続きまして 夜は朝に変わります

 5時入りの職員室で授業の板書準備。本日はセンター小説で井上靖(センターは本当に芥川賞作家が大好き)。『姨捨』を扱います。
 かつて、テレビ番組の収録でピースのお二人とお話させていただいた時に、又吉氏の本(せきしろ氏との共著)を俳句の授業の資料に使わせていただいたことがある、とお話したら大変喜んでいただきまして。そうしたら、隣の綾部氏からご著書の『熟女論』を是非授業に! と言われたんですけれども、咄嗟にどうお返事したらいいのか分からなかったので「では古文で『姨捨』を扱う時に……」と発言して「熟女と老婆は違う!」と叱られました(番組で流れたのかどうかは知りません)。
 満を持して『姨捨』ですねぇ、と思って先日授業準備のときにamazonで『熟女論』を検索いたしまして。義理立てのつもりで生徒資料に使ってみるか、と「なか見! 検索」で目次を覗いてみたら、小見出しが「熟女とは、なんぞや」とか「NGな熟女などいない」とかばっかりでどこを切って配ったらいいのかさっぱりだったので、残念ですが諦めました。ちなみにその本、綾部氏は「5分で読めますから」とご謙遜なさっておられましたが、ページ数は102ページでした(amazonの本のデータで久しぶりに笑いました)。

 さて、本日は1・3・4・5・6限が高3センター授業(昼休みに採点)、2限が中3漢文定期テスト出題(教室巡視)、そして放課後の7・8限が東大文系現代文特講、18時の業務終了後には定期テスト160枚(明後日の授業で返却)と東大第一問25枚(明日の朝のSHRで返却)とが手元に残る、という地獄のような一日。時間割係を4年間務めた身としては、ちょっとS先生(時間割係)何とかならんかったんかいな、と。朝の職員室。
 私「あのですね、S先生、これはちょっとさすがに鬼畜生の所業じゃないです?(笑)」
 S「いや~、まぁ、どうかなぁ、とも思ったんだけどね。何せ、Dr.Sは略して『どS』だから」
 「全く、酷いなぁ」という本音を隠して「どSやなくて生き物の体の仕組みを知らんのやないのんか働きすぎたら疲れるようになっとんねんぞ人間の体は」と建前でやりすごしたんですけれどこれ記述が逆ですね。

 高3の授業は井上靖祭りでセンター2題、『姨捨』と「花の下」とを解いてもらう。前者の解説は神速10分で行いました(後者は15分で解いて自己採点するだけ)。後者は、秋のまっぴぃの「クイズ・利き希林」で私が誤答した映画『わが母の記』の原作です(思いついて「樹木迫る」というワードでググってみたら30件弱ヒットしました。まぁ、誰かが考えるでしょうね)。
 放課後の現代文特講は11年度の桑子敏雄。どこかで書いたか言ったかしていると思うんで重ねて言う格好になりますが、これは断固都市論や風景論などではありません。歴史論です。08年度の宇野邦一『反歴史論』の続きだと思って解いて下さい(って、誰に言ってるんでしょうか)。
 校内模試の現代文を作る時には、授業や特講で扱った(であろう)大学の過去問の概念を踏まえて解ける教材を探します。回答例・解説で、「東大の●●年度の~」とか「センターの●●年度の~」とか執拗に過去問の概念に言及するのは、別に大学入試に詳しいアピールをしたい訳じゃなくて、入試の本番でも「この概念は読んだことがある!」という体験をした人は絶対に勝てるからです(それを「模試」の問題や解答例・解説やで教えたいからです)。そして、合格体験記の文章や直接会った時の会話で、多くの卒業生が実際にそれを口にするんですね。

 市内の絶品焼き鳥屋「Y」で夕食後、帰宅。就寝は21時前。