ほんとかよ ほんとかよ ほんとかよ

 嘘じゃないかと思って嘘じゃない、やっぱり私が高1Aの担任であるわけで、本日が入学式。「日常性の維持」は身体に染みこんでいますので3時起床5時学校入りには違和感がないのですが、通勤時に着ている服が礼服だというのには果てしない違和感があります。F高に何らか(以上)の期待を持って門を潜る51人(40人募集ちゃうんかい)を出迎える担任が私でいいの? 既に、新高1Aのメンバーにはオンラインを通じて(内進生や卒業生から)「ありゃ話にならんぜ」みたいなdisがばらまかれてたりするんじゃないの?

 私以外の高1担任団(中学時代から引き続き担任団の先生方)は全員普通の背広で、礼服の私だけが浮き倒してます。お、これはまさか「タッタラ~」とドッキリプレートが出てくる展開か、と思ったら学年主任が背広から礼服に着替え始め遊ばしやがったよ。他の先生方は、「中学卒業式は礼服だけど入学式はね~」ってテンションなのかしら。
 5時入りの職員室では授業準備・担任業務その他。8時30分に職員ミーティングがあって、午前中は中1・高1以外の学年の始業式(午後が入学式です)。私は午前中に2時間の年休を取り、行きつけの美容室に学校から往復。礼服に合わせて髪をセッティングしてもらいました。

 午後からの入学式は、来賓の方々のお言葉の中にお一人NGワードが入っておられた以外特に何事もなく粛々。開式1時間前に始まった受付でA組の生徒・保護者を担当しましたが、顔と名前とが一致したのは現在の所半分弱というところでしょうか。暫く、生徒には「出席番号は?」と聞くようにします(「名前は?」と聞くよりはマシかなぁ、と)。
 式の後、体育館の外で学年生徒全員で集合写真。前に書いた通り、昨日の風雨が吹き散らかした桜は、写真では合成で咲き誇ることになるのでしょうか。過去は編集できますからねぇ。

 学年保護者理事が(A組のお三方のご協力により)取り敢えず無事に決定し、その後は担任5人は各クラスでSHR。想定より遥かに多いメンバーが入学した1A教室は生徒でぎゅうぎゅう。参観の保護者が入りきらない、と思ったら副担任の超ベテラン英語先生が「全員、それ以上詰められなくなるまで前に詰めろ~」と1列9人の机を完全密着させて教室の後ろ4分の1を保護者スペースとして開ける。「普通考えられないことが起こったらだいたいあの先生だから」という担任の言にフッと笑った生徒はいたものの、基本的に初対面猫かぶりバージョンなので巫山戯たことは一切言わずにしどろもどろで担任挨拶をする。これが63回生A組だったら「9人ピッタリて。お前ら『ムカデ人間』かよ」的なことでも言ってたんでしょうけれども、後ろでハンディカメラ回してる保護者の方まで居てそんな愚挙に及べるかっつーの、と。
 出席番号1・2番の生徒が自動的に評議委員。「起立、気をつけ、礼」の号令も、その後の「よろしくお願いします」の発声も小さく不慣れで初々しい、んですけれどもそれと対峙する担任がそれよりおたおたしてるからなお質が悪い。この15分で見限られていないか、職員室に戻りながら考えるのはそればかり。

 提出書類・宿題が5~6種類あるんですけれども、その提出率が98%とかで隙がないのが高1A……だけじゃない、今年の高1(67回生)は内進組も徹底的に凄いんです。何せ昨年度、漢文4800枚の未提出が1枚の学年ですから。A組の中で未提出書類が多い生徒が寮生だったので、寮から呼び出してその場で書類を記入してもらいました。提出率が高いとは言え、その確認作業には時間がかかり、そうそう担任ってこんな仕事だったわ、と1年ぶりの感触を思い出しつつ。

 1Aの生徒のうち11人が新しく寮生になるので、その入寮式(食事会)に臨席してきました。臨席っつっても、教員席の食事には加わらず、自分のクラスの11人と駄弁っただけですけれども。彼らの為人(ひととなり)はな~んとなく分かった。

 職員室に戻って、出席簿・学級日誌の記入、「男く祭」関連の書類の仕分け、等々の担任業務を終わらせたら18時30分。今から漸く授業準備が開始できるのです。そうそう、担任ってこんな感じだったわ。

 帰り際の職員室で、高2担任団のアラフィフ物理先生とアラサー数学先生が話しかけて来る。
 物理「池ノ都先生、今日は何の日か分かる?」
 数学「ねぇ、分からないですよねぇ?」
 国語「(我らが1Aの入学の日ですよ)……えっと、何の日なんです?」
 物理「岡田有希子の命日です(合掌)」
 国語「あぁ、くちびるNetwork
 数学「分かるんかい!」
 物理「流石です。祈りなさい(合掌)」
 あぁ、もう、疲れるなぁ(笑)

 「今日はえらいこと遅いやんね」と「もりき」マスター。「これ見て礼服、今日は入学式だったんだけど、死ぬほど忙しかった」
 イカ・マグロの刺身、野菜炒め。レッドアイからの「鳳凰美田」「風の森」。
 私「だいたいさ、公立出身のきちんとした子たちばっかりのクラスで、僕みたいなのが担任っておかしくない?」
 マスター「ほんとほんと」
 奥様「ちょっと、失礼でしょ」
 私「でも、奥様もそう思いません? 最初のSHRを参観に来たら、こんなのが立ってんの」
 奥様「でも、シラフなんでしょう?」
 私「あ・た・り・ま・え・じゃっ!」
 マスター「そっちの方が失礼やんか」

 明日からも、頑張ります。