大家 あなたのため に こんなに、

 これはどちらも昨日のやりとりなのですが、TQCの先輩・同輩と。
 先ずは先輩、まっぴぃ氏とのメールやりとり。F校文化祭Tシャツで銀座の画廊なんか訪れてよいのか知らん、とまっぴぃから素敵展覧会色々@銀座、を教えて戴きつつ。ぴぃ曰く「そういう中国人が跋扈してるから大丈夫」と。でもって、「こういうやりとりって今はメールじゃなくてTwitterの方でするもんなんですかねぇ」と言ったら、「仕事中に呟けるか!」と叱られ。そだ、本名垢でしたし、今は堅気の社会人は働いてるんでした。
 次いで、同輩。こちらは、F校47回生同期、大学でも同期……っつってもわたしゃ文の下に三がついてあっちは理の下に三がつく、東大医学部から大学病院、現在は請われてスウェーデンの大学で研究医をなさっているでっくん。ここ数日、明らかに日本の番号でない携帯と、寝てた電車だでしばらくすれ違い。でもってこれがでっくんからの着信だと分かるだけに繋がる時ゃ繋がるさ、と従容と構えてて昨日繋がったら、先日の数学結婚式の三次会で既に会話してて明日(7日)の昼食を約束してたらしく泥酔完全忘却を反省、ごめちゃい。「スウェーデンの携帯だから」の言はでっくんじゃなきゃ嫌味ですけれど。

 さて、9時の銀座一丁目駅ドトール読書、11時5分前に店を出て、駅近くの味噌ラーメン屋(「どみそ」だったかな)で昼食を取りまぁ普通の味。今日は、まっぴぃご推薦の銀座展覧会三連打の日。干魚になるまで歩くぜ、の覚悟は銀座一丁目の改札を地上に出た瞬間のお日ぃさんがかーっ! という暴力沙汰1秒で即決。

 最初は「ポーラ銀座ビル」……ってまさか自分の日記にこんなおハイソな固有名詞が登場するとは思いませんでしたし第一変換「敗訴」で躊躇わずEnterキーを押した自分は然もありなんですし……の中にある「ポーラミュージアムアネックス」(←2秒迷ってアルファベットタイピングを断念しました)にて「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と愉快な植物たち」。
 でね、これがね、凄かったんですよ。世界を股の「ハンター」なんつーのは最早「仕事」じゃなくて「ジョブ」、ファンタジーRPGの中の架空概念やろ、と思っていた先入観を完全に覆されました。
 世界数十各国を旅して各地の「珍植物」を収集し日本に紹介する、プラントハンターの西畠清順氏が日本に持ち帰った希少植物50点を、写真OKお触りOKの形で展示するという企画。
 世界一巨大で卑猥な種子、ライオン殺し、盆栽用バオバブ、曲線美で重力を教える孟宗竹……と言葉で書いて絵は浮かばないかも知れないけれども「変さ」は伝わりません? こんな変な植物があるなんて日本で現物を見られるなんて。先に「先入観」と書きましたけれども、早川いくを氏や石垣幸二氏のせいにするわけではありませんが「へんないきもの」と言えば先ずは動物とりわけ深海魚だ、と思っていた先入観もこれまた完全に覆されます。
 主催者著書を会場で即買い……だと思ったら、係の人に「書籍の販売は1階ショップに委託致しております」とにっこり返され……1階ってポーラ直営の化粧品売り場やないかい! と、プラントハンター氏の著書を、見えないドレスコードへの緊張と暑さとのために汗でびしょびしょになったF校文化祭Tシャツという出で立ちで購入する私。ポーラレディの笑顔はプロ。

 まっぴぃのメール「(銀座には)そういう中国人が跋扈してるから大丈夫」、の意味は分かるけれども「本当かなぁ?」と半信半疑だっんですが銀ブラ驚愕、銀座マジで中国人しか居ない……と言って語弊があるなら「中国語しか聞こえない」。この「率」は以前受験期に太宰府天満宮に行った時に周りから中国語と韓国語とが結構な音量で聞こえてきて「遣唐使を廃止させた人間に何を頼むんですかあ~たたちは」と心の中で突っ込んだあの時の比じゃない。ほぼ100%が中国語。

