一刹那のうちにおいて懈怠の心あることを知らむや

 小林信彦『おかしな男 渥美清』読了、★★★★★。渥美清に関しては、かつてお昼のワイドショー番組に彼の死去の第一報が入った時、コメンテーターの市川森一が仰天して叫んだという記憶があります。さて本書の話、渥美清の出演作品を通して観たのは『八つ墓村』だけ、本書に興味を持ったきっかけも『トットてれび』だったくらい真っ更な状態で読みました。すると、先ずは筆者の造詣と筆力(文体の魅力と対象との距離感との絶妙!)とに圧倒され、その記述を全幅信頼すると仮定した場合に立ち現れてくる渥美氏の心の暗渠に戦くという流れ。全然知らない俳優なんですけれども、現役の誰に比することが出来るかを強引に考えるならば、やはりタモリなのかなぁ、などと。

 本日は授業が1コマで一日の流れは緩やか。放課後に、ちょっと重要な案件についての保護者面談があったのが唯一のトピックかな。
 仕事の後は、帰路にあるお気に入り「I」(肉料理)で読書独酌。マスターと、明後日の予約について細かい打ち合わせをして料金も先払い。

 2年半の母君の大病以降、ちょこちょこと年休を取る癖がつき始めました。以前は浪人生への添削郵送とか家庭訪問とか殆ど仕事の為以外に年休を取らなかったのですが、最近は引っ越し以来増えた家事(!)だとか、明後日みたいな飲み会だとか、酷い場合は上京旅行だとか。仕事舐めてんのか! って感じでしょうか。
 で、「明後日みたいな飲み会」ですよ。肉料理「I」にてマスターお任せの懐石2人前、お相手は愛しのオツカル様でして、福岡出張に絡めた熊本実家帰省の一環でわざわざK市にお出でになるというね。で、マスターと打ち合わせたコース料理内容は、オツカル様の食性に合わせた「完全野菜抜き」。薬味すら使わないという『ミスター味っ子』もかくやの注文を、マスターは割と面白がって引き受けてくれました。「精進料理」の逆ですから「懈怠料理」、年休取りまくり仕事舐めてんのか先生には相応しいネーミングなんじゃないでしょうか。