時間が まだ早い パブで飲むには

 2月25日、前期入試1日目。
 朝の外は真冬の寒さですが、未明前にやんだようで風雨雪は無し(地面のスリップに注意、というレベル)。本日は64回生文系組の応援で、8時に駒場東大前駅です。ノリというか乗り掛かった舟で、昨日のBくん・Eくんも応援に来てくださるそう。
 行きの山手線の中では、時代錯誤社のメンバーが「予想問題集で~す」と誠実を装った顔で配布する「いやげ物」のネタの予想で遊び。現代文の出典はなんだろう、と考えて思い至ったのは小保方晴子『あの日』なのですがズバ的はあるのでしょうか。

 8時の極寒、駒場東大前駅西口は、電車到着の度に駅アナウンスが「本日は東大入試で~」と激励の言葉。こういう小さな気遣いが温かい……とか言ってもお言葉だけでは暖は取れず、お手伝いEくんとともにコンビニに行ってホットコーヒーを買ったら大学生の方はオランジーナ買いやがったお前今寒い寒い言っとったやんけ。
 寝不足緊張、コンディションは様々でしょうが集まった64回生文系諸氏は割と元気そうな人が多く。実際はそうではない人も、友人同士で集まったらそういう風に振る舞う、そしてそういう風に振る舞う内に元気というものは自然に出てくるものなんですね。日常性と集団との力。
 まさかわざわざ顔を見せに来ることは無いだろう、と思っていた63回生浪人組も2人(Hくん・Mくん)、顔を見せてくれました。頑張れ頑張れというのもあれなんで言葉少なな世間話程度でしたが……Mくんと一緒にいらっしゃった初めましての(F校卒業生ではない)浪人某氏はなかなかの毒舌家さんみたいで(軽い目に)64回生現役組をディスって下さったんで、先生も嬉しくなっちゃってお返しに浪人をディスり倒してみました。ちょっとムッとなさったみたいですけど、そこは刺しつ刺されつですから(にっこり)。とまれ、彼ら3人にも絶対に合格して欲しいところ。
 今日も付き添いのお母様方からは、大学1年生Bくんが大人気。勉強のこと、大学生活のこと、連絡先の交換なんてまぁ、遠巻きのEくんが「なんでBちゃんだけ」と嫉妬する程で「だからそれは昨日の働き方の問題だろがよ」
 去年とちょっと違ったのが、東口から正門までの人出(封鎖通路の外に集まった外野の、付き添い・予備校関係者・マスコミ)が去年より遥かに少なかったことと、当局から排除されたのか時代錯誤社が居なかったこと。どちらも拍子抜けで、時代錯誤社に関しては、受験生に見つけたらゲットしておくようにお願いしました。

 さて、9時過ぎには全員が入場して応援組は解散、朝だけで当面の仕事が終わってしまうんですね。取りあえず63回生3人(担任1・生徒2)で朝ご飯でも、と中には入れない駒場キャンパスの外側を大回りして(「千里眼」~「山手」コースです)、神泉経由で渋谷へ。Bunkamuraの辺りに出た時に、Bくんが「奥渋谷」を探索したいと言いだしたので、暇人2人もそら面白そうだとへ~こらついて行く。で、奥渋谷散策……の果てに辿り着いた代々木公園のどおされカフェ。客の7割が外国人、ペットOK、の脱日本空間で朝食。Eくんはエッグベネディクト、BくんはBLTEサンド。エッグベネディクトなんて、加藤和彦の「ニューヨーク・コンフィデンシャル」の歌詞でくらいしか知らず、料理自体目にするのが初めてです。私は……ま、非日常ですからということでサラダと生ビール。2時間後にはオツカル様と合流してカレーランチなので、固形物はとらずです。3人のモーニングで4500円払ったぜ。

 11時前に2人と別れて、代々木公園→大手町→木場、到着が11時15分でジャストオンタイム。ここからはオツカル様とのランチ&カラオケデートという至福の時間。
 私「朝からビール(1杯だけ)飲んでさぁ」
 オ「顔、赤いもん」
 私「あ、ランチビールあるんだ」
 オ「飲むの?」
 私「やめとく」
 食べロガーのオツカル氏曰く、木場は何にも無い町だけれども、食べログ4.0超の店が集中しているそうで今日はその中のカレー「カマルプール」。ど平日の11時15分に2人が到着した時には流石に他の客はおらず、15分待ってる間に何人か来るのかなぁ、程度だと思っていたら30分の開店時には店内があっという間に満員になる行列で(さすが「孤独のグルメ」!)、テーブル4つとカウンターで計20人程度。一番乗りの私とオツカル様は、共に同じメニューを注文。ワンプレートの上にルー2種類(チキン・ポーク)、ライス少々、ナンはプラス料金でチーズクルチャに、小さなサラダ。これで1050円は安いと思います。
 タンドール料理を売りにしているお店、とろっとろのチーズクルチャは絶品で、これだけならK市の今はなき「Sally」を超えてるかも、と。残念ながら、ルー・ライス・サラダはそこまでの物ではありませんでしたが、それでも十分以上に美味しかった。「Sally」より遥かに安いし。

