大切なものに 気づかないぼくがいた

 本日は「男く祭」2日目@K市民会館。市民会館に代わる新しいホールが市内に完成したので、「男く祭」の長い伝統を醸成してきたこの会館とは今年度でお別れ、来年度からは別会場になります。
 我々67回生現高1が高3主催学年になる再来年度は、中高6学年が全て共学化する初めての年度ということになるので、変えるか変えないかは脇に措くとしても、「男く祭」の名称をどのようにするのかという議論は起こるでしょう。今後2年で考え方がコロッと変わるかも知れませんし理由も書きませんが、現在の私は個人的に名称を変える必要は「ない」と思っています。というか、もっと積極的な意味で「変えてはいけない」とすら思っています。共学化して女子が学校全体の3割~4割を占めるようになったとしてもです。
 F校の職員室の中でも際立って「女子に厳しい」と親しい先生・職員の方々に言われる(本当ですよ)池ノ都だから、男子生徒贔屓で名称を残すべきだと言っているのだろう、と言われたらそれははっきりと違うと断言できます。変えてはならないとする理由は何よりも女子生徒のため。理由は書きません(正直に言うと、学校のことを考えたら書きづらいのです)が、オフラインで聞かれたらはっきり説明できます。

 さて、色々な意味で変わり目であるところの「男く祭」会場までは家から徒歩で45分といったところでしょうか。のど飴が大量に入った紙袋を提げて、CDウォークマンザ・ピーナッツのベストを聞きながらお散歩通勤。黄金週間中の上京鯨飲馬食旅行で太り倒す分の前倒しダイエットですね。
 8時前に会館着。先ず最初に目にいたのは我らが1年A組の生徒たち……ではなく、なぜお前らが先頭に並んでいるんだという保護者席の整理券行列のど頭、64回生文系Tくん・Nくん。聞けば4時から並んだとか言ってますけど、Tくんったら寝不足で顔が赤ちゃんみたいになってます。彼とは上京中の6日にさしで飲む(←20歳のお誕生日記念に大塚「ぐいのみ大」)ことになってるんですけど、「飲みに行く時にその顔で現れたらはたき回すからね」「大丈夫、コンディション整えて行きます」

 我らがA組の生徒の出席を確認、一人欠席の子がいるという連絡でしたが、後で聞いたらB型インフルエンザの診断だったそうです(だから、欠席ではなく出席停止)。あらあら、コーラス練習や「囃し芋」で密着していたその他50人のメンバーは大丈夫なのでしょうか。
 朝のコーラス練習は肩(喉)慣らし程度で雰囲気は緩~く。

 「男く祭」2日目の午前中プログラムは、書道パフォーマンス、太鼓、漫才、そして外部講師による講演。
 特筆①は書道パフォーマンス。これは今年度が初めての試みで、というか公共の会場がこんな危ない(汚すという意味で)ものをよく許したな、という驚きが大きい。来年度からの新会場ではもう絶対に出来ませんので、これは今年が最初で最後のものになるということでやや貴重。
 特筆②は講演で、今回は3名の講師をお呼びして20分ずつのプレゼンテーションを行ってもらうという新形式。TED(Technology Entertainment Design)というものらしいのですがよく分かりません。新形式宣伝のため、インターネットでも観ることが出来るという動画の校内上映会が先日行われたのですが、「TED上映会」というプリントを見て町山智浩しか浮かばなかったくらいです。「学び」とは何か、というテーマでした。講演の形式は新機軸、演者のキャリアは多様、でしたがテーマが普遍的なので、内容も抽象すればそのようなものになるという事実が面白かったですね。

 午後はコーラス大会。高校の担任を持つのは4回目ですが、今回は初めて壇上に上がらなかったので、自分のクラスのコーラスを客席からじっくり聴くという体験を初めて。「大切なもの」「3月9日」の2曲。B~E組の人数は40人、A組の人数は50人((1人出校停止)、ということで最も声がはっきりと聴こえたのはA組でした。が、ハーモニーの美しさは明らかに別のクラス。「春よ、来い」(ユーミン)という選曲だけで私の中では既に優勝だったのですが、実際の歌声を聴いて「あぁ、これは負けたなぁ」と。
 実際に優勝はそのクラスで、学年優勝以外の順位は分からないのですが、個人的にはA組が2位につけているんじゃないか、と思っています(悪くても3位ではあるはず)。
 勝ったクラスの勝因は何かというと、それは完全に練習量。67回生のB~E組の真面目さは例年にない、言葉を選ばずに言えば異常なもので、皆がきちんと練習に参加してた。ぶっちゃけて言うと、文化祭の準備や部活動やで練習量が思うように取れなかった高2(の一部クラス)より高1の方が巧かったし、高3はもっともっともっと巧い方が良かったという印象。あぁ、今年の執行部はその他の部分に注力してコーラスを若干犠牲にしたんだな、と。さて、現高1の2年後、このバランスをどうするんでしょうか。
 話をA組に戻すと、まぁ健闘したほうではないかな、と。そりゃ勝つに越したこたないけれども、ほぼ初対面同士の人たちが2週間半、勉強と学校のリズムに慣れるのに必死な中で、プラスアルファで何でこんなことをさせられるのか分からないイベントに強制的に参加させられる、という理不尽に耐えるというのはそれだけで大変だったでしょうから。それぞれのテンションにバラつきがある中で、面倒くさいを優先させて練習をサボりがちだった人たちも、本番の舞台ではきちんと口を動かす(口パクだとしてもね)ところまでは持っていったんですから、最低限の誠意は持ってると言っていいんじゃないかなぁ、とは。申し出があれば舞台に上がらないという選択肢も認めようと思っていたのですが、申し出てくる人は居ませんでした……っていうのを後から言うと「先に言ってくれたら俺は上がらなかったのに!」って言う人も出てくるかも。まぁ、そういうベイビーも、参加した方が良かったというのが、そうですね、40歳くらいになるころには分かるんじゃないですかね。

 映画とパフォーマンスとは、別の仕事が入ってじっくりは観ていないのですが、会場外にも笑いや歓声やは漏れ聞こえてきました。
 さて、A組の生徒たちのどれくらいの人が「自分たちも作ったり踊ったり歌ったり泣いたりしてみたい」と思ってくれたでしょうか。私はそういうことを積極的に思うタイプの学生ではなかった(実際、高校時代の「男く祭」では仕事らしい仕事をすることなく、通信その他の依頼原稿を書くという特技を活かしたことだけに徹していました)のですが、当時から積極的に働く同級生のことは尊敬していましたし、自分の担任クラスにそういう人が多かったら素晴らしいことだとも思います(繰り返しますが、全ての人がそうである必要は全くありません)。

 コーラスで優勝したら市内の有名なケーキ屋「G」のシュークリーム、と思っていましたがそれを逃したのでもう少し安いお菓子を選択。56回生文系Yくんの実家がケーキ屋で、そこのクッキーが3枚で160円くらいだったなぁ、と53セットの予約電話。学校の売店で既にジュースは予約しているので、明日の帰りのSHRでは4月を頑張った分の「慰労会」を行います。

 夜は、仲良しの事務嬢さんに誘っていただいてホームパーティ。いわゆる「タコパ」ですね。楽しかった。