緑もえる 草原をこえて ぼくは行きたい

 本日は高1が外部模試(英数国100分ずつ)で、私は監督をしながら「合格体験記」を校正したり、明日の保護者会の資料を封入したり。本日いちばんの悩みが、模試の後に行われる学年集会での壇上デビュー(教務部からの第1回定期テストについての講評)で高1勢を笑わせに行くか否かということ、というくらいには平和な一日。4月の集会で、内進B~E組がどの教員が何を言っても一切笑わなかったのは衝撃でした。63回生の時と雰囲気が違い過ぎです。

 さて、第1回定期テスト講評。TQC勢対象の日記にそれを書いても仕方がないので、ここでは「枕」だけ。

 「どうやったら国語力はつきますか」という質問に対して答えるのは難しい。ですので、その「国語力」というのを「試験において正答を書く力」と狭義のそれに限定した上で、私の「合格体験記」を以て答えに代えます。
 私が学生時代から国語の試験で強かったのは、偏に寂しい人間だったからです。だてに3~5才を鍵っ子で生きてきた訳じゃありません。離婚した25才母と3才子との2人。子は夕方から夜をTV無しの部屋で独り、貸本屋で借りた水木しげる翁の妖怪図鑑を貪るように読み、日本語と、人間は見えない他者とも通じ合えることとを学びました。ユーミンを文字って言うと、寂しさに包まれたなら目に映らないものすらもメッセージになるのです。長じて中学受験塾、初模試の国語で、11才は本文の筆者ではなく設問を書いた作問者が何を聞きたいのかを考えました。偏差値は95、講師に呼び出され理由を聞かれた私は「問題を作った先生の考えを考えたから」 国語が解けるのは寂しさの原体験を大切に抱えて生きているから。子どもは真似しなくていいです。ですから、私がアラフォーまで独身を貫き通しているのも、「寂しさ」を忘れず国語力を落とさないための職業上の必要性であることを是非お忘れなく。モテないわけでも結婚したくないわけでもないんです信じて下さい。偏に国語のため(だから英語科がどうなのかは知りません)。因みに、皆さんが高3になったら、「寂しさ」ではなく「憧れ」の気持ちを以て出題者と対話できるようにして差し上げますから、ご心配なく。
 さて、晴れてF校に合格した私ですが、素晴らしい恩師との出会いがきっかけで中1からF校の国語教師が志望だったので、寮生でいずれ本性はバレると知りつつも、ある程度以上意識的に、職員室からの評価を下げる生活を避けるようにしていました。これがそのまま就職活動になるんですね。規則を破らずに、要求された勉強を大体全てこなす。6年間F校の教えに従うという「就活」が奏功したお陰でしょうが、現職はご覧の通り。しかも、これは第一義の望みではなかったのですが、学校の言うことを全部聞いてたら、何と東大文三に合格するというおまけまでついて来たのですね。

 以上が枕で、以下の定期テストの効用話は略。SAPIX鉄緑会も無い田舎の学校は、有名大学へ向けての受験勉強を外注出来ず、全て自前で準備しなくてはなりません。学校の通常授業のゴールがそこに向いてるんだから、そら、ずっと言うこと聞いてたら行くところに行きますよ、という流れの話ですね。

 さて、枕も本題も別に笑わせようと思って話した訳ではありませんが、壇上デビュー、割とたくさん笑ってもらえました(私が嗤われてただけですが)。中学から持ち上がりの担任団から「まさか集会で生徒が笑う日が来るとは」と驚かれたので、「私、持ってますんで」とどやっときました。
 集会は2部構成で前半が私(教務)、後半が英語科パイセン(進路)。緩和と緊張です。
 英語「独身自虐はいいけど、私を巻き込まんでくれる? 生徒が喜んで、次が話し難くなるやろ」
 国語「あ~、さ~せん。ってか、英語先生の方が先にお話しになればよかったですね。緊張と緩和の順番で」
 英語「駄目。集会はだらけた雰囲気じゃなくて緊張した状態で終わらせないと」
 確かに、パイセンの話の間、生徒は水打ってました。

 夜の「もりき」で頼んだ肴は最近お気にのカルパッチョ。レタス・玉葱・胡瓜・トマト、鰹はタタキでイカは炙り、それと穴子刺し。紫蘇ドレにオリーブオイルはエクストラバージン。明日は保護者会なのでニンニクチップは少なめ。日本酒は京都「玉川」のペンギンラベル。
 あ~、しゃ~わせ……と思ってたら、何が明日は保護者会なのでだ、と自己ツッコミの2次会。後で来店したHおば様と盛り上がっちゃって、結局そのままタクシーで文化街。年季入りまくりのスナックで2人とも熱唱。オツカル様とのカラオケに向けた候補曲練習は、昨日初挑戦した石井明美を仕上げて初挑戦のザ・ピーナッツ