お茶だけのつもりが 時のたつのも忘れさせ

 虹のコンキスタドールの1stアルバム『レインボースペクトラム』はヒャダインこと前山田健一師が手がけたデビュー曲「女の子むてき宣言!」待望の初音源化から最新曲「THE☆有頂天サマー!」まで虹コンのフレッシュな魅力が凝縮されたファン垂涎の逸品ですぞ~。ってのに事務嬢さんの「オタクか!」というツッコミを待ってたら「ムックか!」と言われました。ムックて。
 という訳で、本日は虹コンのアルバム発売記念イベントと即売サイン会……じゃない、F校の東京大同窓会の日です。63回生を中心に卒業生の姿を見るのが楽しみ。先ずは、我らがA組出身Bくんにメールして、15時青山一丁目の会場入りの前に13時渋谷ハチ公待ち合わせ。お茶でものお誘いは同窓会会場道案内要員確保目的。

 池袋に移動してお気に入りのネカフェで日記更新、聖地ジュンク堂本店にて新刊大漁。昨夜あれだけ飲み食いしたEくんは胃もたれ無しだそうで凄い、とつられて大盛を頼んでしまった北大塚ラーメンの激辛チャーシュー麺は最後まで食べられずにチャーシューを残してしまった。老い。
 ホテルに買い込んだ本を置いて、再びの山手線でぐるり渋谷。タワレコに入って最初に手に取ったのは谷山浩子のDVDでこれは完全な俺趣味購入、ですけど次に(わざわざフロアを移動して)買ったRHYMESTERのベスト盤は我らがA組Mくんの影響。こないだのカラオケ熱唱の時は勝手に若手だと思ってたら手に取ったベスト盤の帯に25周年って書いてあってベテランじゃねーか! とツッコむ。で、この人たちの名前はどっかで聞いたことがあるんだよなぁと考えて思い出した、ユーミンの40周年ライブで「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」をコラボレーションしてた人たちだ。ヒップホップ屋さんラップ屋さんの作品を買うのはKICK THE CAN CREWとかKREVAとか以来2組目です。

 渋谷ハチ公で落ち合ったBくんと青山一丁目に徒歩で移動。35も過ぎた中年になったからか、若しくはそもそもこういう街からお呼びでないと言われるような人生を歩んできたせいか、外からじゃ服屋とカフェとの見分けがつかないと言って元生徒に「まぁ、同じようなところも一体化してるところもありますし」と慰められる。
 結局、会場の青山スパイラルホールがある建物の1階のハイパーおされカフェにイン。昼飯をとってないというBくんはハンバーグプレート、私はさっきのラーメンの油流しに独(掛詞)ビール。19歳に仕事の愚痴を聞いて貰ってたら(何やってんだか)、F校史上最強女子57回生N嬢がパートナーと2人で入ってくる。
 N「あぁ、たっちゃ~ん。何してんの~?」
 私「早めに来て、可愛い教え子とお話してる」
 N「え~、あたしの方が可愛いじゃん」
 私「思い入れが違うの。これ、僕が担任した63回生。Nさんじゃちょっと古いかな」
 N「ひど~い」
 近くの席にN嬢が去って行ったあと、背後に立ったN嬢の顔を一度も見なかったBくんに「あれが、F校史上最強の女子」って言ったら「分かります」と言われました。「ねぇ、怖いオバチャンですよね~」
 N嬢が(お付きの者に持ってこさせた)高い(掛詞)ヒールに履きかえてる姿を見ながら飲み物のおかわりを注文したからでしょうね、ついモエ・エ・シャンドンとかアホかと。N嬢にも「何やってんの」と笑われてしまいました。