 15分並んでいる間に、Twitterで先程終了した東大国語(文理共通第一問)の出典が内田樹氏だった(氏が編集した『日本の反知性主義』の前書き「反知性主義者たちの肖像」だったそう)。第一印象を、先ずはその場で140字投稿、以下。
 【東大第一問は内田樹氏だという噂(『日本の反知性主義』の前書き「反知性主義者たちの肖像」)。東大が折紙をつけたのが、良くも悪くも総花的だったあの本にだと思うべきなのか、それとも内田樹氏ご自身にだと思うべきなのか。何れにせよ、氏の昔の文章には他にもっとキラキラしたものが沢山あります。】
 嘗ての総長が著書の中で「この人阿呆なんじゃないの?」と批判した学者の文章を入試現代文で取り上げるなんて、まぁ東大も懐の広くなったこと、とこれはご本人自体が驚いておられるんじゃないかとTwitterを見てみたら、果たしてご本人自身が驚いておられました。この後、内田氏のアカウントへはきっと受験生・外野問わず様々な「呪い」の言葉が投げかけられることでしょう。文章はうっすら覚えていますが設問を見ていないので、内容についてのコメントはこの(上記140字の)時点では出来ていません。ただ、人気者の文章ですから、出題側の意図推測欲求、個人的な生理・思想的好悪、を誘発する極めてスキャンダラスな出題だと言えるのではないでしょうか(大袈裟)。

 木場から池袋へ移動。先ずは、K市に戻った後で「もりき」にお持ちするお土産(お菓子)をデパ地下で買おう、とする。
 私「高校生の姉弟なんだけど、何かオススメあるかなぁ?」
 オ「ガトーフェスタハラダのグーテデロアは?」
 私「?」
 オ「だからガトーフェスタハラダのグーテデロア」
 私「何それ?」
 オ「え、知らないの? ガトーフェスタハラダのグーテデロア」
 私「教えて欲しいと頭を下げる前に、その手の固有名詞を(無職のくせに)よどみなく早口で言うきみを殴りたい」
 オ「ガトーフェスタハラダグーテデロア」
 私「うるさいな。何なのそれ?」
 オ「ラスク」
 私「っつったら何となく。あの銀の包装紙のやつかな?」
 オ「それはホワイトチョコがかかったガトーフェスタハラダのグーテデロアホワイトチョコレート
 無職のくせに、をぐっと飲み込む。でもって、ラスクはベタかなぁと思い、同じくオツカル様オススメの「CLUB HARIE B-studio」のバウムクーヘンを購入しました。だからなんでこの人はこんなに詳しいんだ、一人だったら絶対買ってないぞこんなの、と。

 その後は、今回の旅こ、じゃない出張のメインイベント、オツカル様との2人カラオケ! なんですけれどもその前に今度は東大文系第四問の出典をちょいと調べて、堀江敏幸の随想ということを知る。あ、これは男子崩壊だわ。以下、140字。
 【そして、文系第四問は堀江敏幸の随想みたいですね。これはF校男子にはちょっときつい。最後のテスト会で鉢飼耳の随想「馬の歯」を出しましたが、女子一人を除いて全員ずたぼろにされてましたもんね。(例外はありますが)評論・随想を隔年で繰り返す東大文系第四問の、今年は(F校にとって)外れ年。】
 「馬の歯」の添削を受け取った64回生男子某くんが、「全く分からんかった」と。「ですよねぇ、こういうのは見た瞬間『あかんヤツや!』って分かるはずだから」「そうそう、本番でこういうのが出てたら皆解けん、って逆に安心すると思う」
 逆に安心できました?

 さて、池袋西口「カラオケの鉄人」にて150分の勝負。実は昨日の夜から花粉症の症状が出て来はじめて喉鼻の調子は最悪ですが、遊びにそんなのは関係ありません、それでは、先行オツカル様から行ってみよう!

