死ぬ死ぬと言ふと思へばいきますよ

 野矢茂樹『哲学な日々』が面白い。
 南木佳士山田詠美・大庭みな子など、自分の小説が採られた入試問題が解けなかったという体験を皮肉交じりに書いた随筆は多いですが、何故か誰の文章も(いつもより)面白くなくなる。で、本書『哲学な日々』の中には評論の筆者による体験談。大学教授として試験作成に、また国語教育にも携わっている筆者の、試験の真実を知る故のユーモアを抜粋。
 「思い出した。入試問題というのは、著者の声を聞きとる以上に、この問題は何を狙っているのかという出題者の声を聞きとらなければいけなかったのだ。しかし、その問題に向かったとき、私には出題者の声が聞きとれず、著者の声しか聞こえなかった。だって、著者なんだもの」
 素敵です。

 下ねた~る。
 以前、「儒者の妻ああ滅します滅します」というのに声出して笑ったことがあるんですけれども、江戸~明治にかけて100年ちょっと、「艶句(バレ句)」というのが庶民文化として流行ったことがあります。春画ブームの次は……って程にはならないアンダーカルチャーではあるんですけれども。
 国語科恩師先生からの玉葉は「パイパイにつつまれし夢ハンモック」の風天(渥美清)句に、「抱けば『卵巣ないのよ』と涼し」と七七を。「春画展」図録、お喜びいただけて何よりです。

 さて、本日は母君の2ヶ月に1度の検診。K市の大学病院(F校の親玉)にて無治療経過観察を始めて1年。本日のCT・血液検査も異常なしで安心。1年前のガンマナイフの跡が脳に白く残っているのをMRIで観察して、その後は検診の間隔を3ヶ月に延ばして良いかも、と主治医の先生。但し、そのMRIが来月に設定されたので、2ヶ月の間隔が短くなったように感じられて母君は不安のご様子。

 母君とは午前中にお別れして職場入り。午後一番の仕事は、中津の教育委員会の視察にお付き合い(高3の授業内容のご紹介&質疑応答)。これは1時間半程で終了。その後、一橋大学特講は藤田省三の200字(140字)要約。相変わらず深刻な文体です(大好き)。

 特講の後は、血痰ネーミングショッピングモール「You Meタウン」に出向き、中島みゆきさんのニューアルバム&Blu-ray、及びRHYMESTERマニフェスト』を購入。
 帰りに「もりき」に寄って酔って因って音楽視聴は明日以降に。