渋谷駅 甘栗って名物と?

 日付が変わる前後から始まった徹マンwith56回生3人(Nくん・Kくん・Yくん)@池袋西口。前半3時間は住商Kくんと有名進学校の教師(私)がどん沈みで「「帰りたい~」」コールを連発しまくってたんですけど、何半荘目かに私が70000点超で+100くらいの大勝ちをかまして一気にマイナスを帳消し(何が起こったんでしょね)、結局夜明けの時点でマイナスを被っていたのは住商だけになってしまってました。
 NECは学位授与式、住商は普通に仕事、という日の6時まで麻雀打ってるってね、本当に教育に悪い教員だと思いますごめんね。あと、住商には二次会の飲食費と雀荘の場代とを全て出させ……出していただきましたありゃす。

 後、これは私だけの話でどーでもいいんですけれども、NECとの話で、SEの「システム」という語の概念が相当に抽象的(というか何でもアリ)なのだと教わりました。全然知らんかった。どれくらい知らなかったかというと、美輪明宏ヨイトマケの歌」の歌詞に出てくる「エンジニア」という言葉の使われ方がその語のイメージを規定していたくらいです、と説明しようとして「美輪明宏っているでしょ」と言ったら何故かNECの笑いが止まらなくなって説明できなかったのでここに書いときます(と言って、NECは「ヨイトマケ」の歌詞を知らないでしょうが)。

 副流煙に塗れた小汚さに申し訳なさを感じつつ山手線一駅でホテルに着けてよかった、とベッドに倒れこみ、二時間くらい頑張ったけれども全然眠れそうになかったので、諦めてシャワーを浴びる。朝まで着てた服は鞄に押し込んで、引き続き身に纏うジーンズとジャケットとにはびしょ濡れになるほど消臭剤を吹きつけまくる。
 ホテルの部屋で軽く読書……で二村ヒトシ・岡田育・金田淳子『オトコのカラダはキモチいい』を一気読み。第2章の「雄っぱい」という単語から笑いの秘孔をつかれ(二村「ここ五反田は男アナルだけではなく男乳首の聖地とも言われていまして」)、最後にゲイ男性がBLに目覚める瞬間(岡田・金田「生まれたーーーーー!!」)まで捨て所なし。向こう三年くらいは、「五反田」という言葉を聞くだけで笑えるようになりますね。

 11時の開店と同時に大塚駅徒歩2分のところにある「北大塚ラーメン」で醤油味(開店前5分ほどに訪れたら数人の行列、一応一巡目で入店できました)。その後、池袋に移動して、先ずは東急ハンズ内の時計修理の店でチェーンの壊れた腕時計を修理してもらい(10分もかからず、値段も500円でした)、お気に入りのネカフェで昨日の日記を更新(昨日の分量で15分くらい、メタ的な書き方ですが今日のこのエントリを書くのはちょっとした事情もあって20分以上かかりました)。

 どんだけ好きなんだオツカル様とのデートは今日と明日との二日連続。本当は明日だけの予定だったのですが、一緒に行こうとしていた「マグリット展」が明日が休館で観に行けないということで、今日一緒に行こうぜ、となった次第。私は旅行ならでは、オツカル様は無職ならではの余裕です。乃木坂駅で待ち合わせし、国立新美術館にイン。オツカル様は「文化的なものにあまり興味がないのにマグリットは好き」らしい。好きな画家というのがいる時点で十分文化的だと思いますけどね(私の好きな画家……水木しげる以外には全く思いつきません)。
 「この絵(『陵辱』という題)は阿刀田高がエッセイで子供の頃に観た絵の中で一番エロティックだったと書いてた」とオツカル様が説明してくださったのが象徴的なのですが、たぶんこの画家(←本当によく知らない)の世界を浴びてエロティックだとかユーモラスだという風に感じる人は多いんだろうな、とは思うのですが、私の心身はここにあるエロやユーモアにはイマイチ反応しない。代わりにビンビンに反応するのは不気味さ気持ち悪さですよ。これは私の好きな(同期できる)気持ち悪さ。『狂気について瞑想する人物』と題された絵など、釘付けになるほど不気味な作品がいくつか(この絵、ポストカードがあったら絶対買ったのに)。美術展なのに「静寂ではない」という状態だったのは、もちろん鑑賞者の多さもありましょうがどちらかと言えば声漏れをもたらす作品のせいだと言えるのではないか、と。
 一時間以上ぶらぶらと鑑賞した最後の作品は「これはパイプではない」(『イメージの裏切り』)、グッズ売り場はガンガンにパイプ推しでした。ポストカードを6枚購入。

 私「田舎者だから許してほしい質問なんだけど」
 オ「何?」
 私「もしかして、この近くに六本木ヒルズってある?」
 オ「(軽蔑の目)……見に行く? 東京ミッドタウンもあるけど」
 私「東京ミッドタウン……って知らない。ヒルズ周辺一帯の名称とか?」
 オ「別物。両方、行こう」
 観光は昨日の荏原中延だけだと思ってたのですが、成り行きで六本木ヒルズ東京ミッドタウンと徒歩で回ることに。ですけれども歩いている途中の会話はものまね芸人のあれこれについてだし、六本木ヒルズも10分くらい歩いたけど全然面白くない(というより、我々が場に求められていない)し。ただの散歩だと割り切って東京ミッドタウンへ移動、する途中のオツカル様から「俯瞰」という言葉の定義を完璧に示す表現を聞いたので感動のメモ。