 直射日光と大陸の言葉の集中砲火の中ふらふらと銀座を歩き、冷房の風と日本語とを浴びたい! と飛び込んだのがよりにもよって「ヴァニラ画廊」。まっぴぃおすすめ次なる展覧会は、「幽霊画廊Ⅱ 恨みのあやかし八丁目」。異形且つお耽美が採用条件の妖し怪士展覧会は、しかし作品よりも先ず先客方の出で立ちの不気味さに笑いが出てくる。そこな青年は何故に下駄一本歯、そちらお嬢は何故にメイド服、振り返れば中古のパチンコ台みたいな顔面ピアス……。展示作品のフリークスっぷりに「こいつら、同化してるぜ!」ってお客人方の圧に敗け、30分は耐えたけれども早々に画廊逃亡。だってさ、展示作品・客、という異形の中で一番まともだったのが中央に飾られた能面だった、という逆説が。というわけでごめんまっぴぃ、ここは私アウト。

 再び日光浴・チャイ語浴の銀座徒歩徒歩、次に立ち寄ったのは銀座三越、催事場のスヌーピー展。これは事前情報抜きの飛び込み……ですがこれが展覧会ではなくてグッズ即売会だということは分かった上ですよ。お手紙用のポストカードを全種類買って、即退却。

 更に更に歩き歩いて、最後のギャラリー(スパンアートギャラリー)にたどり着く頃には本当に身体が干魚になりそうだったので、隣にあった石川県の物産館に飛び込んで、塩サイダーときんつばの一服。初めて訪れる(でもって今後訪れることはないであろう)そのギャラリーは、隣に「有薫酒蔵」の銀座店があるということで頭にインプット(F校がきっかけの「高校よせがきノート」があるのは「有薫酒蔵」の新橋店)。
 スパンアートギャラリーで行われていたのは「少年愛の美学~君なくして何の薔薇~」ってもう名前があれでさぁ……って言いながら、まっぴぃも感動してた甲秀樹作品は確かに素晴らしかった(金が無尽蔵にあったら『カナリアの肖像』ってのは買って新居に飾ったぞ笑)。お客さんは私の他にはゴスロリ少女がお一人様。

 「スパンアートギャラリー」は銀座一丁目出口前、ということで結局一丁目から八丁目に歩いてまた一丁目に戻って、という銀座Iターン逍遙、で心身とも色々持って行かれたので、16時前にホテルに戻ってから2時間の仮眠。待ち合わせが大塚だから30分あれば余裕、というのが良いですよね。

 8つ下の飲み友達、55回生Tくんとのさし飲み2軒。先ずは店の感想から。
 食べログ4.0超のインド料理「カッチャルバッチャル」、食事はとても美味しかった。ですけれども、お店の側に料理とお酒を合わせる気がない(というか、料理を突き詰めたならそれに合うお酒がないという犠牲はやむないというスタイルな)のと、やっぱりK市を代表する料理店だった今は無き「Sally」の味には全く及ばない、という二点が致命的。
 二軒目はこないだオツカル様とも訪れた最近お気に入りの「江戸一」。ラスボス(大女将)さんは今日も見られませんでした。

 Tくんと話をする時の反省は、私「次にK市に帰って来るのって9月だっけ? シルバーウィークなら僕が東京に行っちゃうんで会えないんだけど……あ、その前の週? ならOK!」 って感じで前のめりに次の約束から入って行って「その場」に対する集中力を欠きがちになること。例えば今日なら、ギリシャの経済状態がM銀行の「賭け事部」(←偏見に基づき私が命名)で働いてるTくんの仕事に具体的にどんな影響を与えるのか、というのを「こどもニュース」時代の池上さんより噛んで含めた説明で教えて貰ったのに、これを打ってる8月13日現在でその仕組みを何一つ覚えていない、というね。
 ……岡崎二郎の『アフター0』の中の1編だったと思うんですけれど、宇宙船の中に一冊の本と共に取り残された男がふとした事故で短期間しか記憶が保てない身体になったことを悲嘆しかけたけれども同じ本を何度でも楽しめることに気づいてこの上ない幸福を得る、という話があってだね。

 健康睡眠。そらそうだ、明日早朝出勤のTくんに合わせてホテルに戻りましたからね。その後一人で飲みに行かなかったのが楽しかった証拠なのよ~。