死相ふとつらつら椿手鏡に

 昨日Hさんちに寄ったら、来月8日に渡せないかも知れないから、と誕生日プレゼントにシャツを1枚(と靴下と)を頂きました。ので、本日は(職場的な)筋を曲げて、頂いたシャツの上にブレザーを着て出勤する。
 みたいな日に限って卒業アルバム用のクラス写真撮影があったりするんですよね。ノーネクタイで写ってしまいました。
 頂いた時には値札を取り忘れていた状態で値段も見てしまったのですが、シャツにこの金額を払ったことなど一度も無い、というもの。ブランド名は、奥様はおろか「もりき」のマスターまでご存じだったものです(私は知りませんでした)。

 というわけで、職場で昨日の東大文系特講の添削をする、センター3時間の授業をする、一橋大学特講を2時間行う、中3卒業論文用に頼まれていた(K市内の2つの石碑の)漢文で書かれた碑文の現代語訳をお渡しする(流石に私に訳をする時間が無く、意訳が載っている本……があるかと探せばあるんですねぇ……『K碑誌』を図書館で借りてコピー)。
 夕食は「もりき」に京都のお土産を渡しに行く。日本酒は「風の森」「鳳凰美田」、肴は冷や奴とぶっかけそうめん。

 本日の授業にて。近づく夏休みが楽しみでない訳ではないけれどもそれが夏休みと言えるものにはならないと知る故にスタンスびみょー、みたいな高3諸氏。苦悩を突き抜けて歓喜に至れ(ベートーベンでしたっけ)、大学生になったら、大学生になったら! というお生徒さんたちに授業にて、「テンション下がる話、聞く?」 生徒「「「聞く!」」」
 その意気や良し、ということで。
 教師「合格体験記を書いてくれたとある大学1年生にこないだメールで有難う&試験期間頑張ってねっていうメールを送ったら、返信に『1日10時間以上図書館に籠る生活が1週間以上続いて去年の今頃より時間割いてるような狂わんばかりの生活』だって書いてありまして」
 生徒「「「「「うをっっっしゃー!! 頑張るぞーーーっ!!!」」」」」
 その意気や良し超えて壊れとるがな。

 さてさて、地元で普通に仕事の一日を挟みはしましたが、ご近所さんにお土産を配り終わったら旅こ……じゃねぇ、出張はお仕舞い。3日間で読んだ本は以下。
 朝日新聞「へぇな会社」取材班・よしたに『やっぱり、へぇな会社 やる気と能力を引き出す意外な方法42』読了、★★★★。大企業から中小企業まで、日本全国の「社員を大切にする会社」を取材してそのユニークな取り組みを紹介する新聞連載を1冊の本に。例えば某社「R」では毎年、有給休暇を4日以上連続でとれば5万円の手当が出るという「有給の取得率が低い猛烈ニッポンとは一線を画したい、という強い思い」に基づく制度があるんですって。でも、「取得率は8割。実に2割もの人がタイミングを逃している」そうで、困り顔の元社長曰く「うまく仕事をやりくりできないで社会人と言えるか?」と。そのくらいの「やりくり」の面倒をみないで「猛烈ニッポンとは一線を画したい」会社と言えるか? ってのはダメですかね。たった4日分の仕事の「やりくり」の労苦を5万円と引き替えにしたくない、と思ってる社員が2割いる会社なんでしょ、って言われますよ(twitter的揚げ足取り)。
 吉本ばなな「おとなになるってどんなこと?」読了、★★★。ペンネームを戻したんですね。数多くの小説の主人公に、吉本ばななはこの本のタイトルになっている問いを考えさせ、語らせてきています。集大成即ラディカルな入門書、ですね。
 新久千映ワカコ酒(5)』読了、★★★★。職場の同僚事務嬢さん、料理好きお酒好きそして書道の達人……ということでこないだ家庭料理用の「おしながき」を作ったというのを見せて下さいました。和洋中15品ほど並んでるんですけれども「えっ、これ、全部食べるんですか!?」と驚く私に、「まさか、注文してもらってから作るんですよ」って旦那さんどれだけ幸せなんだ。
 内田百閒『百閒怪異小品集 百鬼園百物語』読了、★★★★★。口の中に体毛が生える夢、私も一度だけ見たことがありますが、あれは本当に怖い。さてこの本、3ヶ月以上かけて読んだんじゃないでしょうか。幻想怪異の掌編100話、その間は断とうと思っていた別の作者の幻想掌編をうっかり1作読んでしまったのが溶け込んでしまったので、世界は101話で固定されてしまいました。