキーしたいというモードに変わったというのは既にこの日記で書いた通り。でもって、「そうは言ってもやっぱり北海道観光したかったよね~」「空港に北海道がある、っつってもたかが知れとーよね~」と言い合ってたお生徒さんたちが、空港のレストラン街と土産物街を見た瞬間みんなさんまちゃんモードで「「「「「ホンマや!」」」」」ってなるのが面白い。そだよね、食と買い物だったら、空港から出る必要もなくズラリだもんね。私も昨年末に同じ驚きを感じたものです。

 わーきゃーと買い物に走るお生徒さんたちを置いて、担任団一同は、昨年末に我々が下見で訪れた寿司屋へ(ここを味わうために朝食バイキングはほぼ抜きでした)。下見の時は昼酒かましたこの店ですが、今回は仕事で生徒引率ですから当然アルコールなど口に出来るわけはなくこの海鮮を頬張りながらビール日本酒が飲めないというのは一種拷問じゃないのかと。今時メニューの「ニシン」を見て広瀬香美、じゃない北原ミレイの顔が浮かんでくる30代など居るのだろうかと。そういえば来年高2担任をやる(はずの)数学科同窓同僚先生は生の魚介がアレルギーで食べられないけれども北海道に行く意味があるのだろうか最終日の空港で味噌ラーメンすするっつーのも違うよなぁと。

 飛行機まじ怖い、搭乗時刻が近づくにつれ動悸が。それでも列島荒天空港大混乱の中で右へ左へ動かされるお生徒さんたちを先導しなければ、帰福・解散後の有志慰労会の開始時刻と参加人数を推測しつつ融通の利きそうなK市の行きつけに電話予約するという幹事仕事をこなさなければ、と職業邁進(後者もお仕事なのよこれで)。
 離陸と着陸じゃなくて発射と墜落だろ、と。

 空港解散の生徒と別れ、学校解散の生徒と担任団を乗せた高速バスは夜を往け、夜を往け、学校着は20時。西鉄とJRのK駅を回って生徒を降ろすバスにお付き合いした後、大抵疲れてる引率一行は取りあえず解散、からの有志慰労会で乾杯!
 国語「昼にあの海鮮で飲めなかった分、今飲むぞ今飲むぞと」
 化学「そんなにあの寿司屋でストレスたまっとったと?」
 国語「だって、生徒からのストレスって全然無かったでしょ?」
 体育「そう、それが良かった!」
 国語「だからストレスは寿司屋と飛行機だけ」
 良い夜だ~。