お耳へこっそり あのねのね 坊やのおねがい

 今年のF校地区別の保護者会。私は福岡地区で講演を依頼されて喋るのですが、それとは別に、自らお願いしてK市地区の保護者会に臨席させて頂くことにしました(講演者ではないので、保護者席に混じって、参加費を払って)。理由は一つで、国語科恩師先生が講演をなさるから。お手紙のやり取りはありますが、実際にお話を聴く機会を得ることは先生のご退職以来皆無でしたので、ここは絶対に逃してはいけないと図々しく。
 先生の講演時に、私が講師紹介をするという条件で認めて頂きました。例外措置、多謝です。

 63回生Mくんのお父様の焼き鳥屋、二日市「月空」の営業時間は何と18時~6時なんですが、春から福岡で研修医の58回生Iくんと今晩飲む約束をしたので、昨夜19時に予約の電話。「あ、先生、今晩は」
 でもって、21時就寝3時起床の携帯にIくんからのメールでMくんも合流との旨を知らされたので、そのままベッドから人数変更の電話。「あ、先生、お早う御座います」
 お父様凄ぇな。見習って働かないといけない。

 合格最低点+0.1点という超絶ギリギリ合格だったと判明した64回生文系某氏から、「以前先生が面談で仰った『ギリギリで通っても意味が無い』という言葉の真意は何ですか?」というメールが届く。うわぁ、聞きたい気持ち、めっちゃ分かる。けれど、その理解はちょっと長めの話を要約しすぎで補足がないと間違いだわ、と返信、を一部抜粋。
 【ギリギリで通っても意味がない、というのは半分正しく半分記憶違いです。「最低限の努力で通ることがスマートだ」という認識で受験生活を送り、結果ギリギリで通ったとしても、恐らく大学生活は充実しないだろう、とお話ししたのです。
 高い目標に向けて地道に努力をし、高跳びの選手が震わせながらバーを超えるように、ギリギリで大学に通った人は、入学後も視線は上を向いています。きっと、その大学に充溢している知を余すところなく味わいながら生活を送るでしょう。
 ですが、なまじ多少の才能があることに過信し必要最小限以上の努力を怠り、「最低限の努力で通った俺」という優越感に浸って大学の門を潜る人間の視線は、必ず下を向いているという話をしたのです。
 努力の少なさ故に伸びしろ通りの成長をしないまま、この程度の努力で通れる大学だと大学そのものを軽んじつつ、少し視線を上げればそこかしこに見える知的文化を全て無視する人間を、私は「背が低い人間が上から目線になって地面しか見えていない」と評します。
 本文である大学キャンパスでの講義を半ば以上無視して、サークルやバイトや恋愛やと様々な課外活動に積極的な人々の中には、少なくない割合で「上から目線のチビ」がいるのではないかと拝察。
 學兄の受験勉強がどうであったのか、「体験記」執筆の真摯な内省で必ずや見えてくるはずです。バーを震わせても合格は合格、立派なことです。但し、門を潜った學兄の視線が、上を向いているのか下を向いているのか、そのことは今だけではなくこれから先も時に応じて自らに問うてみることをお薦め致します。】(抜粋以上)

 5時入りの職員室でデスクワーク、は授業準備が主体。1限は高1Aの心電図検査で、検査会場の教室は彼らが初めて訪れる場所故に案内が必要。少しずつ、F校のことを理解していって下さい。
 土曜半ドン4限終了後の教室にSHRの為に向かったら、職員室3階から高1フロアの5階に上がる階段でクラスの女子とかち合い。「お昼休みじゃないんですか? 男子が何人か食堂に行きましたけど」ですって。そう言えば先々週の土曜は昼休みと5限があって、先週の土曜は臨時休校だから、正規の土曜時制は今日が初めてでした。食堂に行ったら男子2人が天ぷらうどんと肉うどんとを食べてて、食べたら帰っておいでね、と声かけ。付け合わせにフライドポテトを買ってたのを脳まで油が沁みるからやめろと言おうかとも思ったけれども自重。
 
 放課後はコーラス練習。寮から自宅に帰らなければならない生徒や、まぁぶっちゃけサボりたい生徒や、は居ましょうが絶対強制の練習ではないので別に居ない人を叱ることはせず。練習後に売店で買ったジュースを差し入れたら43本捌けてましたので、欠席(若しくは途中帰宅)が8人ということになりますね。この出席率は合格だと思います(女子は全員居ました)。
 但し、帰りの号令の後に大きな声で「帰ろう!」と言った某氏にはゲンコツ。私が唯一認めないのは、倫理的に恥ずかしい台詞を憚らずにだだ漏らしにすることです。恥ずかしい台詞はこっそり言わないといけない。
 ジュースにのど飴に爆買いしてるのは、63回生の時にもやった「餌付けーしょん」ってやつですね。あと、我ながら生徒への叱り方が「みさえ式」だとつくづく。思ってる以上に『クレヨンしんちゃん』に影響を受けた人生です。

 18時に二日市は、58回生仲良しコンビのIくん&Mくん。前者お医者様、後者銀行マン、共に春からの新社会人です。でもって、新社会人らしく、Iくんは「昨日3時まで先生に連れられて飲んで」たそうで、Mくんは「昨日飲み過ぎで今声がガラガラで申し訳ない」とのこと。ま、そんなもんですよね。
 前述の「月空」で飲みながら、銀行マンの研修の話や、医者の当直の超絶ブラックの話など。コンビにあと一人、Oくんを加えたら仲良しトリオになるんですけれど、彼は来年から九大勤務だそう。現在四国でお医者さんをしている「Oは一族全員がベンツだからこないだプリウスで迎えに行ったのが申し訳なかった」とIくんに言わしめる豪族らしく、かく言うIくんは新生活かなんか知らんけれどもカードの引き落とし額がn十万円だそうで、何が「初任給28日なんで金ないっす」やねん、と銀行マンと2人で大笑い。
 今日は奢った、でも次は払えよ、と念を押してお別れ。じゃ、次は博多「太郎源」っす。