 今年の総会(同窓会東京支部の運営・会計報告)は僅か45分で終了し講師(卒業生)を招いた講演もなし、懇親会に実に3時間を割くという構成で、幹事学年(32回生の先輩方)の実を取る姿勢に感服……と思っていたら、ゲスト(虹コン)のスケジュール的にそうせざるを得なかった、という裏話。
 虹コンが来るから、かどうかは分かりませんが学生80人超を含む350人超の参加は過去最高なんじゃないでしょうか、青山一丁目のおされホールを借り切っての大イベント。47回生の同級生、には会釈挨拶程度はしますが基本畏れ多くて近寄れないコミュ障ですので、回生ごとに別れたテーブルは早々に63回生の方へ。昼からシャンパン・ビールを飲んでるから滑り出し好調、ビールと白ワインとを味わい、「喜多屋」の超特大樽酒を鏡割りの後は日本酒をぐいぐい。
 一番年上なら56回生、年下は63回生、という教え子学年の生徒をからかい酒。「泥酔してお父様と間違えて元担任に迎えに来い電話をかました」みたいに実際にあったことをネタにするのはまあ分からんでもないけれども、サークル部活掛け持ちしてるって理由だけで勝手にウェイ勢扱いするみたいなうざ絡みは我ながらどうかと思う。こないだまで自分のクラスの生徒だった「ウェイ勢認定などされるなら自害して果てるのが男ぞ」みたいな真面目くんに「どうせサンウェイ、マンウェイ、チューズウェイ、ウェンズウェイみたいに遊び倒して彼女の着回ししてんだろ」ってどんな担任だよ(Tくんゴメンね~)。

 さて、女子生徒の学校生活や文化人OBのインタビューを集めたショートフィルムも盛り上がった後、良い感じにみんなが酔っ払ってる所へ、大学生たちに口伝えで連絡が回って全員がそわそわし始める。ある君は背広を脱ぎ、ある君はペンライトを取り出し、ある君は早くも会場前方ステージに走り出し。
 結局それかいの本日メインイベント、ゲスト紹介されたのはF校OBを副委員長に擁するアイドルグループ、「虹のコンキスタドール」。

 47回生の同級生が思ってたより年を取った見た目になってたのには、35歳ってやっぱり中年なのだという事実を知ったショックと、でも僕とか数学先生とかは毎日学生に囲まれてるだけあって年の割には若い方なんじゃないのかなという慰めとを感じたのですが……。
 虹コンのステージを観て、「あ、僕、若くない」をしみじみと知る。
 動くのよあの娘たち。アイドルって、こんなに動くの? 8人(一人お休み)もいるんだからそんなにちょこまか動かれたら動体視力がついていけないんだよ止まれよ、とオッサン。元担任団としてはメンバーの中で興味があるのは副委員長だけだから彼女を追いたいのに最早残像しか見えない(40代以上の方は、笠置シヅ子だとか岸千恵子だとかが7、8人舞台上を駆け回ってると思って下さい)。止まったら死ぬのか? 顔を見られたくないのか? と「残像文化」を追いかけ必死で首を振りながら「身分け」る自己の老い。しかも、曲が速くて歌詞も何言ってるのか全く聞き取れないという事実が追い打ちをかける。
 でもって、大学生、若いのよ。「うぉい! うぉい!」「ぶふぉい! ぶふぉい!」と雄叫びながらヲタ芸キレッキレ。そうか63回生よ、あれについて行けるのが若さなのか。っていうか、4年間手塩にかけて育て上げた結果が「それ」か、としみじみ。

 3曲のミニライブの後、副委員長だけを壇上に残しOGとしての立派な挨拶、会場本日いちばんの大拍手。その後の歓談中、会場外で即売(サイン&ツーショット写真)をやっていたので、私も3枚購入。サインは私宛と在学中の担任先生宛(お土産)、残る1枚は誰にあげようかな。
 あ、そうそう。メンバーのパフォーマンスはあれだけ動き(踊り)ながら歌唱はCDと一緒、そして副委員長のサインの字は「答案の字と全然違いますね」

 泥酔組から別フロアでの同窓会二次会に誘われたり、最強女子57回生N嬢からお供の命令が下ったり、Hくんから61回生単独二次会に誘っていただいたりしたんですが、全てお断りして63回生3人(我らがA組出身のBくん・Eくん・Tくん)と4人で渋谷へ徒歩移動。パーティー会場ではほとんど食べ物らしい食べ物を食べられなかっただろうからということで、肉に魚に麺にと食べられる店でお喋り。
 大学一年生だから21時という良い子の時間に解散……の前に、こないだもK市の母ことHさんと電話で話させたEくんに二度目の会話を強制する(後日、最初は池ノ都のジーンズを強引に奪った子だと思ってたけれども2回お話ししたらとても素直な良い子で感心した、とお褒めの言葉を)。
 その後、誘って貰ったどこかの飲み会に合流しようかとも思ったけれども、一月前の全財産丸パクリ被害を思い出して自粛。山手線ぐるり大塚駅、ホテルで超がつく健康就寝。