 ふかん【俯瞰】……友人の結婚披露宴で「世界にひとつだけの花」を参加者全員でマイクを回しながら一節ずつ歌い継いでいった間の自分の心的状態。

 分かるわ。でもって昨日の「ものまねキャラバン」で出演者全員で最初と最後にそれやってたわ。ものまね抜きで、最初が「世界にひとつだけの花」で最後が「負けないで」だったわ。イベントの副題が「今ものまね芸人にできること」でそんなもん一つしかないやろ、と思ってたら一つじゃなかったわ。そしてあの時私も間違いなく「俯瞰」してたわ。

 六本木ヒルズにはロゼカーペットに彩られた「モエ・エ・シャンドン」限定のバースペースが、そして東京ミッドタウンには花見(ガーデンスペースの桜並木は見事の一言)の為にザ・リッツ・カールトン東京が主催するマルティーニ専用の屋外ラウンジがそれぞれ設けられており、私もオツカル様も唖然とする。金持ちこじらせたらこんなんなるんか要は昼酒やないか。オツカル様曰く「階級がどこの街ともグラデーションを描いてない」と、成程それが非日常異空間の定義なんでしょうけれどもここを拠点に生きている人間だって実在する訳なんですしね。
 何の影響か、あらゆる現象の単位をデザインの観点から捉えなおすというイベント(らしい)「単位展」なるものにふらっと入ってしまい、私もオツカル様も確実にお洒落こじらせてしまってる(展示自体は面白かったです)。

 さて、東京ミッドタウンから渋谷まで。
 私「歩いて行くと遠いの?」
 と私が聞くと、オツカル様ポッケからスマートフォンを取り出し。
 私「!! まさか、必殺のあれが出るの?」
 体温が期待で2度ほど上昇した私に見せ付けるように、オツカル様スマートフォンをどらげない角度でお持ちになり。
 オ「東京ミッドタウンから、渋谷まで、徒歩で」
 私「かかかかかかカッコいいっっっっっ! スマホってそんなことまでできるのっ!? 近未来っ!」
 オ「39分で行ける」

 50分歩きましたけど、何とか渋谷まで到着。次の待ち合わせまで30分あったので、ハチ公口近くのチョコレートショップでコーヒーを飲みながら明日の予定を立てる。明日は昼からデート、待ち合わせは根津のうどんから始まることに。その後はカラオケ!(私は結局レパートリーを増やせなかったですが、オツカル様は2015年の歌が結構準備された状態らしい、流石!)

 ハチ公口前で今日の待ち合わせ卒業生2人と会い、そこでオツカル様とは別れる。
 卒「ねぇ先生、もしかしてさっきの人、先生が時々言ってた面白い人?」
 私「そうですよ、今日と明日とデートで」
 卒「あれがそうか! うわ~、凄ぇ!」
 って、全然F校に関係ないオツカル様が、私がA組でよくネタにしてたという理由でA組の一部でちょっと知られているという事実が面白いですね。というわけで、本日夜の約束は、こないだF高を卒業して4月から東大生になる63回生文系男子2人。待ち合わせたら二人とも分かるか分からないかくらいの色に髪を染めてました。早いな、ってか薄いな。気づいて欲しそうだったからこっちからはいじりませんでしたけれども。

 今回の旅行5泊で事前に店を予約してたのは今日だけです。Aくん「お肉!」 Bくん「洒落乙な和食!」 というリクエストにお応えして、渋谷「かつ吉」で6000円のコース料理を。昨年末のTQC飲み会で3月に控えた受験の験担ぎに選んで、見事に霊験のあった有難いお店です。こないだ学校でちょっとしたアルバイト(雑務の手伝い)をしてくれた御礼、という形でご馳走。あ、勿論未成年の二人はお酒NG。Aくんはコーラで、Bくんは黒烏龍茶。後者はともかく刺身やとんかつを前者(コーラ)で食べるという文化はたぶん二人とも(体質がアルコール摂取を許すなら)もうじき体から蒸発してしまうでしょうから、今はそれを大切にして忘れないようにしたら良いと思います。
 あ、勿論私はお酒を飲みながらです。大瓶2本と日本酒3合、だからそんなに激烈に飲んだって程ではないかな(流石に大学0年生の前だし)。今日から一人暮らし開始という二人(Bくんは既にして「福岡に帰りたい」を連発してて相変わらず泣き言ぐずりキャラを発揮しまくってたな)に、こないだ卒業したF校の(内緒の)話とかをちょこちょこ。
 初東京で緊張するなって方が無理だし色々疲れてるだろうから、一応二軒目までは案内して(二軒目は、ソフトドリンク「も」飲ませてくれる、一軒目よりも更にちょっと大人なスポットでした)、22時前には井の頭線に乗せました。たぶん、二人の感想は「よく分からない体験だった」というものだろうと推察します。

    あ、3月10日の日記に書いた大学生べからず集、言い落としが一項目ありました。⑥留年するな。

    大塚ホテルに戻って健康睡眠……ああ、早く解散したのは私が眠たかったからかも知れませんね。そう言えば徹夜明けでした。