病んでも 迷える羊に救いを 下さい 神様なら

 校内模試を取りまとめる進路指導部の主任になったのに、何でこんな大事な仕事を忘れていたのか、5時入りの職員室で来週火曜に出題する校内模試の解答解説を作成する。いつもは問題を提出するときに解答解説も一緒に提出する(解答解説提出〆切は、問題提出〆切よりもずっと後)のに、今回に限り先に問題だけ提出をしたのでそれっきり「終わったもの」と認識していたのですね。
 さて。
 こうなると、解答例をどうするかは悩みどころです。自分で問題を作っておいて解答で悩むってどういうことよ、と仰有るなかれ。だって、記述の解答例は難しく(私の文体語彙表現で書くこと)も出来るし、簡単に(極論を言えば本文のコピペで作ること)も出来るんですから。前記極論はこっちのプライドの面でも顧客(特に浪人している卒業生の)満足度の面でも論外だとしても、校内模試のように採点後ではなく受験直後に解答解説が配られる場合、採点基準は解答例に従うしかないので提出してしまったらそれまでなのですね。要するに、解答例の内容次第で、採点基準が変わる、としたら平均点が変わる、ということはあ~ら不思議、結果論として問題の難易度が変わるんです。本文を選んで設問を作って解答欄の大きさを決めて配点を定めた、時点で難易度が決定するのでは無い、というのは作問する側としては当たり前の話なんですけど、意外と知らない人が多いのではないかと思って長々と(←初期想定読者であるTQCの人たち、それ以外を意識した書き方ですね。初期、ってのがもう15年以上前になるんですけど)。
 でもって、今回はいつもとちょっと条件が違って、私が作った問題以外の3題の問題と解答とを見てしまった(大体どんな難易度かを知ってしまった)上で自分の解答を作るのです。難易度を上げるか、下げるか……結果は、神のみぞ知る。あ、「神」って私のことです。私が作って私が採点して私が評価するんですから、私が神様。
 毎度毎度言ってますけれども、試験は、作問者、つまり会えない他者とのコミュニケーションです。だとしたら、その「他者」は理想的な知・倫理の持ち主だと想定した方が受験生のパフォーマンスが上がります。憧れろ、と口を酸っぱくして耳にタコを作る所以。

 さて、来週火曜日の職員11人の飲み会。幹事の私を除く全員が初入店のお店ですんで、ご案内プリントを作成。食べログの地図を印刷して原稿に(ハサミとノリで)チョキチョキ、ペタペタ。日付・時間・予算・コース内容を書いて手作り感。「予約名は『池本』です」「同窓同僚先生だけは刺身無しで別料理です」等々ちょっとしたメモまで書いて。
 私ったらお気遣いの紳士だな~、と自賛しながら同窓同僚先生にご案内プリントをお渡しし、「お刺身についてはよきにはからいましたんで~」

 文系授業にて。
 教員「……ってよく考えたら手作りの飲み会ご案内プリントと交換に結婚披露宴のインビテーションカード受け取るってどういうことやっつーの敗け過ぎやないか! 高い金払って正装して他人の幸せにご祝儀まで包んで/」
 生徒「病んでる」
 教員「病んでるんじゃないの、羨んでるんですっ!」

 午後は上記文系二次型授業の答案添削。放課後は授業準備と、浪人生の答案添削も。