 オ①ゲスの極み乙女「両成敗でいいじゃない」(2016年)
 池①KANA-BOON「机上、綴る、思想」(2016年)
 オツカル様は今年元旦発売の予言ソング、私はこないだ買ったアルバムの収録曲。
 池「もの凄い予言だよねぇ。でもさ、あのスキャンダルってさ、ぽっと出のバンドマンがバンギャ食べちゃったら、一気に損保ジャパンとローソンと花王と太田胃散と、ってのが敵に回ってたってストーリーだよねぇ」
 オ「まぁ、そうだね」
 池「ハリウッド映画だったら、まだ開始5分くらいだよ?」
 オ「あはは、タイトルも出て来てない」

 オ➁清竜人「りゅうじんのエッチ~ぼくのばちあたりな妄想劇~」(2012年)
 池②ガガガDX「にんげんっていいな」(2008年)
 池「おっ、出た、清竜人!」
 オ「そっちはガガガ!」
 池「って、曲以外全然知らない人たちなんだけどね」

 オ③globe「Can't Stop Fallin'in Love」(1997年)
 池③小泉今日子木枯しに抱かれて」(1986年)
 オ「あのさぁ……」
 池「何?」
 オ「やっぱさぁ、改めて、小室サウンドって良いよ?」
 池「(悶絶笑い)」

 オ④時任三郎「君が愛を語れ」(1992年)
 池④吉井和哉「ガンダーラ」(2015年)
 池「おシャブさんの提供曲だ! そう言えば、時任三郎って歌ってたねぇ」
 オ「『勇気のしるし』とかね。名前、なんだったっけ。時任任三郎じゃなくて」
 池「なんで任の字を被せるんだ。牛若丸三郎太!」
 オ「そうだそうだ。そっちはカバー」
 池「古い曲を敢えて新しいバージョンで歌って最近ぶる!」

 オ⑤EXILE銀河鉄道999 feat.VERBAL(m-flo)」(2008年)
 池⑤サザンオールスターズ「BLUE HEAVEN」(1997年)
 オ「ならウチ(←一人称)も、原曲しか知らないけど」
 池「ホントだ、多分VERBALさんが歌ってるだろうラップの部分とか面影もない!」

 オ⑥T.M.Revolution「魔弾~Der Freischütz~」(2000年)
 池⑥高橋優「陽はまた昇る」(2012年)
 池「ドリンクバーのお代わり、行ってきたら?」
 オ「は~い」
 池「その隙に、一度歌ったやつを入れるというタブーを」
 オ「(戻ってきて)あ、髙橋優だ」
 池「そう。ベスト盤を買ったけれどもこの曲以外1曲も聴いてない!」

 オ⑦遠藤正明「Go Tight!」(2008年)
 池⑦西城秀樹「走れ正直者!」(1991年)
 池「全然知らない人だ。メタルシャウトな人?」
 オ「そう。JAM Projectの人」
 池「あっ、それ、前に中3の卒論で研究した人がいたわ。思い出した」

 オ⑧ソニン「ジグソーパズル」(2004年)
 池⑧中島みゆき「ベッドルーム」(2012年)
 オ「消えたと思った歌手がミュージカルで花開いたりするバージョン」
 池「知念里奈とか」
 オ「そう」
 池「今陽子を嚆矢として」

 オ⑨槇原敬之「SPY」(1994年)
 池⑨タテタカコ「宝石」(2003年)
 池「凄い歌だ! 3分半で完全に物語になってる!」
 オ「あのねぇ、もうそろそろ歌うネタがなくなって来て。ハロプロと小室を入れたら断末魔」
 池「僕は懐メロだね」

 オ⑩未来玲可海とあなたの物語」(1998年)
 池⑩長谷川きよし「別れのサンバ」(1969年)
 池「お互い、完全な断末魔だ」

 オ⑪氷川きよし「お富さん」(2006年)
 池⑪藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」(1970年)
 オ「人跡未踏のまま歌う。『モノマネ王座』の清水アキラでしか聴いたことがない」
 池「エッサヤ~、おさるさ~んだな~♪」
 オ「凄い、歌詞の最後が『地獄雨』!」
 池「どんなビジュアル系でも使わないフレーズだな」
 オ「そっちはPVバージョンだ、っつかすんごい美人だっ!」

 オ⑫西郷輝彦「燃えろ夜明けまで」(2013年)
 池⑫フジファブリック「ダンス2000」(2000年)
 池「でたっ、西郷輝彦のジャケットプレイ!」
 オ「もんのすごく遅い」
 池「ユー、西郷輝彦好きだよねぇ。年に5回くらい会うけど、3回に2回は西郷輝彦の話してるよ。こないだは娘とTwitterでやりとりしたって話だったっけ?」
 オ「そうそう、娘、地下アイドル!」

 オ⑬平家みちよ「卒業~TOP OF THE WORLD~」(1998年)
 池⑬福山雅治「HELLO」(1995年)
 池「(2番の始めで)あっ!」
 オ「?」
 池「今気づいた全然気づかんやった。これ、カーペンターズの替え歌?」
 オ「(悶絶笑い)」
 池「信じられん!」
 オ「こんなカバーがセカンドシングルって、どれだけ大事にされてないかが分かる」

