俺はもっと男をみがくから お前は勉強にはげめ

 ずっと通っていた店に、突然行かなくなる(行けなくなる)ことがありまして。私の場合、きっかけは「ポイントカード式」(by西原理恵子)にたまった怒りがいっぱいになった(決め手になった出来事に特別な意味はない)という女性っぽいものではなく、どんなお店でも1回「あ、駄目だ」と強く思う出来事があったらそれだけで駄目なんですね。
 就職後ず~っとお世話になってた焼き鳥屋「T」に行かなくなったのは、常連の女性が連れてきた友人女性が(マスターを介して)連絡先を寄越してきたこと。連絡なんて絶対にしたくなかったんですけど、常連さんとマスターの顔を立てる必要がありそうな雰囲気になったので、そのまま何となく行かなくなりました。
 暫く私服を買うのに使ってた「J」という店には、ある日、「レシートは結構です」と言ったら、店員さんが「返品交換ができなくなりますが?」とそのレシートを丸めながら言ったのにびっくりして行かなくなりました。今買ったこの商品をどれだけ返品したくなっても、もうこの店には来ない! と思ってしまったのです。
 いつか「もりき」にも行かなくなることがあるかも知れないですね(以前、常連女性が酔っ払って私に頻りに見合いを勧めてきた時には、マスターが一喝してくれましてその辺の機微はバッチリだと思いました)。

 と、この間「もりき」でマスターに言ったら、「職場はそういう訳にはいかんやろうけどね」と言われ。
 私「あのね、職場に関しては結構打たれづよいんよ。授業中に一番前でゲームやってる生徒の機器を取り上げようとしたら逆ギレされて拒否された挙句取り合いになったのを動画でとられてネットに流されるとかされても、それで辞めようとは思わない程度には」
 マ「何それ! そげなことがあったと!?」
 私「割と最近ね。引くでしょ?(満面の笑み)」
 マ「そんなん、親を呼び出すレベルやろうもんね。××(←マスターのご子息)やったらうったくって叱り飛ばすよ」
 私「子どもの喧嘩に親が出たら駄目やんか」
 マ「お前は子どもやなかろうもん」
 私「教員に教師力がないならそれは子どもと同じなの」
 マ「え~、そうか~?」
 私「そ。だから僕は必死で勉強するしかない」

 で、本日はK市内のメキシコ料理店で、56回生Oくんに誘われて酒を飲みながら。
 私「だから、僕は必死で勉強するしかない」
 O「先生が学校に早く行ってる理由ってそれ?」
 私「それもあります。今度きみが就職して、有能な人間だったら9時17時の人になれるんじゃない?」
 O「そんなもん?」
 私「かは知らない。僕は人生で就職活動を1秒もやったことがない。社会の社の字も知らないんだから、会社人の人生についてなんて知るわきゃない」
 O「な~んそれ」
 私「国語の教員ごときから有益な話を聞けるなんて思うなら、それは甘い甘い」
 O「呼ばれて迷惑だ、って言いたいんやろ?」
 私「今日が東大入試の当日で、今頃予備校のホームページに国語の問題がアップされてる頃だなぁ、読みたいなぁ、と思いながら喋ってたり」
 O「もう、ごめんし!」
 私「いえいえ何を仰いますやら。ワインの追加、赤でいい?」