共感する どころかヘタすら共通項ばっか

 朝から14時まで学校で仕事。日曜祭日関係なしなのが「日常性の維持」ですが、本日は昼過ぎに仕事上がりで実家帰省です。母君の買い物の荷物持ちで、落ち合うのが夕方になるので夕食をご一緒して実家泊です。即ち休・肝・日!
 鈍行で本を読みながら小倉へ移動して、待ち合わせのデパートでは正月用のおせち(もうそんな季節!)他様々なものを購入。夕食は小倉駅近くのイタリアンでコース料理。私は葡萄のジュースを注文しましたが、基本はお冷やだけで。母君との会話は仕事のお話が最も盛り上がります。学校と介護との仕事には驚くほど共通点があるのですね。

 吉本ばなな『下北沢について』読了、★★★★。井の頭線2駅隣の大学に通いながら遊ぶのは専ら渋谷でついに一度も電車を降りることがなかった下北沢の街に、大学卒業とともに東京を遥か離れて13年が経った今になって行ってみたくなったのは偏に吉本氏の文章の力。但し、この本の中に出てくるのは正にその13年(くらい)前の下北沢、今はもうない風景で現実に味わうのはもう不可能なのです。文章から発散されている感情の力が強過ぎて読むのに若干の気力体力が要ることを覚悟すれば、作者のノスタルジーに心地よく共感しつつ、本を閉じた後はそれぞれの場(街)で前向きに生きる勇気が湧いてきます。
 吉本ばななの随筆には「心が折れそうな程色々な物事に追い詰められた極限状態でも最中にはそうと気づかず無我夢中だった話」が頻出します。私の場合、63回生高3業務(担任をしつつ、現代文と漢文とを担当)と母君の肺癌手術とが重なった3年前の秋ですね。あの時以来、ばなな随筆への共感度が上がって、読むのに気力を要するようになりました。