ただの食べ過ぎとわかったら

 夏やせなのかなんなのか、ここ数日体重が高校以来未踏の66㎏台まで落ちた、ということを何気なく母君との電話でお話ししたら、昨秋の病気以来栄養のあるものを3食摂ることが仕事になっている母君にそこまでですかと問い返したくなるほど心配されてしまったので、今日は太るための日にする。

 朝6時に学校に入り、午前中12時までの6時間で今日やる予定だった仕事を全て終わらせる。12時に、秋に入居予定のマンションについて、業者との打ち合わせに出かける。起床以降、この時点で口にしているのは職員室で飲んだアイスコーヒーと、業者との打ち合わせで出たお茶とだけ。

 帰り道、12時半からが「太る日」の行動。先ずは自宅近所の中華料理屋「H」に入って麻婆拉麺・炒飯・サラダバーを注文し、瓶ビール2本と紹興酒。家に帰って、ビールとチューハイとを飲みながらつまみのイカ。DVD『悪魔くん』は第41話「魔空間に突撃! 急げ、見えない学校」と第42話「最終回 夢よ、とどけ君の心に!」。ついに東嶽大帝は倒され、世界に平和が訪れました。酔いも回って気分爽快。の後、15時くらいから布団に入って読書、途中で寝オチ。19時過ぎに目が覚めたので、家から徒歩1分の「CoCo壱番屋」に入り、チキンと夏野菜のカレー(4辛)をつまみに気づけばビール3杯(缶ビール3本)飲んでました。帰宅後、就寝。
 普段は一日一食で、炭水化物は3日に2回摂るか摂らないかですから、今日一日だけで主食を4日分くらい摂ってる計算になります。これだけ食っちゃ寝飲んじゃ寝してたら流石に少しは太るだろう……つっても母君が望まれているのはこういう方向性とは少し違う気がする。太れじゃなくて健康になれって仰ったんですよね知ってます、と不健康極まりない一日を反省しつつ、大学生かっつー酔生夢死もたまの半日くらいは悪くないかなぁとも。

 半日とは言えこういう腐りきった時間の使い方をしようと思い立ったのは、北大路公子『石の裏にも三年 キミコのダンゴ虫的日常』なんて最高に面白い悪書を読んでしまったからですよ、と責任転嫁(飲んで寝て旅行して書いて、という理想的な毎日!)。プロの小説家三人(桜木紫乃乾ルカ小路幸也)を交えた座談会が「蛇足」に過ぎない面白くない、と感じてしまう程に筆一本の日記で笑えて笑えて。この「名人芸」(by桜木紫乃)は確かに現役随一です。★★★★★。
 さて、現在3~4割ほど読み進めているのが、山田奨治『東京ブギウギと鈴木大拙』なんですけれども、そもそも「東京ブギウギ」の作詞者が鈴木大拙の息子(養子)だということにびっくり。表紙の笠置シヅ子と帯の「内田樹氏推薦!」と(いう大好物の)2つだけで買った本(鈴木大拙については、本を数冊読んだことがあるだけです)は、大拙の弟子筋や研究者が無かったことにしようとした(と思われる)不肖の息子について調べ上げ、その不幸な親子関係にスポットを当てることで、大学者の新たな人物像解明の道を探ろうとする意欲作。この息子「鈴木アラン勝」についての資料が少ない(殆ど残っていない)ために、読書進捗4割の段階では大拙の日記・書簡や近親者の残した文章などで彼について言及された部分が紹介されるばかりで、ほとんど『桐島、部活やめるってよ』みたいになってるんですけれども、さて続きはどうなることやら。