月天心貧しき町を通りけり

 寝だめのつもりが体がそういう周期になっているんでしょう、3時に目が覚める。気持ちよく再びの入眠に入る前にさて何をしよう、と、思いついてトイレ掃除をしてみる。ごしごし。したら、スッキリと二度寝出来ました。何でしょうか、私いつか松居一代みたいになってしまうんでしょうか。
 6時に起床し、7時半学校入りという遅い出勤。本日は高3が外部模試受験で授業も添削もないので(自己推薦文の添削と、卒業生から送られてきた答案の添削がある程度)、模試監督(答案の配布と回収と)以外はのんびりした一日。マーク模試だったのですが、英語のリスニングが一人一台のマシーンを使って行われたのが初めてだったのでそこだけ少し盛り上がり。

 そのセンター模試、文系社会は60分の2科目で連続120分。開始60分の時点で監督者が答案の1枚目を回収するのですが、その前に2科目目の問題を見たり解いたりするのは禁止されています(全科目が同一冊子に掲載されているのですが)。一気に解いてその後に寝ちゃいたい生徒は多く、今日も配布前に生徒に「2科目目を60分まで待つ必要がありますか?」と聞かれる。
 私が「60分まで2科目目は原則不可、という基本路線だけお伝えを」とお答えしたら一同笑い、でしたが「本番でしないことを今日する理由はありますか?」と訊ねたら即座に沈黙、でもって模試では全員「待て」が出来ました。偉い。

 明後日の土曜日は理系(の生徒の殆ど)が防医入試で、高3の登校は文系のみ。午後は保護者会もあるということで特講もなし。私は2限に文系東大コースの授業が1コマだけあるので、ちょっと重量級の問題を扱うことに。夏に扱った01年トラウマ第一問(リービ英雄)が以降の演習教材の難易度を表す単位になってる(「今日のは簡単30リービ」とか「骨があって63リービ」とか)んですが、土曜演習に選んだ03年第四問(篠原資明)は難問、多分89リービは行くでしょう。2限の50分で解かせて、3・4限の間に添削をして、放課後に生徒を30分ほど残して解説する予定。大変だけどいいですよね、理系なんて入試本番なんですから。

 で、tweet140字。
 【03年篠原資明『言の葉の交通論』は、文学における引用を論じて解答は至難。あれで与謝蕪村がトラウマになった受験生は多いはずです。56回生Yくん(私が就職して以来最も出来た文系。宝酒造勤務)がこの文章を解説する鉛筆絵画を下さったので、解説プリントに入れ込んで後輩へのお守りにしてます。】
 そしたら、京大方面から「その教授の講義2つとってます」「めちゃくちゃ元気で陽気ないい先生です」というリプが飛んできました。「本物」にお会いできるのはまさに大学の醍醐味ですね。我らがA組出身の方がそれを存分に味わっているならそれは大変嬉しいこと、こういう小さな「幸い」を拾い集める毎日です。

 放課後は、全教職員が集合して第3回校内模試の成績検討会、さらに担任団を中心に授業担当者が集まって個人検討も詳細に(両方とも、私が司会です)。今日はいつもよりスピーディーに進んでるような気が……と思ったら、どこかで「ホークスの優勝が決まったら飲みに行く!」と仰る先生の声が聞こえました。あぁ、そういう日なんですね。聞いてて良かった、今日はテレビのある店には絶対行かない。
 となれば目的地は「もりき」一択。マスター以外誰もいない店内で、刺身と湯豆腐とを肴に静かな晩酌。「野球終わるまでお客さん来ないのかな?」「多分ね」 断固テレビを置かないという姿勢に敬意。