おしゃべり博士ばかりが儲けているけど

 生徒面談が楽しい、そう言えば63回生の担任時は、昼と放課後と、何周も何周も(半ば私の趣味で)やってました。
 さて、本日面談のAくん、着席早々私の口火が「明日は数学提出を忘れないでね」という忘れ物ボーイでして、本人も自覚があるのについうっかり、テストでもケアレスミスに泣く口。「本当に僕は詰めが甘くて」としょんぼりムードの気分転換に趣味はと聞けば「弓道の県大会3位は良い思い出です」って「おいおいそらおかしな話やないかえ?」
 続いて面談のBくん、体育先生が折り紙をつける脚力は陸上部エースのそれ、なんですけれどもそれよりなにより気になるのは彼の下の名前でして、私「きみのその名前」 B「えぇ、珍しいですよね。誰も読めません」 私「もしかして『星の王子さま』から?」 B「よくご存じで!」 あのね、あたしゃ国語教師だっつーの。

 明日からは定期テストなんだぁ、としみじみ感じるのは、ヘラヘラばかりしてるはずのA組(だから担任の言かっつーの)が、一目それと分かる緊張をしているから。あら、この人たち、こんなオーラ出せるのねぇ。で、頑張ってる人を見たら途端に当たりが強くなる私の癖がムクムクと。
 生徒「先生の現代文の採点は厳しいんですか?」
 教師「優しい採点って?」
 生徒「なんかこう、本文を左から右、みたいな……」
 教師「あ~、コピペね」
 生徒「っす」
 教師「あの、本文抜き出して文末だけ『こと』とか『から』とかに変えたらそれがそのまま答えになるのだ何故なら答えは常に本文の中にあるからとかいうちょっと聞いた分には正しそうにも聞こえる言い方をしながら結局一秒だって頭を使わなかったという事実と『バカですが、何か?』という開き直りとだけが紙の上に残されるというコピペ」
 生徒「あの」
 教師「そういう答えが欲しい場合はね、設問で『本文から抜き出せ』って書きますよ?」
 生徒「さーせん」