忘れてはいけないことが必ずある 口に出すことができない人生でも

 5時入りの職員室でデスクワーク。本日は国公立の合格発表のクライマックス、東大が11時45分です(ネットで12時と告知して、大体15分ほどフライングするのが恒例)。
 で、日程的に昨年度と若干異なっている点が2つ。
 ①東大合格発表の10日が国公立発表の最終日ではない。12日に芸大の発表があります。
 ②昨年度は10日だった一橋大・京大が既に昨日までに発表済み。
 芸大の受験はそれそのものが珍しく、小論文や志望理由書に関しては添削指導を繰り返してきましたが、その他の受験内容(面接における演奏やプレゼンテーションなど)については見当も付かず本人任せ。どうなることでしょうか。そして、メインの東大発表。昨年度は10日に一橋大・京大・東大がまとめて発表、我らがA組44人の内一気に29人の発表が集中していたということで、担任の私は不安と緊張に最後まで苦しまされたのでした。今年のA組担任先生はちょっとラッキーですね。

 東大現役合格者は、昨年度(63回生)が歴代1位の30人。我らがA組出身の東大生Mくんがメールで曰く「今日は64回生が63回生の記録を僅か1年で塗り替える日」だそうですが、2年連続高3現代文、64回生も副担任としてお付き合いした私の気持ちは、塗り替えて欲しくもあり、塗り替えられたくない思いもあり、複雑。そして、1浪で東大受験の我らがA組メンバーの結果も気になり、昨年度ほどとは言えませんがやはり緊張の朝です。

 11時30分の進路指導室に、64回生担任団、そして1浪が控える63回生担任団が集まります(2浪に期待する62回生学年主任も)。携帯サイトの発表を待っていましたが、それより先にPC用サイトの方に合格者受験番号一覧が掲示されました。
 進路指導部長がPC画面の一覧をチェック、隣の私が各生徒の受験番号をお伝え、部長の「ある、なし」によって私が室内の先生方に「Aくん、マル!」「Bくん、バツ!」と伝えていく、という流れは昨年度と同じ。文Ⅰから順番に読んでいくのですが、64回生は前評判通り文系が強い。次々にマルがついて行きます。そして、1浪63回生A組のHくん・Mくんが文Ⅲに通ったのに安堵。後から、文Ⅲを受験したFくんからも「通りました~」のメール(受験番号が不明で発表の段階では合否が分からなかったのです)。
 64回生の理系は、通るか通らないかどちらも考えられる、という人に何人かの取りこぼしがあった(下品な書き方で申し訳ありません)ので、文理合わせれば結局27人。今年から後期試験が行われないので、これで人数は確定です。63回生1浪組は、前述のA組3名に加えて後から文系女子が1人判明したのと理系の4人とを合わせて8人。学年主任化学先生とは「7人に届けば御の字」だと言っていたので、全員通って欲しかったという本音を脇に置けば十分な結果。でもって。
 化学「先生の所(A組)のNは合否不明だけど、連絡来んと? これが受かったら9人やんか」
 国語「Nが報告するタマだと思います? 通っても落ちても絶対連絡なんかしてきませんよ。ってまぁ、多分通ってるでしょうけどね。今、他の文系メンバーに『4月に大学で見かけたとかしたら教えて』ってメール回しました」

 さて、夕方に進路指導室に遊びに来た某女子(早稲田)とお話ししており。
 私「そういえば、某さんはNくんと繋がりが」
 某「ありますけど」
 私「じゃあ、通った? ってメールで聞いてもらえたり」
 某「いや、ムリですムリですそれはムリ」
 私「ですよねぇ」
 ってやりとりをしてましたら、突然。
 某「あ、Nから連絡来ました」
 私「マジっ!?」
 某「通った、って」
 私「直ぐに電話してっ!」
 直接本人と話して、Nくんの合格を確認。これで、我らA組の1浪合格は4人ということに。
 私「いや~、某さんでかしたわ。良い仕事しましたわ」
 某「いぇ~い……って、それ、バレンタインですか?」

 と、某嬢が目をとめたのは、ゴディバのカレアソートメント。
 私「あ、これはバレンタインではなくて、卒業生のお家からの頂き物です。流石進学校、っていうブランド名の贈り物が多くて凄いよねぇ……って、あああああっっっっ!」
 某「何っ、何っ!?」
 私「ホワイトデーのこと完全に忘れてたっ!」
 危ない危ない、これは命に関わる問題だわ。いや~、某嬢、今日はNくんの件も合わせて良い仕事。ホワイトデーの贈り物は、土日に買いに行くことにしましょう。

 夜は、学校を挙げての高3担任団慰労会。私、一応慰労「される」側なのですが、何しろこの会の主催が進路指導部ですので、結局幹事・司会を担当することになっておりまして。とは言え、飲みますのよ飲みますのよ。ホテルホールの中華料理を食べながら、色んな先生と64回生・63回生のお話、そして来年度の噂話。
 一口目のビールで「ハイチオールC」を流し込んで、椀子ビール状態で2時間、2次会でも23時過ぎまで。

 明日学校を凱旋訪問するという本日合格の我らがA組Fくんとの深夜のメール。が、「先生、どういう意味?」と聞き返される支離滅裂になる程度にはど酔っぱだった私。帰りのタクシーあたりから記憶が霧消。