怒っちゃヤーヨ

 5時入りの職員室で、明日の中3授業準備(プリント準備&小テスト採点)、昨日の文系東大特講の添削。祝祭日の5時入りは「日常性の維持」もありますが、昼から天神で浪人中の卒業生(我らがA組出身Hくん)との面談があるからというお仕事の都合。
 で、その面談は慶応大学法学部小論文についての物ですので、15年度の問題(添削済み)を改めて眺める。でもって、素材文の冒頭に「かけがいのない価値」という表現があるのを確認して改めてガン萎えする。私の感覚では「かけがえ」じゃないと間違いなんですけれども、実は私の認識が誤りで「かけがいい」が大正解、というオチで良いんでしょうか。素材文の後にわざわざ「文章の一部を変更・省略して」いることを大学側が明言しているから素材文尊重という訳でもないみたいで、そこも変更しようと思えば変更出来たはずですもんねぇ。「表現力」も評価します、という小論文だけに尚更。

 12時半の段階で、上記高3特講添削が1時間分だけ残ってしまいましたが、これは明日の5時入りで十分終わらせられる分量なので、本日は学校仕事をお仕舞いにして西鉄K駅へ(仕事が終わらなかったら夕方から学校にとんぼ返りする所でした)。
 天神への電車内では、小松和彦『神々の精神史』読了。やっぱり何が凄いって、既存の民俗学の「ふがいなさ」に対する若者(著者の最初の論文集です)の怒りが充満しているところ。「私たち」という人称にも別に他意はないんでしょうけれどもアジテーションを感じてしまうくらいです。昨日、とある理由でご本を下さった国語科恩師先生とお電話でお話しした時に「こんなに怒りに満ちた本だとは思いませんでした」と感想を言ったら「だって、鬼の道を歩いているんだから」と一言でいなされましたけれども。表紙の翁面像からも(本書内の翁論の内容もあって)恐れ/畏れの念を感じてしまいますね……と、これは恩師先生にから受ける印象でもありますが(筆が滑った!)。

 13時半に落ち合ったHくんとは、西鉄グランドホテルの喫茶コーナーで90分ほどお話を。ケーキセットが2人で3000円という「舐め倒しとったらいてまうど」プライスで、終了時には3時起床体感19時の身体は酒欲ガルルゲージがMAXという状態でしたけれども、えぇそんなことは勿論おくびにも出さずに、滝の流れる美しい中庭を見ながら歓談です。
 小論文における文体と内容とのお話、進路や受験大学の話、A組出身者を中心に浪人生の情報、F校や校内模試の(卒業生にはお話しできる)裏話、等々。面談メインですけれども、(多分)人恋しい時期でしょうから雑談も色々。終了後15時に、HくんはK塾へ、私はジュンク堂へ。

 ジュンク堂丸善古書市とを90分ほど歩いて(古書市は規模が小さくて、あぁやっぱり神田神保町新宿等々東京は凄いね、と)、帰りの電車内では石牟礼道子藤原新也『なみだふるはな』読了、★★★★★。小松和彦に触発されて読み始めたわけではありませんが、神話世界に根を持つ石牟礼さんの美しい語りに聴き入る読書でした。次は、久しぶりの斎藤美奈子オバサマの本。
 夕食は野菜バル「B」にてカボチャ鍋。〆のリゾットまで食べてなおお腹に余裕があったので、帰りに餃子屋「G」で鉄鍋餃子を1枚。ここ、志村けんが日本一美味しい餃子とメディアで太鼓判を押した有名店で確かに、なんですけどもあんまり縁がなくて12年間で訪れたのは3回目かな(泥酔1.5次会とかの記憶がない訪問があったりするかも)。知らない間に、若い店員さんが手伝いで入るようになってました。ご主人とタメ口だったからご家族の方なのかな。あ、ご主人は相変わらず笹野高史そっくり。

 古屋兎丸古屋兎丸初期短篇集 禁じられた遊び』読了、★★★★。「エミちゃん」は御時世柄収録不可だそうです。古本屋で買ってね、というメッセージだったということは『Gaeden』って絶版になってるんですね。何ということでしょう!