まるで犯罪の痕跡のやうに

 一向に解ける気配のない雪を踏み分けて、8時30分の出勤。入試採点は終わり、今日明日は関連の会議や発送業務やを行います。明後日は代休で、明日の午後からは楽しい1泊2日唐津旅行(は、雪道大丈夫なのか、とちと不安)。

 午前中に、中校入試の採点を経て、国語科入試の事後検討会議。
 この科内検討では、毎年毎年必ず「少なくない受験生が設問の意図を全然汲めていない」という話が出てきます。本文を概観して「っぽい」キーワードをコピペして答案を作る、というだけでちょっと前までなら「何考えてるんだ、っつーか考えてないんだ!」と国語科中の教員から言われていたそのコピペについてすら、最近では抜き出すフレーズの選別も、解答欄・設問指示に合わせた表現微調整も、年々下手になってきてます(特に後者の微調整、てにをは意識はゴーンウィズザウィンド?)。
 でもって、特に中学入試で多くて目茶苦茶気になるのが、設問に傍線を引きながら読んでいって、大切だと思うフレーズが出てきたらそれを丸で囲んだ後、囲むだけにしといたらいいのに理解したという証なのかわざわざ上から斜線を引いて消す受験生ね。大抵、設問のどこをも読めてないんじゃないかと想像します。というか、春から行きたい志望校の、春になったら会いたい教員が書いた言葉を無造作に潰しちゃってポイ、みたいな行為に違和感を持てない神経は端的にダメです。と、もしも中1の国語を担当するようになったら最初に言うんじゃないかな、私。

 本日のお昼は出前の鰻せいろ蒸し。F校入試期間恒例、高校入試採点の翌日に、労いの意で職員に提供されるのです。
 怒濤の採点業務で疲弊した身体に、っつーかぶっちゃけ2日連続の採点地獄から解放された夜なんざ飲むに決まってんだろという鯨飲馬食から一夜明けた胃に、毎年毎年「この鰻は何でこんなに重いんだ胃もたれやばいぞ」とブーブー文句を言う教員は多数(完全に自業自得ですけど)。でも、労をねぎらっていただけるそのことが有り難い、と12年目の教員しみじみ。経費節減の折、遂に今年からはこの鰻は自腹を切らないと食べられないようになったのですが、そこは教員同士お互いがお互いを労い合っている和気藹々、と思えば思えないこともないでしょうけどほんとに不景気ってやーね。
 で、少なくない教員の今日の新発見。「俺ら毎年高校入試の夜、飲み過ぎとったね。今日の鰻、重たくない」 豪雪でちょっと一杯をあきらめて健康な夜を過ごされた先生方の、次の日の鰻の旨いことっつったらあんたこれ。

 さて、お昼過ぎに本日の業務が大体終わりました後は、豪雪の学校で過酷な業務に励む教員一同の身体のことを鑑み、管理職の先生のお計らいで「全員即解散」の令。ですから、今日も一寸一杯、の雰囲気は絶無ですね。あら残念。今日までホテルに2泊の先生方も、今日は学校に駐めておいた車で帰られるそうです。
 徒歩15分の私が帰る理由などどこにもなく(家でやることがない、というか職員室でやらなければならないことしかない)、高3の東大(池上哲司)・京大(阿部昭)の特別講義のプリントを作成・印刷の作業。2つ合わせて18時には終了し、その後ほぼ無人の職員室の(3日分の)ゴミ箱清掃。シュレッダーも合わせて、業務用5袋分のゴミが出ました。別の先生に手伝って頂いてゴミ捨て場まで運び、全ての業務終了は18時30分。

 えぇ、勿論飲みに行きますわよ。
 路線バス復旧ということで、西鉄まで出てお気にの小料理屋「A」に。入店後、ママさん開口一番で「昨日の高校入試、大丈夫やった~!?」と。流石、63回生某お母様の親友、部外者ながらF校の日程にまで通じておられる。
 小鉢3品(絶品)と最初の一杯でセット2000円。瓶ビールを頼んだら小瓶が出てきました。小瓶ビール独酌は人生初。幼稚園の時に初めてカセットテープで聴いた研ナオコ「くちぐせ」の歌詞に「小瓶ビール」ってのが出てきて以来、これを飲むのは大人だとず~っと憧れていたのです。だから私は今日から大人なのよ! と思わず写メを撮るあたり子供感パねぇ。