ニッチもサッチもどうにもブルドッグ

 先日5日の「女子会」2次会にて、久しぶりにお会いしたベテラン保健先生から「あんた痩せたやろ~? 高1Aの担任が大変なんやろ~?」と頻りに言われまして。
 否定はしなかったんですけれども、痩せたとしてもそれは高1Aの担任が原因じゃないですよ。多分、63回生の中3~高3の担任をやってた時の方がストレスフルだったと思います。今年度の高1A、楽チンって言ったら生徒・保護者に申し訳ないですが、少なくとも63回生の高1Cをやってた時に比べたら100倍やりやすいです。基本、生徒が言うこと聞くし、聞かない子のスケールもそんなにデカくないし。だって、例えば朝のSHRで10人遅刻したそれぞれの家に電話掛けるとか、深夜のミスドで生徒面談をするとか、警察署に子ども迎えに行くとか、夜中まで4時間の家庭訪問をするとか、自転車事故の救急車に付き添うとか、関西の実家まで長欠の生徒の顔を見に行くとかいう必要があるクラスじゃないですもんね。あ、63回生高1の時は担当してた授業が古文で、現代文が出来なかったってのもあるかな(授業やってて楽しいのは圧倒的に古典よりも現代文です)。
 痩せてく理由が自宅のカビとかだったらそっちの方がヤですけど。

 とまあ、こういう「あの時に比べたら」とか言うことを言い始めたら否定できないオッサン、否定できない中堅(の入口)ってことですね。本日は福岡地区の保護者会。お父様お母様の人数が200人という、F校最大規模の地区で、招かれて講演など一節。各地区年一回の保護者会は、学校内外(「内」は教員、「外」は卒業生か稀に卒業生保護者)のゲストを呼んで講演をするのですが、私はこの「内」で呼ばれる回数が多い教員の一人でして。そりゃ、職員室の中でも適当なことを喋くり散らかすスキルが高い方だというのは自認してますけれども、それだけでは「人気」の理由とは言い難く。毎回講演の導入で話すんですけれども、こういうイベントには「断りきれない若手」か「子育てが終わったベテラン」かどっちかを呼べば確実だというのがあるんですね(動物園でもニュースになるのはご長寿か赤ちゃんかでしょう?←暴言)。で、何が言いたいかというと、もうそろそろ「中堅」に差し掛かりつつある私をそうそう毎年毎年引っ張り出すのはやめにしませんか? ということなんですけど。ほら、独身中堅ったら、婚活とかが忙しかったりするじゃないですか。
 って、本当に声がかからないようにしようと思うなら、こういうブログとかね、やめちゃえばいいんですけどね。

 さて講演、私のテーマは「F校今昔」だったかと思うんですけど、たかだか中堅(の入口)が何を話しましょうか。こういうテーマは、「今/昔」の境目をどのスケールで考えるかによって話が全く変わります。「今」はいつから?
 ①中学が共学化した現高1(67回生)以降。
 ②新校舎で入学式が行われた66回生以降。
 ③高校共学化の56回生以降。
 ④中学1回生の高校23回生以降。
 ざっくり言うと、上記④が「第2期」の開始、新校舎・中学共学化の①②が「第3期」の開始、高校共学化(③)がその過渡期ということになりましょうか。私は「第2期」の後期に中学・高校6年間を生徒として過ごし、卒業後は「過渡期」初年度に国語科に赴任、F校大変革の只中で教員人生の初期を送りました。職員室で、少なくない先生の涙と怒りとを見て、任期を残して去り行く背中を見送ったのです。
 「F校今昔」、第2期~第3期の変化を、特に女子の話題を中心に話すことになりそうですね。

 早朝、資料(重い!)を抱えてタクシーに乗り、町内のコミュニティーセンター経由でJRのK駅へ。コミュセンでは、参院選の投票。ちゃんとしてるんですよ、そういうこと。講演の冒頭で「選挙に行きました」と社会人アピールをしてみましょうかね。時勢柄、そんなことしたり(こんなブログで書いたり)したら「政治的に偏向した教員」として密告されてしまうかも知れませんが。
 新幹線で博多。お約束の時刻には2時間ほどありますが、会場の日航ホテルのロビーで資料を預かってもらい、博多駅近くのスタバ→ホテル喫茶とハシゴして原稿作成。書いてて分かるんですけど、どうも明るいだけの話にはなりそうにありませんね。数年前までは無内容の馬鹿話で笑って頂くだけだったのですが(依頼側のご期待もほぼそれだったと思うんですが)、なまじ中堅に近づくと、どうも。

 保護者会の講演は、「内」が私、「外」が私と同窓の(47回生の)卒業生Iくんです。ソシャゲの会社を企業の所謂「青年実業家」、講演等でもバリバリと活躍中のお方。在学中は一応、私が剣道部部長でIくんが副部長、と言ったら私の方が上だったみたいですが然に非ず、Iくん、「男く祭」の文化委員長ですから。文化委員長っつったら、生徒会長に並ぶスクールカーストの頂点。同窓同僚数学(生徒会長)といい今日のIくんといい、私の横に綺羅星を置かないで欲しいもんです。エリカが夜空に輝くお星様なら、あなたは味噌汁のだしに使われるただの煮干様、ってなもんです。

 「さわって! ぐでたま」というシリーズが数百万のダウンロードを、って私も書いててよく意味は分かってないんですけれども、売れてるゲームを作ってるってことでいいんですよね。「ぐでたま」なら私も名前を知ってますし見たこともあります。その発売元社長、Iくんが「塞翁が馬」の人生を語る40分が前半のハイライト(一浪の予備校の初日に一目惚れした相手が現在の奥様、禍福は……)。
 続いて、私が幕間のトークを担当して(委細略)。
 後半は、丸テーブル毎に保護者の方と歓談しつつホテルのコースランチ。

 会が恙なく終了して、その後Iくんに「ちょっとお茶でも」と言われてたんで薄々とは分かってたんですけれども、のら~りくら~りかわしてたとある女性とのお食事会(お見合い0次会?)、ついにアポを取られてしまいました。講演でも人と人との繋がりを協調しておられた若手起業家、でもアレって要するに昭和の仲人さんタイプなわけなんですよね。
 ほら、独身中堅って、婚活とかが忙しかったりするでしょう?