人ごみは何もきかず私を包んで 毎朝の駅へ流れてゆく

 11月7日(土曜日)に行われるF校東京大同窓会に出席を申し込みました。今年は南青山なんですね、一般参加が6000円、学生3000円。参加費が例年よりも安く抑えられているところからも、幹事学年の先輩方が本気で同窓会を盛り上げようなさっておられることが伺えます。通常なら参加しないのですが(仕事あるし)、昨年度は次年度の63回生参加を前にした下見。今年度は、幹事学年の32回生に自分が担任をした生徒(63回生Hくん)のお父様がいらっしゃったので、じゃ一緒に行こっか、と在学中にお約束していたのを守って(って、Hくん、覚えてないかも知れませんけど)。

 通常出勤で7時学校入り。今日は盆休ということで職員室はほぼ無人(数人の先生が入れ替わり立ち替わり)。昨日途中で切り上げた添削の残りをガシガシとやってから、夏休み後期課外授業・特別講義のプリント準備。通常通り業務はしていますが、授業が無い、こともあって夜の飲みで少々無茶をしてよい(次の日を意識しなくて良い)、って点がやっぱり夏休みなのかな。昨年度は、調査書のコメントを書くとかの担任業務が多すぎてそれどこじゃなかったような気もしますけど。

 西畠清順『そらみみ植物園』読了、★★★★。写真じゃなくてイラストだ、ってところが評価の分かれる所でしょうか。すべて実在の植物なのに、あまりに突飛な姿・生態故にファンタジー(絵本)のようにも見えてくる、という。筆者の文章もこれまた評価の分かれるところ、若干の厨二病臭についてはそりゃ言われりゃ否定できないでしょうけれども、やってることが桁違いの人で行動が伴ってるんだから逆に素直さの表れとしてそのまま受け取るのが礼儀なんじゃないかな、と。ってか実際、この方、文章巧いよ。

 「なぜ山に登るのか」というのはクイズやってる人ならもう100回以上は聞いたんじゃないかと思いますけれども、TQCの18期に対しては「なぜ山に上らないのか」という質問こそ相応しい。がっ様でしょ、オツカル様でしょ、遠ちゃんでしょ、リンリンでしょ、北白川くんでしょ……とあんな個性的で才能豊かな面々が好き勝手し放題だったら、その舟は絶対に山に上るでしょうが、と。で、その問いに対する答えは簡単で、でっくんとアラリンというね、人格の高潔に関する双璧が受け皿として居たからです、で終わり。
 関西で就職して以来、12年間で数度しかあってないんじゃないかというアラリン氏が、長崎に旅行に行かれるということを少し前に知り、「博多に寄るなら飯でも~」とコールを送って了承を得たんですね、twitterって本当に便利。K市から博多は新幹線で移動、丸善で本を買って時間をつぶした後、18時30分に合流して、高速バスの時間までの21時過ぎまで食事&トーク。
 さて、15日の博多は、お盆期間で市場が休みなので、「太郎源」をはじめとする心あるお店が軒並み閉まっている日。ですのでベタに「くうてん」とかで店を探すのが良いだろう、と判断(高速バス乗り場からも近いし)。で結局、九州の名物を適当に出す某店を(行ったことはなかったのですが、そう悪くはないだろうと当たりをつけて)押さえておきました。

 ってまぁ、大学時代からアラリン氏の少食っぷりは「おま~は小鳥かサボテンか何かかっ!」と突っ込みたくなるほどだという記憶はありましたからね、注文する時も、「これは注文していい?」「いいよ~」「じゃあ、これは?」「あ、それは入らない~」「お酒は大丈夫? 水を注文しておきます?」「あ~、1、2杯ならたぶん」っていう逐一確認を入れながら。ここは、注文した端から食い尽くしていくF校職員室の方々と同じ振る舞いをしてはいけないのです。
 TQCのOBの中でも、まっぴぃとアラリンとはtwitterの投稿(本の紹介や旅先で仕入れた知識・写真)を通じて常にクイズをやっている人たち、とりわけアラリンは「路上学会の人」という認識だったんですけれども、果たして一週間の長崎旅行でもそのスタンスは貫かれたそうで。そもそも、長崎に一週間居て、明日も仕事は休みだというのに精霊流しを無視して(帰りの高速バスに乗るために)博多に来た、という所が普通の観光客じゃない。何たら邸とか何たら島とか、いわゆる観光名所全スルーで、なおかつ一週間充実した旅だった(格好は「地球の歩き方」のどっか暑い国のワンショットに移ってそうなバックパッカー若しくはカメラマン風)と仰る所がね。「どこにも行ってないの!?」と驚く私の野暮天に対して、少し困った顔で「僕は全然長崎を楽しんでなかったってことになるのかねぇ」と仰るアラリン氏は、多分一人旅の次元が違うんですね。「まぁ、実際、12年ぶりくらいの旅行で出雲に行った僕も、結局一番印象に残ってるのって言ったら3時間の電車の車窓風景だもんねぇ」「それで良いんだと思うよ」
 人生即仕事の私が氏に提供できる話なんざたかが知れてるので省略。でも、真摯にお話を聞いてくださって、なんかこっちが申し訳ないくらいになりました。お会計を割り勘にするという氏の提案を全力で拒否する、どう考えたって飲み食いした量は3:1だぜ。
 21時半過ぎの新幹線でK市に戻った後、行きつけのバーに行って更に2時間飲み食いしてた、っつったら、アラリン氏は驚かれるでしょうか。

 そういえば、アラリン氏は私の知人の中でも、あだ名でもさん付けでもくん付けでもなく私を呼ぶ二人称に「池ノ都」という苗字呼び捨てを使うほぼ唯一の人ですね。でもって、他の18期の人たちには大抵の場合くん付けをする(ように見えてる)んですけど。ってまぁこれは別に今日の本題ではなく。他意なく特別感を味わっておきたい私なのです、んふふ。