お店の名前を外に向けて ぶらさげた地方人

 6時の健康起床、ホテル大浴場にて湯浴み、東口にあるお気に入りのネカフェで日記、聖地・ジュンク堂本店に開店と同時に入店で9階→地下1階のシャワー効果逍遙。ここまでは旅行中鉄板の流れで非日常の中の「日常性の維持」です。

 いしかわじゅんは「犬木加奈子は名前が怖い」という卓抜な一行評論をしました。名は実の賓ですが、顔でもあります。
 で、私には、ペンネームを作品だと考えるならこの名乗りは駄作も駄作というか生理的に無理、という小説家が一人いたんです。但し、その小説家の著作をwikiなどで見るにつけてそのタイトルからだけでも才能(天才、に近い)は窺い知れ、何でペンネームだけ「それ」なんだよと文句を言いたいくらい。で、ペンネーム生理的無理問題の壁があったのでこれまでず~っと食わず嫌いを貫いてきたんですね。ところが本日、朝の聖地ジュンク堂でふとガードが緩んだのが運の尽きでした。平積みの本を何気なく手にとって最初に開いたページ、そのラスト一文が圧倒的な巧、且つこれはそのまま傍線部でここに傍線部が引ける文章なら他の一切を見なくても作問出来るということは丸わかり。
 要するに1秒で傑作だと知れたんですよ。文字通り、秒殺。読む前から★★★★★(これでもペンネームの分、★を1つ減らした評価だと言えるくらい)です。でもって、実際に立ち読みのまま2分で高3校内模試が出来てしまいました。
 因みに、圧倒的敗北をTwitterで呟いたら、ご自分も全く同じ理由で食わず嫌いだという(年上の方からの)リプが届きました。生理的に受け付けないものを面白いと思うようになる変化への疚しさに伴う快感というのを味わいたいならどうぞ、という所でしょうか。

 ジュンク堂退出は11時半であと2、3度は訪れる予定。

 11時半に池袋駅西口で待ち合わせたのは、こないだの泥酔直電芸で無理矢理誘った64回生Tくん。流石フッ軽、オッサンの誘いにも躊躇わず。「変わり種の饂飩か、くそ辛い中華か、そんなに辛くない中華か」という「あんぷく」「知音食堂」「中国茶館」の3択でTくんが選択したのは「中国茶館」。開店と同時に入店したら、その20分後くらいにはランチの奥様方・リーマン方でいっぱいになりました。凄いね。入口には、よしながふみと、『東京喰種』の作者のサインが。
 で、奥様方・リーマン方の中華健康ランチテーブルを余所に、上京非日常の国語教師と巻き込まれ型春休みの大学生とは迷い無く「食べ放題・飲み放題」コースを選択。一皿が小さいから色んな物が入るね、と本国流のお皿を次々に注文しつつ、私はビールビールビールビール……で、昼酒は回らないとは言え14時バイバイの段階で完全に一日が仕舞うとるがな、という状態。即座にホテルに戻ってお昼寝です。しゃーわせ。

 さて、本日「も」お付き合いいただいたTくんは、外進A組出身ながら生徒会副会長・文化祭P・体育祭応援団副団長等々八面六臂、成績も優秀で東大文一入学後も政策立案サークル兼テニサー、笑う程の人たらしは高校大学と一貫してスクールカーストの最上位に君臨、というお方。F高でも大学でもカースト最下層の私とは人生が真逆で、敢えて64回生担任団を持ち出すならF高47回生で生徒会長を務めた同窓同僚数学とカースト的には近いんですね。なんですけれども、私は何故か彼に親近感、属性として近しいものを感じる。何ぞや。
 2人で話して抽象(抽出)した共通点は、どうやら「自分より圧倒的に優れた人から過大評価され、それ以外からは見くびられる」所みたいで。これはねぇ、ほんに便利な「属性」なんですわ。

 泥酔泥眠3時間で健康起床、大浴場湯浴み後は頭もクリアでよし、飲み直せる! という感じ。今夜は、オツカル様&がっ様と上野のジャズバーで水森亜土のライブを観ながら飲むというプラン。前世の功徳に違いない幸せ。

 上野「アリエス」にて水森亜土さんのライブは、昨年の銀座と同じく3部構成の2部までを鑑賞。ジャズのスタンダードから「すきすきソング」「ダルマサンがコロンダ」等の子ども歌、そして私が大学時代にCDで聴いて驚喜した「MINNY THE MUCHA」の生演奏!(私は、戸川純「オーロラB」と水森亜土「MINNY THE MUCHA」とが可愛い歌声の定義だと思っています) ステージの合間には名刺を頂き、昨年お世話になった(ステージ衣装を頂いたり、熊本地震のお見舞いのお電話を頂いたり)ことのお礼を直接言うことが出来ました(お手紙はお出ししていました)。流行り物も取り入れて「PPAP」の一節を口ずさむ姿も可愛らしかったし、思い残すことがない!
 しかし、流石東京のジャズバー。チャージはともかく小瓶ビール950円とかポッキー900円とか値段がえげつなかったね。払うけど。喜んで払いますけど。

 その後、大学時代と同じノリで男3人マシンガントーク飲み会。オツカル様推挙の居酒屋「れんこん」は、店名通りの蓮根料理店。蓮に目がない私のための店なのではないかと。
 蓮根ピクルス、蓮根真丈、風呂吹き蓮根、蓮根ニョッキ、蓮根麺、そして勿論ドリンクは蓮根焼酎。

 終電でホテルに戻って健康睡眠……またまた、帰りのコンビニに寄り道、ハーゲンをダッツで。チョコをミントで。堂土さんレベルで激太り待ったなし。
 ま、楽しいから全く無問題なんですが。