涙のパンダ

 谷沢永一『紙つぶて(全)』(文春文庫)を少しずつ少しずつ読んでいる途中。76年6月の記事で、F高の大先輩である文化功労者中野三敏氏が森銑三翁の80歳を祝った論文「『諸家人名江戸方角分』覚え書」の中で「写楽=与力説」を提出したことを紹介し、その論考が冷静・緻密だと激賞していました。中野氏が写楽をこの人と人物同定した『写楽』(中公新書)は2007年。その間30年、それを「本道楽」と自称する泰斗の迫力は凄いですね。さて『紙つぶて(全)』、谷沢氏のたった数百文字の書評(論文評)から色々なことが想起できる。この本も(まだ読了ではありませんが)昨日のアラーキーと同じく今年の一番になるんじゃないかな。

 合格体験記の原稿を回収・チェック中(来週から本格的に校正を開始)。
 今回、我らA組の九大Iくんが原稿と一緒に送ってきたメールは奮ってました。「末尾の教員への謝辞は長すぎました。あれは先生方に直接読んで頂きたかったまでで、校正でカットして頂いて良いです」という文言に大笑い。そして「九大の法学部で依頼が来るとはまさか思わず」という文言には私を始め少なくない人間が襟を正さなければならない教訓が含まれている。
 さぁ、教員は体験記を熟読しているんでしょうか。勉強・行事・課外に打ち込んだと書いてあれば「あいつが偉そうに」と冗談めかして笑い、文末の教員への謝辞には頷く、では駄目なんじゃないかな、と個人的に。多分、取るべき態度は逆ですね。一緒に4年を過ごした卒業生の文章を読みながら、熟々そう思わされます。

 5時入りの職員室で仕事(本日は、創立記念日の代休で生徒も教員も休み)。11時過ぎに学校を出て、JRのK駅の近くにあるラーメン屋で昼食。初めて入った人気店でしたが、確かに美味しかった。「もりき」の常連、F校出身のY先生(小児科医)が組んでいらっしゃるアマチュアバンドのCDが店内に流れていました。
 さて私ですが、明日からの高3模試の初日監督を勘弁願い年休で連休を1日延長。母君との所用で午後から小倉帰省一泊です。K市から2時間の準快速は閑散、読書は谷沢永一山本夏彦、CDは研ナオコ中島みゆき作品集)。京大Fくんと体験記の件、浪人Aくんと添削指導の件でメール。

 用件は瞬殺。テレビには全く興味がないですが、先日母君に頼んで録画して頂いた「スタジオパーク」を視聴。黒柳徹子がゲストで司会が清水ミチコ、そら観ますよ(実際、面白かった)。
 夕食はシチュー、鰤の照り焼き、豆ご飯。職場の話、病気の話、21時には就寝。