良識も悪意も、嘲笑も尊敬も、揶揄も批評も一緒にした興味と関心が

 矢野顕子さんの76年10月(デビューアルバム発売の直後ですね)のライブ音源を聴けて感激、ネットって凄いですね。数日前に仕事で会ったという荒井ユーミンを「大好きな人」と前置きして「曇り空」(を脱構築した曲)を演奏。何とMCでは「卒業写真」のモノマネまで披露して観客を笑わせています。数年前に清水ミチコさんとのジョイントライブでモノマネを披露して(矢野さんが荒井ユーミン、清水さんが松任ユーミン)「割と巧いな」と思ったんですけど、40年弱の年季物だったんですねぇ。

 5時職員室入りで昨日の理系特講の添削をガシガシ。或る生徒が答案の端っこに感想一言、「解説により分かった内容に感動しました」。嬉しい。「解説により」の後ろに「一を聞いて十を知って」と書き加えました。「東大のメッセージは深い!」

 明日の(北九州地区の)保護者会講演の資料作成。テーマが「F校における日常性の維持」というものなので、題材は09年東大『白』(原研哉)。問題・教員解答例解説・予備校解答・読み物、という高3授業プリントの現物に、文理63回生(匿名)の答案(添削)例を添えます。TwitterでフォロアーのEくんに「お前の答案も晒す拒否権は認めん答案に著作権は無い」と宣言したら……。
 E「史上最凶の出来の第4回校内模試順位表が帰りのHRで帰ってきた直後に特講で解いて撃沈し明日のジョーよろしく燃え尽きて受験時代最高に惨めさを感じたあの原研哉の『白』の添削ってどんな話で使えるんですか(笑) 確か120字要約も『題意再考』って書かれて2点でしたし(笑)」
 私「うむ。突っ込みどころが多いからたくさん添削してて池ノ都先生が仕事してる感あるからアピールになるかな、と(笑)」
 E「うるせーわ泣」
 私「つっても、今見たら、Tくん・Fくんと並んで、6点中6点の満点解答があるたった3人の中の1人ではあったぞ」
 E「満点とか僕、取ってたんですねえ。ついぞ『よく読めよく書けている』って答案に書かれてたことなかったような気がするんですけれど笑」

 放課後の特講は、理系東大を昨日の放課後に前倒ししたので、本日は文系京大・理系京大の2つだけ。題材は古井由吉「〈文学〉に包囲された作家」。メディア批判を新聞がコラム掲載した、まだ報道に矜恃があった時代の名文です。

 さて、1限・4限がセンター授業、7~9限が京大特講。という合間を縫う。2・3限の間に学校を出て、今の家から(月末に引っ越す)新しいマンションの部屋に荷物を運ぶ作業。
 ……とは言っても、昨年秋に本も家電も家具も家の中のもの全てを捨て去り家の中を空っぽにした私に、運ぶべき荷物などほぼ皆無なわけでして。衣料品のほぼ全てはクリーニングに出して(店に保管状態にして)いますので、荷物はわずかな本・CD・DVDのみ。家電もポータブルのBlu-rayプレイヤーと髭剃りだけ。職員室にあったB4コピー用紙用の小さな段ボール6箱で終わりましたので、業者には頼まずHさんの車の後部座席で一瞬でした。
 東大特講のなくなった5・6限の間には、再び学校と新居とを往復して、入居前のマンションの部屋の窓・床の拭き掃除。これもまたまた、Hさんが手伝って下さいました。このお礼、どうやってお返ししたらいいんでしょう。
 夜は二人で「もりき」慰労会。

 おっと、あまりのバタバタで東京旅行中の読了本を記録するのを忘れていました。っつっても、余りの忙しさ(前半飲み過ぎ、後半は盗難で素寒貧)で読了本はほぼ皆無なんですけれども。
 橋本治『負けない力』読了、★★★★。
 雁須磨子『こくごの時間』読了、★★★★★。
 水木しげる水木しげる日本霊異記』読了、★★★★。
 木原浩勝『九十九怪談 第七夜』読了、★★★★。