短編集も 風がめくって

 本日日曜日、「生徒ほたって上京旅行」の最終日は、新幹線で帰福の移動日。夜はK市の母・Hさんにお土産をお届けして、そのまま「もりき」へ移動という流れ。
 健康起床、入浴、着替え。買い込んだ本と衣類とはホテルから元払い宅急便、お土産類は両手に抱えて出発です。ちょっと準備に手間取ったために、山手線品川着が8時40分、新幹線品川発が8時46分でしたが、移動6分の間にHさんへのお土産「品川珈琲」と駅弁とを購入できたのは動線を完全に理解してたのと、5分徒歩の感覚を知り尽くすに至れた教員生活のおかげ。

 新幹線車内では、本を3冊読了し、4冊目を半分。朝食・昼食を兼ねた駅弁を食べてお茶を飲み、デザートはコカコーラ。3泊4日でビールだけでも軽く10リットルは飲んでるから体は激膨張で今夜の「もりき」が太り納め。ですが明日から朝昼食わずに働けば、数日で体重は元に戻る筈です。

 上京旅行では必ず1つ「人生初体験」をすると決めているのですが、今回は帰りの新幹線車内で「読書メーター」の登録をしてみました。日記用の備忘、試しに9月分の22冊を登録。「本棚」で本の表紙が見えるところが面白いですね。22冊を登録するのに1時間弱かかる面倒さはあるので、継続するかどうかは不明ですが。
 以下、140字×2ツイート。
 【読書メーター曰く、私の読書の1日平均は0.96冊で211頁。数値化されたら俄然やる気が出る人は多そう(「合格体験記」にもStudyplusが頻出)。ですが、読了本は趣味の(少なくとも趣味と仕事とを兼ねた)本限定、紙媒体に絞っても実際はその倍ではとてもきかない量の活字を読んでます。】
 【国語(授業・試験)関連の資料用につまみ食いする本は無数ですし、これは「活字」ではなく肉筆ですが生徒の文章を読む分だけでも趣味の読書の分量を超えそう。紙から離れたら勿論ネット情報も沢山(現代人皆活字中毒)、ブロガー・ツイッタラーなんで自分の文章も結構読んでますね(これは自家中毒)。】

 K市に着いたら先ずはタクシーで学校に移動して職員室でお土産分類。その後、学級通信作成や授業準備等のデスクワークをガシガシ。19時前に職員室を出て、先ずはHさんちに「品川珈琲」をお届け。そのまま「もりき」に行こうと思ったらHさんも同行すると仰有ったので2人で入店。
 お土産話を肴に2人で飲んでたら、Hさんが「カレーを作ったから明日の夜は食べにいらっしゃい!」と。あ、太り納めが今日ではなくて明日になってしまいました。

 自宅ベッドで健康睡眠。

 最後に、今回の3泊4日で読了した本が、以下9冊。
 松木直也『[アルファの伝説] 音楽家 村井邦彦の時代』読了、★★★★★。「ALFA MUSIC LIVE」から1年、村井邦彦の天才と偉業とを荒井ユーミンYMOの「ALFA」二大黄金期を中心に詳述、この仕事は丁寧だった。
 相倉久人・松村洋『相倉久人にきく昭和歌謡史』読了、★★★★。ジャズ評論泰斗の遺作は対談、微視・巨視的視点を自在に往き来しつつ、楽曲分析から(内田樹『日本辺境論』を引きつつの)社会・文明批判まで。笠置シヅ子がデビュー時の美空ひばりに自分のレパートリーを禁じる意地悪をした、というエピソード(の真偽)は、砂古口早苗『ブギの女王・笠置シヅ子』の検証の方に軍配を挙げて、私は笠置シヅ子側に立ちたいなぁ、と思いますが。
 中川淳一郎『バカざんまい』読了、★★★。傑作『夢、死ね!』の著者による時評コラム、正論だし文体の芸はそれ程変わったものでもないし、タイトルの煽るようなインパクトは無し。前述の『夢、死ね!』や堀井憲一郎の大傑作『若者殺しの時代』(共に「死」に関する語が題名に含まれる2冊)に共通するのが、とにかく若者(次世代)に絶対に伝えたい事実・意見があるというその個人的な情熱の量で、その後に「お仕事」で書いた本にはない切実さが魅力的なのですね。
 土屋賢二『無理難題が多すぎる』読了、★★★。古希を超えて継続は偉大ながら近年ジョークの冴えが……。
 南伸坊『本人遺産』読了、★★★★。顔マネ・文字マネ・文体マネの三拍子、水木しげるには参った!
 佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』読了、★★★。九十三齢春秋、による書き手の話題作で筆は達者。
 法月綸太郎『挑戦者たち』読了、★★★★。レーモン・クノー『文体練習』へのオマージュは99篇の「読者への挑戦状」、筒井康隆宮沢賢治稲垣足穂、等々の日本人作家のパロディを最も面白く感じました。
 シタラマサコ『おそ松さん(2)』読了、★★★。「ニートたち」「給食係」という呼称は巧み。
 田中圭一『イかれポンチ』読了、★★★。パロディー(ほぼ)無しのお下劣ギャグは確かに作者自身があとがきで自認する通りの真骨頂。