私、ちょっと最後の手段で決めちゃう

 数年前、F校の中学共学化について論じ合うある日の職員会議にて。管理職某氏が「6年間男子校で生活をしたことが、異性関係において深刻なダメージを与えることもあるわけで……」と口を滑らせた時に「いやぁん!」って目立ったのは良い思い出です(しみじみ)。さてさて、高校に中学にと共学化したF校ですから、バレンタインというイベントが(一部で)盛り上がるわけでして。
 バレンタインと言えばキートン増谷くらいしか思いつかない33歳オッサン教員も、貰って嬉しい観てて楽しい、程度にイベントにコミットするわけですね。

 先ずは、高1女子。放課後の職員室チョコレート行脚で、何故だかボールにチョコフォンデュ、バナナを浸して、「あ、これ、美味しい」って。
 教員「家庭科室とかないのに、これ、どこで作るの?」
 女子「化学実験室で~す。私たち化学部に入って、今、お菓子部にしちゃってま~す♪」
 教員「高2、怒らない?」
 女子「味見してもらってま~す♪」
 女子力ってこーゆーのを言うんでしょうか。6年間の男子校生活が異性関係において深刻なダメージを与えてくれたんで(←しつこい)、私には今イチ解りかねるところがありますが。

 次は、高2。中休みに、理系男クラの男たちが5人集まって、全員覆面、首から「アルカイダ」と書いたプレートを下げ、混クラB組に突入、おもちゃの光線銃を撃ちまくりながら「チョコをよこせーーーーーーーーーっ!」とテロ。廊下で男子喝采、多くの女子がフリーズもしくは逃走する中、心優しい某女子が余った義理チョコを渡してあげてました。チョコレートを手に、テロリストたちはニフラムをかけられたバブルスライムのように光の彼方へ消え去っていきます。面白かったのは、放課後に、そのテロリスト5人と喪男軍団が廊下でチョコレートの奪い合いをしてたこと。
 担任「あのテロリストの中に、うちのA組(←堂々の男クラ)のメンバーがおらんかったことが相当意外なんだけど」
 生徒「あ、でも、あれのプロデュースはA組のやつだから」

 続きまして、卒業生女子。事務室から「池ノ都先生宛に、郵送物が届いています」と半笑い連絡。60回生某嬢が、メッセージカード入りのチョコレートを贈ってくださいまして。教室にて。
 担任「いや~、チョコレート、この年になってねぇ、わざわざ郵送してくださる方まで」
 生徒「おまっ、自慢て、ふざけんな!」
 担任「義理チョコなんかもいっぱいもらうやん? もうキロ超えたね、キロ」
 生徒「氏wwwwwwねwwwww」
 「舞姫」授業は2回目なんですけど、豊太郎リア充化への男どもの目が若干厳しいような。

 最後に、高1男子。
 生徒「先生、ホモチョコです、どうぞ」