 オ⑭SMAP「セロリ」(1997年)
 池⑭松任谷由実「ツバメのように」(1979年)
 池「おシャブさんに続いて旬なネタ!」
 オ「群馬のシャブババアと言えばさ」
 池「?」
 オ「あの、加藤紗里ってのが群馬のシャブババアの正体なんじゃないかと」
 池「狩野英孝の彼女って人? 見たことないけど凄いらしいね。茶の嫁みたいなイメージ?」
 オ「完全にそれ。全く同じカテゴリー」
 池「茶の嫁、茶が大好物の雑煮をよく作ってるらしいからねぇ」
 オ「完全に老人を殺しにかかってる」

 オ⑮hitomi「there is...」(1999年)
 池⑮中村中「愚痴」(2006年)
 オ「小室のようで小室でない時期の歌」
 池「じゃあ、エイベックス繋がりで中お姉様。この歌はまだ歌えないけど、いつかちゃんと覚えて歌いたいんだよね」

 オ⑯たま「はこにわ」(1986年)
 池⑯井上陽水氷の世界(UNITED COVER2)」(2015年)
 池「再び、懐メロの最新セルフカバーで新しいぶる作戦」
 オ「氷の世界!」
 池「なんだけどアレンジがまさかのオルケスタ・デ・ラ・ルス!」
 オ「氷が溶ける!」

 オ⑰清竜人25「Call Me Baby」(2015年)
 池⑰工藤静香「嵐の素顔」(1989年)
 オ「最後はいちばん好きな人」
 池「最後は、FKC(F校カラオケクラブ)で私のテーマソングにしてる最中の歌」

 オツカル様は2002.5年、私は1997.8年。フォーク⑩と演歌⑪とが効きましたね。最後に無理矢理陽水「夕立」を歌わされて終了。声はかなりガラったけれども、楽しかった!
 次の約束まで1時間ほどあったので、オツカル様と池袋ジュンク堂をぶらぶら。丁度、我らがA組出身浪人生Kくんが、二次試験あがりでジュンク堂に来るというので、会えたら本をあげようと準備していたのですが、メールの本店池袋指定を渋谷と間違えてすれ違い、残念。山手線は初心者には難しい……のか?

 今日オツカル様から聞いた話で他に面白かったのは、子役の寺田心をいい大人がディスってるネット空間では彼が「寺田邪心」って呼ばれてるって話(オツカル様曰く、寺田心は要するに「お言葉少年」らしい)と、後は……
 私「無職ってのはあれだから、非婚とかと同じく非職って扱いで」
 オ「あのね、ウチ、自分の職業を『タマネギ剣士』だと思ってるから」
 私「そうやって自分を甘やかす! 野菜嫌いの癖に何がタマネギだよ」
 オ「で、結局『タマネギ剣士』が最強なんでしょ?」
 私「あのねぇ、それは仕事じゃないの、ジョブなの。リアルゲーム脳か」

 オツカル様とお別れして、64回生担任団の東大応援組7人(内1人は63回生浪人担当の数学先生)が池袋西口に集合。17時から私が手配したお店「韓二郎」にて食事会。なんですけれども、集合の少し前に参加者の1人から電話「西口の、どこにいらっしゃいます?」「出て直ぐですけど」「え、全然分かんない。渋谷ですよね?」「……池袋です」 山手線は初心者には難しい……のか。
 17時~19時。昨年は63回生体育先生が大絶賛して下さったレバー串、は確かに好評だったのものの……。「もう無理!」「食えない!」「多すぎる!」と、コース料理消費に担任団から次々にギブが出て、料理のボリュームに完全に負ける7人。去年は、下見を手伝ってくれた若い卒業生が何人かいたから、彼らの食欲で食べ尽くしたのかなぁ。

 翌日があるので真っ直ぐ帰るという他の担任団を尻目に、私と上記数学先生という63回生悪者コンビは当然「もう一軒飲みに行きましょうね!」と、2日前にも訪れた「あんぷく」に。ゲストとして、朝エッグベネディクトを奢ったばかりのEくんを再び池袋に招集。数学先生に私の曰く「あのね、Eくんの食いっぷり見てて下さい。それだけでビールも日本酒も進むから」
 「あんぷく」は日本酒の美味しい創作うどん店。懐かしい話や大学の話や、と花を咲かせて2時間弱の間に……書いてるだけで胸焼けがしそうなんですけど、「麻婆茄子うどん」「トマトバジルうどん」「黒カレーうどん」、と全部特盛りの3杯を汁まで余すところなく食い尽くしやがったよEくん。それを見ながら(ゆで落花生をつまみに)アラフォー2人はビールからの日本酒。栃木「鳳凰美田」を数学先生が絶賛して下さったので何より。

 ホテルに戻って健康入眠。