あきらめないで

 目覚めたら、9時。

 「私は明日1限の授業が控えておりますので。日常性の維持を貫く故の不義理、F校の為という理由をお含みいただいて何卒」と言い残して同行の2人と別れて帰宅し、昏々と眠って目覚めたら、9時。1限の授業が始まるのは、8時55分。

 「そっか~、私、1限の授業に遅刻するのっか~」って清水ミチコがモノマネする真矢みきみたいな感じって言ったら通じるのか否か、何というか、逆に落ち着きますね。これが目覚めたら8時半とかだったら慌てふためいてパニックに陥ったりしたのかもしれませんけれど、時計を逆に回さない限り間に合わない、って状態だと開き直るしかない。
 枕元の携帯から職員室に電話をかけ、高3担任団の先生に授業のある高3B組は自習をして貰うことにして(こういう時の為に準備した訳ではありませんが、解かせる問題は印刷室にストックがあります)、気持ちは落ち着いているものの行動はマッハ、洗顔・歯磨き・着替え、タクシーで学校入り。起床が9時で、学校入りが9時13分でした。

 9時15分に高3B組の教室に入りまして、寝坊で遅刻したとお話ししたら、意外だと生徒がざわつく。何が日常性の維持原理主義者だ、という話ですね。教壇で深々と頭を下げる私にお生徒さんたち「日常性の維持が」「謝罪会見だ」と口々に。
 正規の授業ではリービ英雄「『There』のないカリフォルニア」のセンターを扱う筈だったので、授業後半20分を使って解答してもらい、解説は4限終了後、SHRの前に行うことで(辛うじて)全クラス横並びの進度に出来ました。

 誤りました、謝ります、過ちは繰り返しません。

 2限は中3漢文の定期テスト出題。半ドンの午後はその答案の採点をガシガシと。今回は、素点95点、平常点5点。となると答案には、素点・平常点・合計点と3つの点数を示す欄をつける必要があるのですが、今回は平常点を書く欄がついていません。平常点は、出席や小テスト・提出物などを基準につけるのですが、今回基準を提出物(毎時の終わりに提出するその日の授業プリント)だけにしたら全員満点になってしまったからです。こんなの、12年間F校に務めて初めてです。中3って、中だるみの学年じゃなかったっけ?(別にそれを勧めている訳じゃないですけど)
 でもって、今回の定期には、センター99年追試、司馬遷史記』をそのまま出題しました(ボーナスの実力問題として)。現在の「国語Ⅰ・Ⅱ」より易しい「国語Ⅰ」(かつて数年間だけ存在した科目)からの出題ではありましたが、初見の文章について5択問題が7題あって完答が161人中14人いたというのは大変立派。流石のF中生だ、と正直に感心。

 夜は「もりき」でお刺身……を食べようと思って入店したらマスターが仕入れたばかりの鴨を捌いてたので急遽鴨刺しに変更。「二度と遅刻はしない決心は、晩酌と両立する!」と言い張る私、えぇ勿論飲みましたとも。こっちだって日常性の維持じゃ。

 臼井儀人&UYスタジオ『新クレヨンしんちゃん(5)』読了、★★★。