夜はまだ早いから せめてはしご酒

 コンサート終了後に飲み始めて、通常に比べたらずっと遅い時間の就寝だったのですが、結局は5時台に目が覚めてしまう「日常性の維持」、っていうかお爺ちゃん。帰りの新幹線は指定席を取ってはいなかったのですが、8時4分出発の便の自由席に座れました(新大阪始発なので)。
 140字。【プライベートな旅行なので学校関係者へのお土産は買いませんでしたが、年休2日間の高3センタープレ監督割を融通してくれた同窓同僚数学にだけはお菓子を。奥様(新人体育)とお二人で……と手に取った「面白い恋人」はあんまりに直球なんで取り止め。大体、もう「恋人」じゃないし。ティラミス無難。】
 上記内容を新幹線から数学先生にメールで送っておいたら、昼から入った職員室で会った瞬間に何とも言えない表情をなさり。「はい、これ、お礼のお土産」とティラミス無難をお渡し。

 と言うわけで、8時過ぎの新幹線でK市に戻り、先ずは一旦自宅へ。荷物を置いて、持ち帰った洗濯物を洗濯機に入れ、昼過ぎに学校に入りました。
 140字。【13時に学校に着いたら正門からぞろぞろ生徒が出て来て、てっきり日曜だと思っていた今日が土曜だと知りました。高3は月曜成人の日が出席で教員も出勤、とは言え明日の日曜は丸々フリー。冬休みが一日延びた気分でこれは嬉しい。嬉しい序でに中3の課題テスト採点と授業準備とを終了。明日は自由だ!】
 仕事は上記の通り中3の課題テスト採点と授業準備と。テストに一問出題ミスがあったので(正月ぼけだ!)、それについては全員正解にしました。申し訳ない限り。

 さて、「明日は自由だ!」と思いながら迎えた夜、勿論向かうは「もりき」で、ここでお土産を渡すまでが旅行。常連のHさんもお出でだと聞いていたので、Hさんへのお土産も店内でお渡し。Hさんへは大阪土産と、こないだ我らがA組Bくんから貰った日本酒一升瓶。日本酒はHさんちの大きな冷蔵庫で冷やしていただき、一緒にご飯を食べながら飲むんですね。フライングで味見したら、偉いこと美味しくて新年から縁起が良い。
 一人で入店の私、先ずは牡蠣を具材にトマト鍋を作ってもらい、〆に素麺を2束入れてもらう。今朝は新幹線車内で8時に大量の「柿の葉寿司」を食べており、これだけでもう2日分くらいの食料を胃に押し込んでいることになるのですが(絶賛正月太り週間を爆走中)。

 「明日は自由だ!」の夜はこんなもんじゃ終わらない。タクシーで文化街まで出かけていって、こないだ我らがA組Mくんを深夜に連行したライブバー「A」に入店。カウンターで90分程飲んだ(店員さんのリクエストで尾崎紀世彦「また逢う日まで」を歌った)後、その隣のビルの小料理屋「S」に入店。F校先生御用達のお店に、幹事キャラとして新年の挨拶、がてら総菜にビールにをかっこみつつ懐メロ三昧。の店を出た所でダメ元でメール送ってた58回生Fくんから「今から飲めまっす!」のメールを受けその5分後にはFくんが見知らぬ友人と2人でやって来たのでんじゃ少しだけ、とまさかの「S」に再入店で再び総菜だビールだカラオケだ。
 ……日付は大きく越え、都合4店で大飲み食いした身体がどうなっているのか、そして「明日は自由だ!」の「明日」の時間のどのくらいをベッドの上で空費することになるのか、等ぼんやり考えながらタクシー帰宅。

 旅行中に読了した米澤穂信『真実の10メートル手前』(★★★★)と、もうすぐ読み終わる寺田寅彦随筆集とに共通して出て来た話題が、見ているのは目ではなく脳だ(人は見たいものしか見ない)というもの。当たり前すぎて内面化している常識が見えない、とても常識では信じられないものが見えない、という両極は要するに「みたいものしか見ない」脳の働きのため、というもの。
 この手の話を聞くといつも思い出すのが、数年前の校内模試で女優の北林谷榮の随想を出した時(文系専用現代文)。巡業公演の旅先の宿、幼い娘が熱湯に落ち爛れて死んだという報を受けた筆者が、狂気のように部屋を歩き回った後、ふっと鏡台の覆いを外して自分の顔を見た。というこの「鬼のような」(傍線部)の意味を説明させたら正解が5%を切った。読めないはずはありません。信じられないから見えなかったのでしょうか。