丸い輪の世界

 予定通り4時30分に起床、6時前に学校入り。東大特講添削の残り40%も8時までには終了し、無事に朝のSHRで返却することが出来ました。葛根湯のお陰か体調も悪くない。
 ただ、土曜の特講でも生徒に話したのですが、舌の先っぽ(左側面)に口内炎が出来たのが地味に(喋ってる時には派手に)辛い。何をしててもじんじんとした痛みを感じて日常生活を阻害され、風邪や熱やでは殆どびくともしない人間がこんな小さな白斑に負けそうになるのかと驚き(舌に口内炎が出来たのは記憶する限り初めてのことです)。授業中に喋っていて、歯の裏や口蓋に触れると激痛が走って時には声が出そうな程。教壇が地獄。本日は授業がない(放課後の文系東大特講のみ)のでまだ楽ですが、明日は2~8限の7時間連続授業です。

 放課後までフリーなので、明日・明後日以降の授業準備をガシガシ。水曜日に現役生(高3)が校内模試を受験したら、日曜の浪人生答案と合わせて採点を始める予定。

 そして、昼のPC室でインターネットを開いて訃報に接し、「あっ!」と声を上げたきりしばし絶句する。

 父親より父親。
 【幼い鍵っ子が毎日毎日貪り読んだ妖怪図鑑は、その味のある解説を通じて彼に日本語を教え、近世以前の世界や文章が彼に近しいものであることを教え、見えなくても存在するものがあり彼はそれと意を通わせ合えることを教えました。彼を日本人にし、長じて国語教師たらしめたのは水木しげる翁です。合掌。】(この段落Twitterより、140字)
 人間ならざるものを知ったから人間になれた。そして、「われ・もの・ことば」の3項関係の話も、共時的・継時的他者との関係の話も、見えない他者とのコミュニケーションの話も、国語教師として教壇で毎度のごとく話す概念の多くは上記、4歳の時に水木翁から学んだことの焼き直しに過ぎません。上記ツイート、「彼」と書かず「私」としていたら、多分書きながら泣いていたと思います。

 特講は東大文系最終回、09年の原研哉『白』。「書く」ことによる個の復権、あなたたちは文系を選択できて本当に良かった。幸せになって下さい。

 「もりき」定休なので市内のおでん屋「H」で独酌(ビール・日本酒、の後で焼酎をキープ)、帰りに電話をいただいたHさんちで日本酒を飲んで、我ながら今日は少し飲み過ぎ。