みちでバッタリ 出会ったョ

 昨日、事務嬢さんと。
 嬢「先生、明日は博多出張でしたよね?」
 私「ですね。夕方まで」
 嬢「夜はどうされるんです?」
 私「折角だから、博多の『太郎源』で飲もうかな、と。58回生のFくんを呼び出してます」
 嬢「へぇ。私も、旦那が昼に博多で結婚式に出席するんで、その後2人で博多で飲むんですよ」
 私「ほうほう、バッタリ会ったりしてね」
 嬢「流石にないですよねぇ」
 ……バッタリ会っちゃいました。顛末は後程。

 定期テスト3日目。1限は高1現代文の出題で範囲は「山月記」全文(と「人虎伝」)。2限には監督がありましたが、その後は帰りのSHRを副担任の先生にお任せして出張です。
 博多の某予備校で、東大入試研究会。全体会は九工大の入試担当の先生の講演、分科会が東大現代文解説。前者はそんなにピンと来る内容ではありませんでしたが、取りあえず大学の人たちが20年度からの新テスト筆記の各大学採点について「自分が作った訳でもない問題を、1・2月とかいうクソ忙しい時期に採点する余裕なんざあるわきゃねーだろ!」と認識しているということは分かりました。そんなの、一度でも真面目に大学生やった人間なら分かるだろ、って話ですが、官僚になるような人たちが必ずしも真面目に大学生をやっていたかどうかは定かではないというのは卒業生を見てれ以下略。
 東大入試研究会は、今夏、東京の本部校で現代文授業研究講座に参加させて頂いた講師の先生と同じ方だったので、話は半分以上その時と同じ物でした。でも、現代文(と、その教え方)私と非常に近しい感覚をお持ちの方だったので、2度聞いても面白い・心地良い(というか、自分のやり方で良いんだよな、と心強くなれる)講義でした。

 本来なら、その後の「情報交換会」という、色んな学校の国語の先生との懇親会(要は飲み会)に参加するべきなんでしょうけれども、博多に来て「太郎源」に行かないのは勿体ないよね、と58回生FくんをK市からお呼び出し。絶品の刺身・佐賀牛・マグロカマを肴に日本酒を飲み上げて、さて贅沢に新幹線で帰りましょ、と二人でホームへのエスカレーターを昇っていたら、前に立ってた2人が、
 私「あれ、事務嬢さん?」
 嬢「あっ、先生!」
 という夫婦連れだったのです。

 Fくんも事務嬢さんに懐いている卒業生の1人なので、夫婦、妻の友人、その教え子、という不思議な4人で新幹線で向かい合い。昼(結婚式)から飲みっぱなしの旦那様と車内酒が得意ではない私とを余所に、事務嬢さんとFくんは缶ビールで乾杯。17分で着くんだから我慢なさいよ、ってのは偶然の邂逅をプティお祝いするムードに水を差す野暮ですかね。
 JRのK駅で夫妻とお別れし、Fくんと2人でカラオケバーにて熱唱……してたら携帯に事務嬢さんからメールが届きました。「今から宅飲みしません?」

 23時やで、と言いつつ即座に店を出てタクシーで嬢のお家へ、いつの間にやら復活していた旦那様も交えて、結局1時過ぎまで飲み上げて、博多駅内の紀伊國屋で空き時間に買い込んだ本を丸ごと全部忘れて帰宅しました。即失神。