少年少女戦国無双 浮世の随に

 朝イチで学校自習をしていた「日常性の維持」担当某氏と廊下ですれ違ったら、ホクホクの顔で9割2分あった、と。東大志望夏模試全判定E(秋模試で少し「だけ」上昇)、力業の継続学習で少しずつ少しずつ成績を上げて、1月センターと2月二次「だけ」成功して通るぞ、と約束していた某氏は、本当にこれまで一回も模試の成功体験が無かったのですが。
 私「ね~、僕が言った通り、センター『だけ』成功でしょ? ちゃんと勉強したら追いつくの」
 某「ほんとやね~、いや~、自分でも信じられん」
 私「そら信じられんやろこれまで成功体験ゼロだもん。言っとくけど、二次の勉強始まったらまた失敗『しか』しないからね、本番まで」
 某「だいじょうぶ~、今日のこれで耐えられる~、あははは」
 いや~、これでこいつがセンター失敗してたら何て声かけようかと内心ドキドキしてました。悪いけど成功確信とかしてませんでしたからね、教員生活初担任だ過去にサンプルが無い。
 ただ、これでこの某に通る目が出てきたのは確か。僥倖僥倖

 センター自己採点、という日本全国巻き込んだイベント(データが即座に予備校に送られて、志望校の判定資料が作られるのです)にも大量遅刻が出る(遅刻八部衆!)のがA組クオリティ、何考えてんだ全員落ちやがれ、と思いながら何人もの生徒や保護者に電話。
 全員一斉に同じ手順で行う作業ですので、遅れて来た生徒諸氏は別室で作業です。ここで別室に送られる人は、大体が浪人します(例外が無いとはいいませんけど、大体そうなんです、ごめんね)。

 上記遅刻組、大体が浪人だと言いながら、それでも遅刻してでも来たら褒めます。点数如何に関わらず、ここで来ることすら出来ない人は本当にアウトですから。大学入試は一浪までなら許されると思っています(医学部は二浪以上もやむなしかも知れませんが、文系担任の立場としては)。
 同じ遅刻でもこちらはやむを得ない、昨日救急搬送で本日退院の生徒氏は、案の定、自己採点の結果が志望にふさわしい素晴らしいもので、天晴。
 で、悲喜こもごも、の採点ですから、大失敗の屈辱採点の生徒も居る。そういう人にメールで「二次で逆転、できますよ」という激励を送り、「頑張ります!」の返信はあるんですけれども多分落ち込み具合は半端じゃないはず。ここからの精神戦も大変です。

 午前中いっぱいかけて作業を終わらせ、明日からの二次対策授業(110分3コマで、二次試験に必要な講義「だけ」を受講)に備えて気持ちを切り替える午後。
 私は、明日は一日授業無しで(夕方の東大理系漢文特講はあり)、朝から母君の病院検査に付き添いです。

 夜は、Hさんちにお呼ばれしてカニ鍋パーティー。食事はHさん、お酒(ビールと日本酒と)は私が担当です。18時から19時までハフハフと鍋をつついて(カニは人を無口にさせます)、後は軽いおつまみで日本酒でも……というところで、Hさんの携帯を鳴らした「もりき」マスターが「TEEN! TEEN!」のことをバラしくさりやがった。
 即座に逃げだそうとしても許して貰えず、Hさんが大笑いしながら番組を観ている横で、私はCMの時以外ずっと体を丸めて耳を塞いでいたのでした(ですので、本当に番組を観ていません)。