はがない

 あんな酷い飲み方して未明に寝て、なんで7時に目が覚めたりするんですかね、出張の義務感で気が張ってるんですかね、それとも単なるおじぃなんですかね。先ずは入浴、まるで宿酔いになってない身体に感謝しつつ、ホテルの机で昨日の東大特講の答案を添削ガシガシ……なんですが、昨日のメンバーとか無理矢理電話した団長や文化委員長やらの謝罪メール応酬でなかなか進まず。ぐすん。

 チェックアウト後、京都から中津に移動、本来の出張目的である(京都大学入試研究会が行われる)河合塾から徒歩1分の所にある(食べログの評価の高い)つけ麺屋で食事、ですが味は今イチ。その後、カフェ・ド・クリエで東大特講添削の続きをガシガシ……なんですが、手を止めてついついtwitterを覗いちゃうなど進捗停滞気味。どうも、旅行出張非日常、は駄目ですね。普段は一日平均2tweetsで複数形にならないことも多いのに、昨日一日だけで15回以上呟いてますしね。ツイ廃じゃねーか、と。

 河合塾にて京都大学入試研究会。全国の(京大を一定以上の人数が受験する)高校のお先生が集まる。国語畑では、愛媛県のA高校や、地元大阪のO高校やから、お顔を存じ上げている先生がお見えになっておられ、会釈など。
 最初は京大副学長による基調講演。特色入試や高大連結の話を中心に一時間。学部別の特色入試では、法学部で後期日程の試験を行うなんてことは、そういえばまだ周知されていないのかも知れません(文一受験生が後期で狙ったりするのかな?)。現行の通常入試の(京大は良問を作るとは言いながら)限界として、同じ形式を年々続けている内に、合格最低点付近に生徒が集中するような合格者分布に「最適化」していく、という話が印象に(「最適化」という言葉を本当に副学長が使われたのです)。結果、学部学科に興味が無い学生が増える。特色入試の狙いは一言、学部学科への「マッチング」です、という所以。
 続く教科別の(現代文・古文の)話は、事前に河合塾が発表していた解答解説を見て想像していた以上のものはありませんでした。どちらかというと、校舎を代表するカリスマ講師の服装・動き・話し方、という壇上の挙措に学ばせて頂くことがメイン。
 僕は教育業界に友達が少ない、略して「はにがない」、ということで会場をホテル大広間に移して行われた「情報交換会」、というか「懇親会」、要するに「酒飲みながら人脈広げん会」、に乗り切れないアウェイ感が半端ではない。隣にいる先生ににこやかに「いや~、私なんてこんな立派な会場じゃアウェイ感だらけですよ~」とか言ってるそこのお先生、あなたは既に二人組になることが出来とるやないか、と。その段階でこっちに言わせりゃいっそ「ウェイ感」醸しとるやないか、と。あ、そうか。「ア・モラル」が「脱・倫理」になるみたいに、「ア・ウェイ感」っていうのは「脱・ウェイ感」になるのね。とか訳の分からないことを考えながら、現れては通り過ぎていく河合塾の方々のお話に相づちを打つばかりで決して自分からは誰にも話しかけない。何故ならこれは意外で嬉しや立食の料理が美味しいから、そして注ぎ放題のビールがあるから。
 途中、先ほど塾教室の壇上で語られていた現代文カリスマ講師先生とも少しだけお話をさせて頂きましたが、さすが卒業生の映画監督・松居大悟氏が著書の中で「山奥の」と評した田舎学校、なんぞをカリスマ講師先生がご存じのはずも無く、「K市! というと、もしかして福岡県? それは遠い所から。えっ、東大現役30人!? それは凄い! そんな学校が九州にあるなんて!」という反応。関東関西じゃあ、田舎学校なんてそんなもんなんでしょうねぇ……とは思うが隣っ、その隣で講師先生を案内しておられるあなた、あなたは塾の職員なんだから「全くです、九州にねぇ」っていう同調は、進学塾の事務員としてウチの高校ぐらい知っとけよというような傲慢は言わないにしても、招いた教員を前にした接待としてどうよ、と(笑) あ、でもその講師先生、お話の途中で「今年の東大第一問は何であんなに(難しいものに)」としみじみ仰って、それだけで国語の先生として信頼が置けることが分かりました。敬意。

 19時30分終了即退出、で梅田駅内の居酒屋で独酌。ビール、日本酒2合で串カツをメインに。これまた美味しかった。
 店を出た直後に、お懐かしやTQC同期の北白川くん(仮名)から何年ぶりかの着信あり。即座に折り返す。
 私「お久しぶりで~す。どしたの?」
 北「いやぁ、どうも。……最近、どう?」
 私「用件を言いなさいよ(笑)」
 北「いやぁ、実は、僕、結婚することになりまして。それで、まぁ秋に披露宴をと」
 私「うわっ、ホント? えっ、TQCからは誰が?」
 北「それは今から連絡を回すんだけど……」
 私「嘘っ、マジっ!? 泣いていい!? 僕が最初!? 嬉しい!」
 北「泣いて泣いて」
 私「あ、忘れてた!」
 北「何?」
 私「どうも、この度は御目出度う御座います」
 北「あ、どうもご丁寧に」
 披露宴は9月のシルバーウィーク。そっかぁ、この2日の上洛がメチャクチャ楽しかったから8月の上京も約束されたも同然だと思ってたら、9月も上京かぁ、と北白川くんに対しては「御目出度う」なのか「有難う」なのかよく分かんない理由で陶然としながら帰路。

 宿泊ホテル(塾が押さえて下さいました)近くのファミマでYシャツと下着一式を買い込んで、部屋着即就寝(は昨日と一緒)。