壁よ ああ壁よ 高くて分厚い壁よ ありがとう

 朝のSHRは副担任の先生に託し、朝イチでF校親玉大学病院にて母君の月イチ定期健診(肺癌なので呼吸器内科)……と思っていましたら、本日の検査(CT・検診)は10時からだとのこと。勘違いしていました。本日唯一の授業は4限で12時5分からで、検査・診察を合わせて1時間半で済めば間に合います。待ち時間が長くないことと、勿論結果が安心できるものであることを祈るばかりですが……。
 という訳で、朝の思わぬ自由時間は、ベッドで大橋巨泉『ゲバゲバ人生』。このタイミングで文庫落ち講談社+α)したのを開いたらこれがとても面白くて。締め切ったホテルの部屋で読んでいる間、密室にも染み込んでくる外の蝉時雨、これは病院まではタクシー移動ですね(施工会社に回す領収書を貰ってみましょうか)。ネクタイは、いつもの通り、63回生医学部女子からの縁起物です。

 10時少し前に病院に入り母君と合流。母君の機械検査を待つ間にも『ゲバゲバ』を読み進め。ネクタイは縁起物をつける割に、ガンで死んだタレントの自著をここで読むことはそれ程気にならないという。検査後、15分ほど身体に異常が起こらないかどうか待合室で座って待つのですが、そこのテレビで映っている大量殺人のニュース。こういうのをテロと言うのではないのか、というのはやや感情的な反射かも知れませんが、少し前の老人ホームでの突き落とし事件と同様、介護の現場で働く母君にとってこの事件のインパクトは相当なもののようです。

 さて、診察の待ち時間、私の見通しが甘かったようで、1時間ではとてもきかない様子。仕方ないので、母君には絶対に終わった後でお一人で帰られないようお願いして、一旦学校にタクシーで戻ることに。4限の授業を行ってから病院に戻ったら、その時には診察・支払いとも終わっているでしょうから、結果を母君から直接伺うことにしましょう。
 タクシーの中で、自分が若干イラついていることを感じ。先日、同窓同僚数学から「母君の病気・盗難・自宅工事、と3年連続で『不幸』に襲われている」と指摘されたあれは、勿論友人としての「お前自身は自覚に乏しそうだから油断するな」という忠告で、実際に私も(自分の身体が傷ついているわけではないこともあって)余りそうと意識していなかったんですけれども、やっぱりホテルでの違和感とか今日の時間的チグハグとかが重なると焦りが生まれますね。こういう時に「次はあなたの生徒に不幸が!」とか迫られたら、私、3分くらいで折伏されてしまいそうです(笑)

 4限の授業は惰性・慣性でこなして(許してね、だって扱うのがよりにもよって「城の崎」なんですから)、またもや帰りのSHRは副担任先生に託す。タクシーで病院に向かったのですが、途中、母君から既にいつも使うJR近くの喫茶店に入られたという連絡がありそちらへ。
 診察のY先生によれば、ガンマナイフは成功(痕がきれいに見えなくなっていたそう)で、首から下も異常なし。というわけで、母君の喜びようたるや、明日の年休予定を取り消して(本日急遽入院が決定したという)利用者さんの元へ駆けつける、と。診察が終わってから私が到着するまでに、既に電話で仕事をなさってた様子。まぁ、どうせお止めしても聞かれる方ではありませんので。私は私で、学校に戻って授業準備です。

 夜は、ホテル近くの野菜料理屋「B」で独酌読書。17時一番乗りの店内でしたが、大体19時くらいには平日だろうが満席になる人気店。野菜中心の料理・お洒落な店内・アルコール(とノンアルコールと)の揃いが充実、と来れば、女子会に使いたいとか、医学部の先生たちの集いに使いたいとか、需要は大きいのですね。F校の先生との飲み会でもよく使います。今日は、珍しい紫オクラ(生食用で、火を通したら緑色になるそうです)が入っていたのをいただきました。
 今日は、朝のローカル情報番組の取材でテレビ局のクルーが入っていました。放送は8月3日、とのこと。

 ヴァージニア二等兵『異世界居酒屋「のぶ」(2)』読了、★★★★。
 大橋巨泉と並行して読んでいる山田風太郎のエッセイも良。ちくま文庫が数冊連続して刊行するみたいですね。