はよ断りば言うて来んしゃい

 5時過ぎに学校入り、進路指導室で合格体験記を送って下さった卒業生(62回生・63回生)に御礼のメール。〆切の日付までに送って下さったのが半数ちょっとで例年並み、黄金週間でじっくり書き上げて下さる方々が多いのかな。遅れ&字数超過は大丈夫ですか? という幾つかのメールには、字数も〆切も超過オッケー、前者青天井、後者は黄金週間の少し後までが有り難いです、とお返事。

 授業は3限のみで、高3の200人全員を集めて、「男く祭」についての作文。祭のあと(始末)ですね、文字化(客観化)を経て区切りをつけるということ。
 朝の担任団連絡会で「3限に合同講義室集合」をお願いしたら、机上を生徒に掃除させる必要がある、と言われ「?」となる。昨日は市民会館終演後に高3全員が学校に戻り大掃除、その後合同講義室で集会(パーティ?)を行ったんですね。実行委員や生徒指導部教員が話をした後、全員でジュースの乾杯。で、そこに担任団がお金を出し合って(私も出しました)500mlの炭酸ペットボトルを供出したんです。でもって、そのジュースのシミが机の上にいっぱいついているはず、と。
 1限・2限をかけて全ての机を拭き上げました。本来合同講義室は飲食物持ち込み禁止、でもってそこにジュースを持ち込ませたのは金を出した教員なのですから、そこを教員でなく生徒に掃除させる、という発想は私には。

 で、3限の作文ですけれども、流石64回生の皆々様は大人でいらっしゃる、監督不要レベルの静寂集中。〆切は黄金週間後ですが、区切り・切り替えの意味でも今日書き上げるのがベストでしょうね。読むのが楽しみです。

 本日は4限授業で、4限終了後に高3の学年集会。黄金週間明けから始まる特講の説明などを行い、文化祭モードを受験モードに完全に切り替えるための集会ですね。
 で、私はK市のソウルフード(らしいよ)大砲ラーメンでラーメンを食べるため「だけ」にK市に来るという63回生Eくん(帰省中の東大1年生)にラーメンを奢るために、集会の始まりだけ見て学校を出る。

 ラーメン屋の前でEくんと会ったら、もんの凄いニヤニヤした顔で「せんせ~、何先越されてるんすか~」と言われ、「?」となる(本日2度目)。「メッチャ高3のtwitterで出回ってますよ~」と言われ、記憶の中から高3担任団数学、私とF中・F高の同級生で職場も同じ、という同窓同僚先生が今日の集会で結婚報告をするとか言ってたな、というのを思い出す。「まさか体育ちゃんと結婚とはね~」と、Eくんは何にそんなに興奮しているのか。
 と言うわけで、F校初の職場(職員室)内結婚、数学と体育の若手2人、おめでと~(ちぱちぱ)。私はもう半年以上前に本人たちから聞いてて、薄々は気づいてたんでそんなには驚かなかったんですけれども、流石に生徒は全く知らなかっただろうから(それが証拠に昨日の「男く祭」ムービーの中で独身であることをイジられてましたから)、相当驚いたでしょうね。切り替えの為の集会だとか何とか言っときながら特講から夏の予定から集会の内容を全部吹き飛ばしやがったな、と。まぁ、文化祭疲れでトロトロになってたお生徒さんたちの目は完全に覚醒したでしょうけど。

 E「先生が言ってた、博多には『ばり』って方言があって『今日は寒いばり』みたいに使うって嘘、みんなホントに信じるわ~。まだ訂正してないもん」
 私「でしょ? じゃあ、訂正する時にはついでにも一つ嘘ついて、本当は『とても』っていう意味の副詞で、語源は英語の『very』って言っとこうか」
 E「まじか。それ、絶対みんな信じるわ」
 私「で、それを訂正する時は、今ヨーロッパでラーメンが大流行してて、あ、これは本当ね、一風堂とかの店が通りに乱立してるんだけど、そこで『バリカタ』を注文する現地の人は勘違いしてみんな『very-kata』と言う、って言っとこうね」
 若い子につき合って、久しぶりにラーメンの替え玉とかしてしまいました。というか、「大砲ラーメン」自体が何年ぶりだろうというレベル。私、ここの麺って時々アンモニア臭がするような気がしてどうも敬遠してしまうんです(誰かにつき合わなきゃ食べることなんてないよなぁ、と思って今日の来店。でもって、今日は変な臭いはしませんでした)。Eくんはチャーシュー麺の替え玉2回(流石!)で、全部「very-kata」だったんだけど、一口貰ったら完全に「熱めの生」でした。これの何がいいんだろ。でもって、二人でラーメン食ってる間にも下校中のF校生が続々来店して、その人気っぷりを改めて知る。更に更に、会計時の1500円という安さに驚愕。そら、ソウルフードにもなるわ。

