かつて、「若者の活字離れ」と言われた。

 5時入りの職員室で、昨日の特講の添削をしたり授業準備をしたり。SHRをまたもや副担任先生にお任せして、新幹線で小倉、恐らく小倉ではこれで最後になるでしょうが母君の病院に付き添い。
 その前に実家に立ち寄ると、今まで収納の中にこれが全部入ってたんですね驚き、という分量の段ボール箱が堆く。これはデジャブ、先月末にK市の家で執り行った「1500万の財産処分に100万払う」祭りの再来、母君曰くこれら本を全てブックオフに買い取って貰う、とのこと。K市の家を空っぽにした話はそれとなく母君にお伝えしてはおりましたが、小倉の実家でそんなに急に後を追われるとは思いませんでした。K市の本の量から比べたら微々たるものですがが、それでも段ボールで20とか30とかはあるわけですからねぇ。
 中身は全て漫画とミステリ。私、高校を卒業するまでは漫画とミステリと教科書以外に(殆ど)本は読みませんでした(もう一つ、水木しげるの本に関してだけは活字のものも読みました)。今は一部の生徒が「ライトノベルしか読まない!」と大人から苦言、20年前はそれがミステリだったんですね(漫画については、20年前も今もあまり変わらないでしょうか)。私はF中・F高時代、寮の部屋に数百冊の漫画を並べて、同級生の間で漫画図書館みたいな感じで開放してました(やってることが今とあまり変わりませんね)。ミステリ以外の活字の本を読み始めたのは全て大学に入ってからです。
 それら小中高と買い集めた(殆ど古本ですが)本を、遂に処分するわけですね。病院から帰ってきて昼過ぎに、業者の人2人が来るそうです。

 DNA検査の結果、分子標的薬が効くことが判明しました、と。これから、小脳の治療と抗がん剤治療とについての決定をしなくてはなりません。母君には事前にお含み置きいただいた上で、主治医の先生に正式にお願いして、K市の大学病院に紹介状を書いていただきました。

 「家の中がガラン、とするような気がする」「K市の家ほどじゃない、ここには家具があります」なんてやりとりをしながら、捨て値で引き取って貰う本が次々に段ボールから専用のケースに分類されていく様を眺める。K市での「お祭り」の時は業者さんに鍵を預けて作業の様子は一切見ていないので、プロの手際の良さを間近に見て感心しきりの私です。そうそう、あんな本持ってた、あぁこんな本も、なんて昔を思い出しながら。売られていった先では、あのガリガリガリガリいう機械で本の上下(の焼け)を削られるんでしょうね、不憫です。ドナドナです。
 二束三文とはこのこと、という買い取り料金を頂く(私が買った本なので私の財布に入れなければならないそうです)。今日のK市と小倉の往復料金程度でした。

 紹介状を持ってK市大学病院最初の受診は早速の連休明け、25日(火)と決まっています。今度はご面倒ですが母君の方が小倉からK市へやってこられるのですね。

 F高に戻ったのは15時半、16時から文系東大現代文特講。2004年(伊藤徹)の問題は難。こういう言い方をしては悪いですが、恐らくお生徒さんたちの答案は全然出来てないだろうから、夜明けの添削がちょっと大変かも知れません。