きのこのきーちゃん のこのこと あるきます

 さて、夜中の1時半に携帯が震えて目が覚める。届いたメールは64回生東大某くん、生活リズム崩壊夏休み絶賛漫喫中、からのもので、用件は「おにゃのこと二人で渋谷エリアでちょっといいとこのお肉食べに行きたいから食べログやってよ(大意)」というもの。
 返信以下。【ご推察の通り、爆睡を起こされ激怒の即レスですが(笑)、ズバリ予算(二人で一万とか?)と、飲みの有無と、あと決まってるなら曜日を教えて下さい。僕からの次の返信は明日です。ぐう。】

 4時前起床で5時過ぎに学校入り。携帯から打つのは大変でしたが、40分かけて某くんに返信、以下。
 【①神泉駅「三百屋 お弐階」……1階は普通のホルモン焼屋です(こっちも悪くない)けど、店内から2階に上がった完全予約制のフロアがデート向け(個室もカウンターも)。料理は5000円のお任せコースのみで、ドリンクは別。大学生にはチョイとお高め。あと、店員さんが焼いてくれます。でもって、日曜はお休み。
 ②渋谷「溶岩焼きダイニング bonbori」……溶岩焼きの焼き肉(ハンバーグ美味)。店内はお洒落カジュアルで照明が暗いから雰囲気重視ならこっち。飲み放題つきのコースがあるから会計は明朗。あと、ランチがあるので独りで下調べも出来ます。無休。
 ③渋谷「肉割烹バル 将泰庵」……焼き肉ではない肉料理にはこんなお店。ワイガヤな(明るいめの)雰囲気でもいいなら。「バル」とあるように飲める店。飲み放題つきのコースも良し、単品(1000円台の肉料理と、肉以外にも居酒屋プライスの一品が豊富)をお二人様で中睦まじくシェアするのも。こちらもランチで下見可能です。無休。
 ④神泉「かしわビストロバンバン」……鶏でもいいならイタリアンがあります。カウンターもテーブルも隣のお客さんとの距離は近いし、ワイガヤの極致ですけどね(でも、だからこそ逆に他の席の話が聴こえないから二人の世界に入れる、という逆説!)。ビブグルマン店舗で味は保証、その上食べ物も飲み物も(ワインですら)大衆価格でとにかくコスパ最強。ムーディーじゃなきゃ嫌だ! って場合はパスですけど、その場合でもそれとは別に仲間同士の飲み会でもおすすめします。無休。
 取り敢えず4軒。どこも電話予約は必須です。食べログぐるなび他で4軒を検索して、どこもピンと来なかったらまたメールを下さいな。
 でもって余談、お肉に限らずデートなら神泉エリアのお店がどこもかしこも(ちょい高いところが多いけど)お洒落でオススメ。更に更に老婆心、渋谷からは徒歩より電車で。途中で円山町に迷いこんだら気まずいからね(笑)
 んでは、こんなとこで。】

 何だか、メールだけで一日分の仕事した感がありますけど、今日は教職員全員で出張の日(生徒は自宅学習)。学校から貸し切りバスに乗って柳川往復です。とは言っても、鰻を食べるわけでもなく、船に乗るわけでもなく、ただただお話を聴くだけの職員研修。F校だけではなく、筑後地区の私学教員が一堂に会する大がかりなもの。
 午前中は市民会館で全体会(講師は林田スマ氏で、氏のお話を聴くのは人生で2度目)、午後は各所に分かれて分科会(私が選択したのはLGBT理解に繋がる教育環境についての講演)。

 全体会の講演は「巧い」、分科会の講演は「興味深い」。
 私にとって、LGBTに関して今いちばん面倒臭い問題なのは、所謂「淫夢厨」ってやつですね。オンラインの情報ならシャットアウトできるけれども、これを現実の生活の中で実際に話したり書いたり描いたりする子が居るんです。これは嫌でも耳目に入ってくるから、それを嫌だと思う人がシャットアウトできないんですね。語源を知ってて遊びに使う阿呆が居て、それがLGBTの当事者にとっての差別になっている(自分が差別の加害者になっている)ことに気づいていない。知らずに無邪気に使ってる人もいて、前にも書きましたが私へのメールで「おなしゃす」を使ってきた63回生A組2人に「語源を調べて下さい」と返信したこともあります(2人とも、語源を調べたらもう使わないと言っていました)。そして何より難しいのは、問題そのものの理解共有が不可能な教員がほとんどだという事実。研修後に講師の先生(LGBTの当事者で、啓発支援活動を行うNPO法人の代表)とお話しさせて頂いたんですが、草の根の現状を講師の方と憂うばかりでした。
 ネット上では、先生をして「野獣先輩を取り巻く一連の動きは最早一つの文化」と言わしめる惨状。性の多様性が認められるべきなら文化の多様性も……ってのはぞっとしない話で、幾ら何でもあんなのは文化じゃなかろうもんね、と。実際、学教教育・環境におけるLGBTの問題って、ネットリテラシーと不可分だから難しい。一橋大学では自殺者が出ましたね。

 夕方に学校解散の後、今夜は56回生Iくんと飲みのお約束。博多の水炊きを予約していたので、西鉄電車と地下鉄を乗り継いで現場へ(K駅→天神→中洲川端)。
 博多の水炊きは実は人生初なので楽しみにしていたのです(美味しかった!)。Iくんは高1A組(外部中)出身の文系、現在はJR九州にお務めなので、お話は外部中出身者のメンタリティのことや(何せ、私が今年はそこの担任をやってるんですから)、JRのお仕事のこと、最近のF校事情などなど。
 水炊き屋でビール3本飲んだ後、2人で焼酎のボトルを1本空けて、2軒目に行くぜ、と博多駅に移動してから更にビール祭りやっちゃいました(いや~、Iくんも強いんだわ)。

 明日は授業が4つ(1~4限)入ってるんですけれども、千鳥足へ新幹線に乗り込んで、タクシーでホテルに帰って気絶。

 野坂昭如『男の詫び状』読了、★★★★。37人との往復書簡。日本行方不明也、を激しく憂いて熱く訴える作家の絶筆。若しかしたらこの本は、「文壇」を味わうことのできる最後の本なのかも知れません。