今すぐそこまで行って夢を与え

 既にご退職の国語科恩師先生に、図書委員会が『讀者之言』(毎年「男く祭」に合わせて発行する書評集)へのご寄稿を依頼した、という話は既に書きました。
 本日、図書委員氏が私の元にお出でになり、恩師先生から届いたという玉葉をお見せ下さる。「卒業生に頼まれたので『讀者之言』が3冊必要……出版社でドナルド・キーン担当だなんて凄い卒業生が」と文面を読んだら、委員氏宣うて曰く「よく読めますね」。学生が読めるのは明朝体手書きなら楷書だけなのでしょうか。

 『讀者之言』と同封のお手紙を書く。
 今年の『讀者之言』の恩師先生の書評をお読みになったある先輩先生が、恩師先生の文章は年々難しくなる、今年はとうとう分からなかった、と仰有る。私など恩師先生の文章を分かったことなど遂に一度もなく、両先生とも仰ぎ見るばかり……と出だし。
 そして、書評と言えば最近谷沢永一『紙つぶて(全)』を少しずつ読み始め、その中で森銑三から中野三敏、という学者の誠実が好意的に紹介されているのを読み(森銑三翁ファンとして、中野三敏先生のF校後輩として)嬉しい、と。
 最後に谷沢永一の筆の冴え、『讀者之言』の原稿を依頼される前にこの本を読み始めたら、とても自分が何かの本の書評を書こうなど傲慢は思い立つ筈もありませんでした……とお手紙をしめようとして気づく。私、その遙かに以前、20年前から恩師先生の書かれたものを読み続けているのです。
 それで『讀者之言』に毎回寄稿しているというんですから、恩師先生の文章を分かったことなど遂に一度もなく、が紛れもない事実である証左ですね、と苦笑したところでポストカードがいっぱいになってしまいました。

 本日高3は外部模試2日目。私は試験問題の配付と回収、合間に高3の授業準備や中3の宿題採点や卒業生の合格体験記原稿整理や。半ドンの放課後も仕事を続け、16時30分に学校を出発。
 先ずは市街の郵便局「ゆうゆう窓口」へ行き、恩師先生へは『讀者之言』、卒業生3人にそれぞれセンター試験、地理二次試験過去問、一橋大学国語、の頼まれていた過去問を郵送。

 その後、市内の某ホテルに歩いて移動して、職員室の正式な行事である歓送迎会に出席。昨年度をもってご退職になった体育科の先生お二人(保健・剣道)とご挨拶。私は、12才(中1)の時から34才(就職11年)の時までず~っとお世話になっていたのです(これからも、ですが)。
 二次会は私が幹事を引き受け、市内のイタリア料理店「C」。歓送迎会の途中、1時間前に電話して「人数は20人弱で、予め前菜・ピザ・チーズあたりを適当に置いておいて欲しい」という乱暴な注文に快く応じてくれました。普段なら、こういう時の二次会は15人程度におさまるのですが、今回は上記保健・剣道先生のお人柄、26人もの参加者。
 横一列にずら~っと並んだ参加者へのお運びは店員さんだけでは無理と踏んだので、私は飲み会において一番好きな幹事仕事に徹することに。全員が座ったテーブルにはつかずその横のカウンターに独りで座り、参加者のグラスを注視する。グラスが空いた所に次の希望を聞きに行き店員さんに伝達、店員さんが注いだ飲み物を運んで、空のグラスはカウンターに返す、ってことをず~っとやってたら2時間弱座っている暇は殆どありません。ですけど、注文が途切れた隙にカウンター席で飲んでたらやっぱりビールが3杯4杯と入っていっちゃうんですよねぇ。カウンターからはテーブルの料理が取りにくいでしょう、とマスターがチーズとオイルサーディンとをサービスで下さいました。この店、トイレの扉にF高の「男く祭」のポスターも貼っていて下さって、当てずっぽうで予約したのにサービスは良、F校とも縁があって、と私かなりご満悦。
 和気藹々で3次会に散る幾つかのグループからは離れて、帰宅。明日は気合いを入れて働いて、明後日からの特講開始週間に備えます(月曜日って、授業5コマに特講2コマっていう、割と大変なスケジュールなんですね)。

 『悪魔くん』DVDは、第11話「肖像画に隠された美少女の秘密」、第12話「心のすき間を悪魔が笑う」。