春滴るや粥の味

 5時入りで浪人生の添削、浪人生への送付プリント準備を2時間。浪人生の答案添削は郵送でやりとりをしているのですが、返送封筒に必ず書く「国語科 池ノ都辰也拝」が、ここ数日、草書略字が極まった挙句「口語科」になってしまってます。これを打っている今「池ノ都は口だけで玉が無い」という意味になっていることに気づいて無意識の自虐に現れた機知に我ながら感心しているのですが、感心している場合なのでしょうか。

 夏の課外授業(高3)は、1~4限が通常授業、5・6限が特講。これを、7月末まで続けます。私は本日、理系3クラスで夏目漱石「変な音」のセンター授業。
 必要があるかは分かりませんが「修善寺の大患」について最初に説明して、漱石長与病院再入院の時に詠んだ句「逝く人に留まる人に来る雁」を示す。現実には「逝く人=長与院長/留まる人=漱石」で、小説では「逝く人=隣の患者/留まる人=主人公」という形にアレンジが為されていますが、前記俳句の意を汲めれば今回の問五は解説不要なのですね。
 病室の暗闇で聴覚が研ぎ澄まされる様子は、昨秋の母君の入院の時にお話を聞いて思い知らされました。機械音に咳に悲鳴のような声に足音にどれだけ病人が恐ろしい思いをさせられるのか、を聞きながら、仕事人間の私は親不孝にも「あぁ、これはセンター2002年の漱石『変な音』そのものじゃないか」などと思っ(てしまっ)たのです。

 4限終了の半ドン(ほぼ全ての高3が特講に参加するとは言え)は仕事が進んで嬉しい。7月末までの授業プリント、夏休みの自習用に31日に配布するセンター過去問、も全て印刷室に回す。これで、学校でやるべき仕事は授業と添削とのみになりました。
 土曜日には、学校外でやるべき仕事であるところの関西出張(前乗り含めて2泊3日)です。土曜夜に63回生京都組3人と会ってお話を聞かせていただくのが、今のところの一番の楽しみ。