寂しさの分だけ 愚かさをください

 一昨日予定されていたお見合いが先方のご都合で流れてしまい、またも春が指のすき間からすり抜けていきました。就職して11年間、4度のナンパは全て男からだった私に、本当の春はいつ訪れるのでしょうか。こないだ、同じく男にモテるという卒業生と会話。
 卒「男のナンパってさ、触らん?」
 私「るよ。っつか、握るよね」
 卒「あれって興味の無い人にとってはどうなんだろ」
 私「痴漢です」

 さて、99年から始めて足かけ17年も続けているこの日記、毎日のタイトルの由来は何なの? と聞かれることがあります(その度に、「そんな日記の存在は知りません」とお答えしています)。若い人(が読んでるのかどうかは知りませんが)には分からないネタが多いのは確かですね。歌詞や本のフレーズの引用です。例えば。
 5日は中島みゆき(トーキョー迷子)、4日と3日はサザンオールスターズアロエ)、2日はチェリッシュ(あなたのとなりに)、1日は映画のキャッチコピー(愛して飲んで歌って)、31日は映画のタイトル(是枝裕和)、30日はたんこぶちん(闘うばい!)、29日は本のフレーズ(オトコのカラダはキモチいい)、28日は倉橋ヨエコ(依存症)……。
 覚えてるもんなの? と聞かれるのですが、その日の日記の内容にふさわしいフレーズは何だろうと考えた時にパッと頭に浮かぶ程度には好きな言葉なのですから覚えているに決まっています。漢字表記かひらがな表記かを確認するために検索をすることはありますが、知らないフレーズは使っていません。
 好きな歌手の歌詞って、覚えませんか? もしかして、今は覚えないのかも知れませんね。ミレニアム頃のユーミンのアルバム『acasia』の中の1曲が「哀しみを下さい」なのか「哀しみをください」なのか(CDケースと歌詞カードとで表記が違っていました)が大問題だと(当時)思った程度には歌詞に思い入れがあるので、私は結構覚えています。今はだいぶ蒸発していますが、ユーミン中島みゆきとの歌詞なら、高校時代はほぼ全ての曲の(最低でも)1番は覚えていました。授業中の内職で、ルーズリーフにお二人の歌詞を書いてましたもん。みゆきさんの「月の赤ん坊」なんて、何回書いたか分からない程です。

 だから大学に合格したのだ、という話をします。授業中に内職したからではなくて、歌詞を覚えてたからですよ(念のため)。
 東大入試99年、初日の1時間目は国語。とある事情(省略)で開始前テンパりまくっていた私が、開始5分後には冷静になれたのは中島みゆきさんの霊験。受験者のほとんどがそうだと思うのですが、私は漢文(当時は文系漢文は2題ありました)から解き始めました。最初に解いた文系用漢文は、賄賂を貰った船の船頭がメッチャ勢いよく舟を漕いだよ、という話だったのですが。
 問一「人馬之衆寡幾相類」という傍線部を説明する問題。2つの舟に乗っている人と馬との数の多少はほとんど同じだったよ、ということを説明するその解答の冒頭、即ちその年の東大入試の解答用紙に(受験番号等以外で)初めて書き込んだ言葉が「二隻の舟(にそうのふね)」だったんですね。名盤『EAST ASIA』に入っている、ファン必泣の曲のタイトルです。この遊びで、何となく行けるかな、という気がしたのを覚えています。今でも、漢文二次の授業でこの文章を扱う時は、解答例に「二隻の舟」の語を入れてますもんね。

 昔から、答案や作文に好きな言葉を(割と強引に)入れる、というのが好きでした、という話をします。
 今年度、私は高3(64回生)の学年団に入って(副担任)高3の現代文を担当するのですが(後、中3の漢文も担当します)、新しく学年団に入るということで学年通信にご挨拶の文章を書けという命令が学年主任の先生から。で、その時ちょうど友人であるオツカル様のことを考えていて、彼の名言「ネギじゃなかったらワンチャンあるでしょ!」というのを頭に思い浮かべていたので、「ワンチャン」という言葉をどこかに使おう、と決めて書き始めた次第。「字数はどれだけでも良いです、短くても、原稿用紙3枚くらいでも」という言葉で1200字が上限だということが分かったので、だいたい1200字弱になるように、こないだまで4年間担当していた63回生に触れながら書きたいことを書き散らかし。
 完成稿を横で見た同僚と。
 同「相変わらずふざけてますね」
 私「63回生、怒りますかね?」
 同「もしかして、64回生が怒らないという前提で喋ってます?」
 原稿をお送りした後、学年主任の先生に「問題があったら削除でもボツでも」と申し上げたら、「先生の文章なら問題があっても載せます」と言われました。ぎゃふん。

 さて、本日はお昼から職員会議……が大変な白熱(←糖衣錠かというレベルで包んでます)。新しくお出でになった先生方3人は初会議だったんですけれども、流石進学校こうまで真剣に、と思われたのではないでしょうか(若干引いたかも)。私はとりあえず、笑わせようと思って(何と挙手をせずに!)喋った発言がちゃんとウケたので満足です(何を目的に生きとんねん、っつー話ですが)。
 その後は、職員室の大掃除と机移動(新しい学年団ごとにまとまるのですね)。これが結構大変。

 夜は、仲良しの職員4人と、新しくお出でになった体育の先生との飲み会! 年の順で、体育・国語・数学・体育・体育。数学も体育会系なんで、文化系は私だけ。楽しい夜でした。

 でもって、今日の日記のタイトルの由来は、言わずもがなですね。