終電で帰るってば 池袋

 いきなりですが、以下140字。
 【朝9時に働いてない、という時点で圧倒的な非日常。お早うございます。今日から3泊で東京出張、明日24日が東大受験下見、25・26日が受験生の激励です。下見も激励も拘束時間は少ないので、他は読んで飲んで食って喋って歌って、と命の洗濯。ご一緒して下さる皆様、どうぞ宜しくお願い致します。】

 8時までたっぷり寝だめして入浴、家の前のディスカウントショップが9時にオープンするのに合わせて旅行、じゃない出張中に必要な諸々を購入。ところへ、われ等が文系A組某くんから慶応大学合格の報告が入ってきたので、学校の進路指導質に報告の電話。をしたら、応対に出たのが、現在絶賛インフルエンザ中の体育先生と金曜日に個室カラオケ3時間、という危険な体験を共にしたFKC会員の事務嬢さんでして。
 嬢「連絡有難う御座いました。ところで/」
 私「あ、私、インフルとか関係なしの健康体ですんで! 元気に東京に行ってきますんで!」
 嬢「私もなんです。でも、体育先生と同じマイク使いましたよねぇ?」
 私「全く、ここぞで倒れるのはいつも体育会系なんだから!」

 門司港行き快速で博多に出て、品川までは新幹線。かに飯の駅弁(旅行中は昼食だってとります。非日常ですから。あ、出張でしたね)は小倉に着く前には食べ終わり、長編小説を一気読みしたり、CDアルバムを歌詞カードを読みながら1枚通したり、スマホのアプリ(RPG)で小一時間遊んだり、圧倒的な非日常ならではのお楽しみ。
 CDはKANA-BOONの3rd『Origin』。2ndがつまらなかったんで余り期待していなかったのですが、これは良かった。私は楽器を弾ける人なら無条件で崇敬する人間です(あ、高嶋ちさ子の話をしてる訳じゃないです)のでこれまで気づかなかったんですけれども、私がこのKANA-BOONを見ている時の視線、完全に「私が好きなタイプの答案を頑張って書いた生徒」に対するそれになってますわ。こういう感覚で音楽を聴くのは初めてのことで、我ながら上から目線で「萌え」てどうなるんだ、とツッコミたいところ。老害かよ。
 で、それを聴いているCDウォークマンの音トビの酷さがどうにも気になる。昨秋東京で全財産丸パクリ(置き引き)された時に愛用のソニーウォークマンもハズゴーンネヴァートゥリターンの憂き目に遭いまして、買い直そうにも生産中止、仕方がないから知らない会社の代用安物を買ったらこの音トビ。
 上京時には何か一つ人生初体験を、と自分に課しているその初体験、今回は携帯からamazonということに。中古品が出品されているのを、新幹線の中で衝動的に注文してしまいました。K市に戻った時には、学校に届いているはずです。

 池袋の定宿にチェックインした後は、荷物を置いてすぐに駅西口に。「ハイチオールC」も「ペパリーゼ」も飲んで、さし飲みの約束相手は自衛隊(幹部候補生)のAくん。K市で訓練していた昨年「もりき」で親しくさせていただいた彼が、先月末に東武練馬異動。なら池袋で飲まない手はないぜ、とお約束。焼き鳥大好き、日本酒大好き、のAくんの池袋西口ツアーを、10は年上のオジサンがプロデュースしちゃいます。

    一軒目は「韓二郎」。ここでは今夜全体の「突き出し」代わりに、レバーやささみの串(K市の人でも満足できる味だと思います)と韓国料理の野菜。飲み物はビール。Aくんが鼻をグシュグシュさせていたので風邪かな、と聞いてみたら花粉症だそう。私も花粉症は持っていますが全然分かりませんでした。

    二軒目は「酒菜家」。恒例の刺身三点盛りがなぜか7種以上入ってます、に舌鼓で飲み物は1杯目から日本酒。私もそうなんですけれども、Aくんも日本酒は「もりき」ではまったクチなのでそのラインナップから外に出ない。取り敢えず私、最初はやっぱり鉄板の「村祐」から入ります。最近の「もりき」はあまり「村祐」を入れてないのでAくんは飲んだことがないらしく、一口差し上げたら「甘い! 新潟とは思えない!」との感想で得たり。でもって凄いのは東京プライス、「鳳凰美田」のフェニックスが0.5合で1130円というのに二人で大笑い。「もりき」の倍じゃきかない価格ですよ。Aくんは、「日本政府専用機正式機内酒」との紹介に秒で殺られて流石自衛隊、福井「梵」の「日本の翼」というのを迷わず注文、これが0.5合で1280円! 店員さんは箱と四合瓶とを両方カウンターに置いてくれまして、「写真撮ってもいいですか?」の質問に慣れた顔でオッケーのサイン。メニュー表と合わせて写メりましたよ。

    三軒目は「あんぷく」。愛知県出身のAくんが、私・Hさん・もりきマスターの3人にお土産の味噌を持ってきて下さいまして(おでんや豚カツにつけて絶品だそうです)、話が自然御国自慢になったので、じゃあ最後の〆は味噌煮込みうどんにしよう、と選んだのがここ。味噌煮込みうどんがあるかどうかは自信がなかったのですがおよそうどんなら和洋中どんな味付けでもある、というあたりをつけて入って果たして。この店も日本酒のラインナップが良いので私もAくんも満足。

 さて、自衛隊進学校とで話が合うかというとこれが合う。異動直後から年上含めて部下21人だというAくんの苦労は、学級担任と同型のものなのでした。
 年上の部下が掃除をさせてくれない、とこぼすAくんのお悩み、私同じものを56回生警察庁Mくんから聞いたことがあります。一年目にして「こち亀」の大原部長より偉いMくんが研修先の交番を掃除してたら年上の部下が殴られた、という話。縦社会ですね。「黒板くらい消してくれてもいいのに」と自分のクラスの生徒に言ったら「お前はトイレの後で人にケツを拭かせるか?」と返された教員の話、聞きます?
 後は、同人に艦コレにと、そういうトレンドに詳しい若者だという顔も、聞き役の私を喜ばせるのでした。K市のHさんに電話したりもしながら、結局3軒3時間強のツアーはAくんの門限を考慮しつつ解散。またいつかの約束もしっかりと。

 ホテルに戻って即寝落ち、その10分後に63回生文系東大組からイタズラ(?)電話が入っていたのですが、それに気づくこともなく昏々。