B-U-N-K-E-I最凶のパイセン

 先ずは旅行中一緒に遊んでくれた皆様方に御礼をば。

 ということで、超がつく健康起床。2泊3日の旅行で荷物は少なく、ジュンク堂で買い漁った本も持ち歩けない程の重さではなかったので、今回は宅急便を使わずに全て持って帰ることに。山手線ぐるりで大塚→品川。朝食は品川駅構内のカレー屋。その後、Hさんと「もりき」へのお土産を購入して、喫茶で1時間ちょっと時間を潰す。10時台の新幹線だったけれど、こんなに健康に(酔いを引きずらず)起きられるなら1時間早くても良かったですね。

 さて、喫茶~新幹線車内では、本を読んだりCDを聴いたりといつも通りだったんですけれども、暇にまかせてツイ廃状態だったそのtweetを10tweets1400字一挙放出、でもって日記を書く手間を省く作戦!
 ①前のカラオケではMくん豹変に大笑いしてただけで全然気づかなかった。RHYMESTERベスト(2014年)の帯に「25周年」ってあって「ベテランやないか!」って突っ込んだんですが、いやこれだけ凄かったら長距離走者は必至だわ、と門外漢がいきなり納得したのは一聴で惚れたから……【続く】
 ②【続き】……ではなく、歌詞のクオリティに驚いたから。という訳で、聴く前から感服。とある評論家が「シラケつつノル」と書いた感覚をメンバーが「軽い絶望や裏腹なLOVE」と(歌詞ではなく、座談で)話したのに感心。日常語がリリックになる訳だ。業界の人たちには当然なのかも知れませんが【了】
 ③新幹線は品川を発車、最初に聴くのはRHYMESTER、ではなく虹のコンキスタドール。なんですが……辛いよぅ(泣) どの声がF校OGなのか全然分かんないままこれを一時間聴くのかと思ったら、3つ隣のパパが飲んでる缶ビールが輝いて見え……っつってもK市に着いたら学校だしなぁ。うぅ……。
 ④副委員長ゴメン! こういうのが全く分からない人間だと分かったのは良かった。聴き通した後でファンになってたりしたらどうしようと心配してました。「カワイイ」のかどうか以前に、この世界における文体と身体の作法とを心身が理解していないので、判断も感想も出て来ないのです。あ、あと3曲……。
 ⑤斎藤美奈子『ニッポン沈没』の「シラケつつノル」主義、「圧に抗して3・11に拘泥する『バカか偽善者』にこそ、私たちはエールを送るべき」「安易に希望を語ることはできません。しかし私は、絶望もしていません」に、RHYMESTER(の『マニフェスト』収録曲)が合う。評論・詩集の並行読書。
 ⑥結局、「この人とこの人って同じこと(真逆のこと)言ってるよね」というのを知ることだけが国語(的コミュ)力だと思うんです。定期テストで執拗に複数文章の関係を問うのも、特講で過去問同士の概念・論理の共通性・反復を論ずるのも同じ理由。色んな人が、色んな観点立場媒体で同じこと言ってます。
 ⑦虹コンは文体も作法も分からないのと違い、RHYMESTERは文体は分かって作法が分かんない、要は曲に身体がついていけない(笑) 但しリリックとリズムとは一体不可分で片方のみの理解は有り得ない、なら歌詞誤読かも。ま、誤読の自由はあるよね、国語(的コミュ)力には多少の牽強付会も必要。
 ⑧「もし それが現実じゃなくて もし ただの幻想だとしても もし 届くなら届けよう その先の景色見届けよう」ってCDなら10秒なんですが、これが国語教師が何回喋っても添削しても巧く伝えられない国語(的コミュ)力の定義。どうやら一度活動休止して復活した時の詞らしく、正に然もありなん。
 ⑨小田嶋隆『超・反知性主義』とRHYMESTER「余計なお世話だバカヤロウ」との親和も凄い。つか「『オメーもだろ!』って、そりゃそうかもだが」とか「8割方はマジで余計なお世話だよ」とかの留保でヒップホップの方が国語(的コミュ)力で光る。流石「B-U-N-K-E-I最凶のパイセン」!
 ⑩という訳で、受信「この人とこの人とは同じ(真逆の)こと言ってるよね」、送信「もし これが現実じゃなくて もし ただの幻想だとしても もし 届くなら届けよう その先の景色見届けよう」、の二面から国語(的コミュ)力について偶想。RHYMESTER歌詞カード、いい本でした、★★★★★。

 斎藤美奈子『ニッポン沈没』読了、★★★★。
 虹のコンキスタドール『レインボースペクトラム』、★★★。
 RHYMESTER『The R ~The Best of RHYMESTER 2009-2014~』、★★★★★。3曲選ぶなら「ラストヴァース」「余計なお世話だバカヤロウ」「K.U.F.U.」で次点が「Come On!!!!!!!!」だったので、その内3曲が入ってる『マニフェスト』は近い内に買おうかな。

 K市着16時。そのまま学校入りして18時まで仕事。Hさんち経由で「もりき」はお土産のお渡しでこれにて旅行は終了。

 橋本治『いつまでも若いと思うなよ』読了、★★★★★。老いの実相を描いて好著。かつて生徒向けに配った読書推薦文で、「老い」を描いた傑作3冊として森於兎『耄碌三昧』、北林谷榮『九十三齢春秋』、山田詠美『学問』を挙げたことがありますが(こういうのは正に高校の内に触れておくべき)、5冊選ぶなら入れてもいいな、と。
 浦野光『僕らを育てた声 浦野光編』、北川米彦『僕らを育てた声 北川米彦編』読了、★★★★。歴史に対する敬意は分かるんですけれども、それが過度になりすぎるとちょっと。インタビュアーの唐沢俊一はそういうタイプで、今の若手声優の没個性への苦言(有難いアドバイス)を引き出そうとし過ぎです。大塚周夫みたいなタイプならいいかも知れないけれども、今回の2人は積極的にそれを言いたいタイプじゃないみたいでした。