はかないいのちと しった日に

 佐賀大後期添削を中心に、徐々に「添削堂」にお客様が。後期は全て小論文になりますので、一人あたりの添削が大変です(1時間単位で添削、B4プリント1枚に注意点をまとめて書き、それを読みながら面談)。腕まくり。

 高1の生徒10人程度がお手伝いで参加して下さり、3週間ぶりにA組教室大掃除。途中にA組生徒某が入室してくる。
 某「あれ、後ろのゴミ箱の横にあった、荷物入れの段ボールは?」
 A「あれもゴミ箱だよ?」
 某「嘘っ!? 俺の靴!」
 A「あ~、じゃあ、前回の掃除で儚いことになったかも~。靴だけに」
 の発言の最後、半分口の中に飲み込んだ「靴だけに」に高1生徒が総食いつき。「今の掛詞ですよねっ!」「巧っ!」「マジイケメン!」と久々の生き恥。あ、靴は捨てるに忍びなく職員室に取ってありました。

 卒業生飲み・担任団飲み、上京3泊で2.5キロ太りました(半年ぶりに69キロを超えました)。3月2日までに戻さないと、1月に買った卒業式用の礼服が巧く着られなくなってたら困ります。ということで取りあえず昨日は朝昼抜き、夜は「もりき」で刺身と豆腐(勿論ビールと日本酒)、という流れで1キロ減。本日もその方向で行こう! と思ったら、数学科同窓同僚先生に焼き鳥屋に連行される。極力串を食わずに、ビールばっかりガンガン呷って帰りました。あ、ホテルにじゃなくて、学校に届いた荷物の中の鍵を使って、自宅にです。久々の煎餅布団。

 出張中の読了本、8冊。
 林純次『残念な教員 学校教育の失敗学』読了、★★★。著者は素晴らしい教員なのだと思いますが、敬して遠ざけておきたいタイプ。この本に対しては上から目線だとかエビデンスが少ないとか種々批判があるでしょうが、私に取ってはそれは別にどうでも良い。私が苦手だなぁと思うのは本の中の怒りや挑発やが全てパフォーマンスであるところ(職員室内で後輩を怒鳴り上げたエピソードが象徴するように、生徒や後輩教師をそのようにして育てておられるのでしょう)。こんなに激しい文体は怒りによっては書かれない(少なくとも、書き手が賢い人間ならば)。本当に怒っている人の文体は、決して激せず穏やかで淡々としたものになることは周知の通りです。筆者は多分、教育の荒廃や残念な教員に対して本当は怒りを感じていない。その中で自分がどう振る舞うことが得かを冷静に判断しておられるのではないか、と。
 福田恆存『人間の生き方、ものの考え方 学生たちへの特別講義』読了、★★★★★。こちらの講演・講義録の中に出てくる恐ろしく冷静な指摘、ここに感じる筆者(講演者)の怒りの方が、私には本物に思えるのです。
 御厨貴安倍政権は本当に強いのか』読了、★★★★★。講談調で一気読み、戦後自民党を概観する本がエラいこと面白かった。冒頭の野中広務のエピソード一発で惹かれます。政治とは人間関係、これに尽きますね。テレビ新聞を排した生活をしている関係で、この総理大臣の言葉が私の耳に入って来ることは皆無ですが、信頼の置ける数学科のある先生が「この人は長い本を一冊読み通す力がないはず」と仰有ったのが妙に印象に残っています。
 小松和彦『妖怪 YOKAI ジャパノロジー・コレクション』読了、★★★。今イチ。
 NPO法人わたくし、つまりNobody編『幸福に死ぬための哲学 池田晶子の言葉』読了、★★★。池田晶子の名前を遺すための出版。原典を読もうかな、という編集になっているかいないかギリギリの所ですね。
 室山まゆみどろろんぱっ!(1・2)』読了、★★★★。懐かしい復刊。どうせなら、『あさりvs.どろろんぱっ!』も復刊して欲しい。
 KANA『女の友情と筋肉(1)』読了、★★★★★。期待せずに読んだらもの凄く面白かった。4コマ漫画の世界って、才能が無尽蔵なんですねぇ。