ああ風流だなんて ひとつ俳句でもひねって

 Amazonは好きじゃないけれども、すぐに欲しい(定期的な上京旅行を待てない)絶版本が一両日中に手に入るという意味で便利だということは分かります。便利は価値です。こないだは谷沢永一『紙つぶて』の文春文庫版を注文しました。
 でも。
 黄金週間上京のオツカル様とのカラオケで何を歌おうかなぁ→アニソンなら80年代『悪魔くん』のOPとか歌ったことあったかなぁ→そういえば結構前にDVD-BOXが出てたけどまだ売ってるのかなぁ→あぁまだ売ってるんだAmazonなら結構安くなるんだねえまぁ流石に買わないけど……って思ってる間に右手が勝手にレジから発送手続きからクリッククリックしてやがんだよ明日届くよだからAmazonって好きじゃないんだ。

 授業は6限だけ。今日は文系Ⅱコース(東京大学志望「ではない」生徒)に二次対策授業。二次対策は初めてで、今日の教材は高樹のぶ子『熱い手紙』(92年の東大です)。「身分け」「言分け」を紹介するのにちょうど良い教材ですし、三つの設問が現代文の出題方法三種(どういうことか、なぜか、どういう気持ちか)に対応しているので形式的な導入としてもピッタリ。
 但し、東大の過去問ですからいきなりやって解けるもんじゃあない。でもってだからっていきなりやらせない理由にはならないので(戸塚ヨットスクール!)、授業冒頭から解かせて解説。死屍累々……とまで言ったら失礼ですけれども放課後の添削の結果は15点満点の平均で4.4。まぁ、こんなもんですね。
 採点の途中で抱いた答案の印象について、学年主任の先生に「この学年の生徒たちって……って感じですか?」と伺ったら「そうですね。僕の担当する英語でも全く同じです」とのお返事。初対面でも答案は嘘をつかないですね。「……って感じ」を矯正すべく、授業添削に邁進します。

 担任業務が無くなったら身体が楽になったでしょ、と当のA組卒業生からメールで言われ。まぁ確かにそうなんですけれどもね、進路主任の仕事がそろそろ始まる。既に届いている(締切より遙かに早い)「合格体験記」原稿を校正してみると、検閲はしない主義でも、誤字や文法ミスを改めたり、一人一人違う表記を一定の形式に統一したり、と結構大変なんです。東大合格者の点数開示が今週中にはあるはずなので、それが終わったらそろそろ本格的に原稿が届き出すんじゃないでしょうか。

 さらに、久しぶりにクイズ研究会顧問の仕事も。高3部長氏から春に発行する部誌に(顧問としての)小文と(クイズ経験者としての)問題とを請われ、おそらくそれを読む部員の誰も知らないであろう「東大風」クイズ(ミレニアム前後に言葉だけが一人歩きをした概念未満のフレーズ)について書く。問題は「TQC作」という形で『問答会』『全人代』から60問を。
 改めて読んで面白い(だって、印刷を頼んだF校御用達の印刷所の担当者が「面白かったから下さい」って言ったんですよ?)、ということをtwitterで呟いたのがきっかけのやりとりにて、ついついクイズについて@つきで呟いてしまったりする(資格も無いのに!)。

 私個人の感覚としては、18期あたりがやってたクイズって「偶然にも問答形式になっていた居酒屋トーク」の集合ですからね。それが証拠に例会よりも一人で作問する時間よりもみんなで集まって飲んだり駄弁ったりしてる時間の方が長かったし、何より我々の間で流通してた言葉に「居酒屋まで」ってのがありましてこれが「居酒屋で話すぶんにはめちゃめちゃ面白い(或いは話した時にはめちゃめちゃ面白かった)けれども残念ながら問の形式に収まりづらい」という意味だったんですから。
 割と多くの問題が個人作というよりも共同作業で作り上げられた感じ。車座になってやった連歌を読み返したら、その中に単独で取り出したときに謎かけ形式にも見える句があった、みたいな。書きながら面白くなってきた、クイズ=連歌説。「今宵は日本海にて一献傾けつゝクイズなぞ巻きませう」「さうしませう」
 部誌の小文、書き直したろかな。

 って、そんな阿呆なことを考えてる場合じゃない、ついに明日は中3漢文(科目名は「国語Ⅲ」)の初授業ですよ。色々理由はありますけれども、とにかく緊張が全くおさまらずどうしようもない。嗚呼、今夜は眠れない。