 大砲ラーメンからF校まで歩く道は、生徒が下校する道。すれ違う高3カップルを見ては、「あれは○○ちゃんと××」「あれは男が△△だから、女子は□□ちゃん」と組合せを同定していく1こ上の東大生。
 私「で、きみは彼女は出来たの?(←こういうのを聞くのは本当に苦手なんですけど)」
 E「全然。ウチのクラス文Ⅲフラ語で『当たり』って言われてて(←多分、女子が可愛いという意味)、でも大体女子に既に他校の彼氏が居る。俺と最寄り駅が同じ娘なんて、9歳上の彼氏がおるんよ?」
 私「それ、彼氏じゃなくてパパなんじゃないの?」
 E「違う違う、彼氏」
 9歳差って何だよ、って思ったけど、ちょっと考えたら前述の数学・体育も7歳だか8歳だか違うんだっけ。普通か。
 私「大学で勉強は?」
 E「野矢茂樹の授業が面白い。あ、それで、高校の時に先生が言ってた『九州の田舎者が都会に出たらはっちゃけて留年』って本当かも、と思うことがあって」
 私「ほう」
 E「その授業100人以上が出てるんだけど、茶髪なのが5人くらいしかおらんで」
 私「ほうほう」
 E「その内3人がF校出身だった」
 こいつ賢いな、とちょっと感心する。
 私「この後、お爺ちゃん家に行く、って言ってたけど、茶髪見たらお爺ちゃんお婆ちゃんが驚愕したりして」
 E「そうなんよ、黒に染め直した方が良かったかなぁ。でも、美容室でお金払って染めたし……」
 私「お婆ちゃん、泣くね。『こんなの××(←名前)じゃない! ××じゃない! 東京なんかに行かせるんじゃなかった~っ! おひょーっ! おひょーっ!』って」
 E「ええええっ!」
 私「でもって『違う、××が悪いんじゃない、私の目が、私の目が悪いのよおっ!』って、目をぐさーっ! お爺ちゃんが『よしえ~っ! よしえ~っ!』って」
 E「そんな名前じゃねぇ」
 でも、職員室で出会ったベテラン体育先生(高1時担任)からは「うわっ、チャラっ!」と言われるし、世界史先生(高3時副担任)からは「俺の兄貴は大学で髪を染めて親に数年間勘当された」と脅されるし……って世界史先生の家厳しいな。

 結婚発表の体育先生は専門がダブルダッチ、その世界では大層有名な方だそうで(世界レベル)、彼女が赴任してから「男く祭」の舞台パフォーマンスにダブルダッチが取り入れられたんです(今年で2回目)。でもって、Eくんはその第1回目である去年の舞台でダブルダッチを披露、体育先生からみっちり教わっているのですね。「体育ちゃ~ん、おめでと~」とか馴れ馴れしく呼んでますけれども……。
 私「結局、D-actだっけ? ダブルダッチのサークルに入るの?」
 E「今のところ入ろうかなぁ、と。で、体育ちゃん、そのサークルの人たちから神様扱いされててビビった」
 私「あ、やっぱり世界レベルの人だから有名人なんだ」
 E「俺がちゃん付けして呼んだら先輩に怒られたもん」
 私「体育さんだろがっ!」
 E「そうそう」
 そのサークル、こないだ『AERA』の記事で読みましたが、世界選手権の部門優勝をして総長賞まで貰ってましたもんね、頑張って下さい。

 で、色々感心したEくんの話で一番笑ったのが以下。
 私「茶髪でチャラいとか言ったって、お前、多分ず~っと人間が変わらないだろうね」
 E「顔も。保育園の時から全然変わらんって言われる。スマホの顔認証でこうして……」
 とEくん、右手の親指と人差し指の先をくっつけて、
 E「こう」
 と、二本を離す。
 私「相似拡大の新しい比喩だっ! 21世紀!」

 Eくんをタクシーで駅まで送って、夜は「男く祭」担当でボロボロに疲弊した生徒指導部の先生方を慰労する(有志参加の)会。和やかで楽しかったですが、私は明日からの東京旅行を考えて1次会で帰宅。
 さぁ、明日から遊ぶぞ!